竹林から「SDGs」へ-

公開日: : 最終更新日:2021/07/23 日々日々フルーツバスケット, 雑記その他, 食・農業・環境

7月13日夕刻、仕事を終えて外に出ると、
山肌からヒグラシのこだまが響いてきた。
僕の大好きな “ 初夏の夕暮れ ” の到来。 例年よりちょっと遅いか。

15日には、丹那盆地に赤とんぼ発見。
そして16日の朝、アパート近くの神社の森方面から、
クマゼミの合唱が始まった。
シャーシャーシャーシャー・・・いよいよ夏本番だ。
17日には東海地方の梅雨明けが発表された。
気合入ってくるね。

 

一方で、東京は4度目の「緊急事態宣言」に突入。
5月に「緊急事態」を延長させた後で「まん延防止~」に移行させた
あの措置は、いったい何だったんだろう。。。

そして、ワクチン供給も失速する中で、
「パンデミック下でのオリンピック」が、本当に始まる。

「復興五輪」のスローガンは、いつのまにか消えた。
「コロナに打ち勝った証し」も、さすがに使えそうにない。
最後まで「中止 or 延期」の選択肢はなく、ここまで来てしまった。

「国民の命と健康を守るのが最優先」と謳いながら、
「五輪開催」こそが政権にとっての最優先策であったようだ。
「安心・安全」を唱えれば唱えるほど、かえって虚しさが募る。

スポーツ観戦大好き派のワタクシとしては、
やる以上は何とか混乱なく、たくさんの感動を与えてほしいと思うが、
しかし終わったあとに、「まあまあうまくやれたじゃん」と
政権支持率が上がるのだけはどうも耐えられないと、
そんなセコい感情を打ち消すことができない。

首相はおそらく、相当な覚悟をされて進んできたんだと思う。
しかし、決意を実行するのに、悲しすぎるほどに言葉が貧弱である。
「私は主催者じゃないので・・」なんて場当たり的な逃げ口上もあった。
官邸の危機管理システムは大丈夫なのだろうか、とすら思う。

五輪に政治はつきものだけど、
もし無難にやり切ったとしたなら、貢献したのは
政府や大会組織委の偉い方々ではなくて、
感染対策も含めた現場の責任感であろう、とは
あらかじめ言っておきたいと思う。

第3派以上の「第5派」とも言われる感染の再拡大。
そんな中でも五輪対策に駆り出される医療従事者たちがいる。
どうか医療体制が崩壊しないよう、切に祈りたい。
そして終わった後には、その遺産(レガシー)をしっかり検証しよう。

 

さてと。
気を取り直して、竹の話を続けたい。

函南町丹那の周辺には、竹林が実に多い。
しかしその竹林がどんどん荒廃していっている。
“ 竹林の荒廃 ” とは、消えていってるワケではない。
人の手が入らなくなり、放置されると、細い竹が増殖して
密植状態になり、暗い竹林が周りに広がっていっている、
ということである。
大事なヒノキ林にまで侵食している場所もある。

その要因の一つが生産者の高齢化であり、
もう一つが、竹林から稼げるものがなくなってしまったことだ。
かつては様々な日用品や道具・家具などの材料となり、
また建築用資材としても使われてきた竹だが、
今では春のタケノコ出荷くらいしかなくなってしまった。

竹に取って代わったのは、言わずもがな、プラスチックである。

また人の気配がなくなると、獣たちも跋扈するようになる。
ちょうど良いタケノコはイノシシに先に食われるという、笑えない話だ。
山はもう、農家には負担でしかなくなってきている。

この竹林の持ち主は、山口英昭さん。
キレイに管理されているが、御年77歳、喜寿である。
「あと何年(やれる)かな」と笑いながら語るのも、ちょっと切ない。

でも山口さんはきっと、体が続く限り、春には竹林に入り、
タケノコを掘り続けるだろう。
メンマの話には喜んでくれて、タケノコと一緒に幼竹も伐ってくれた。
竹林を大事にしたいと思っている方なのだ。

我が社の隣にある農協も、春にはかなりのタケノコを市場に出すのだが、
かつて20数人いた出荷者が、今年は10人だと聞かされた。
しかもほとんどが山口さんのような年代の方々だ。
こういう人が頑張っている間に何とかしなければ、と思う。

密植した竹林は崩落(土砂災害)の危険性も高まる。
竹林の適正な維持管理は、国土保全につながっているのだ。
いや、大げさではなく。

 

メンマの原料となる竹は、地面から掘る竹の子ではなく、
1~2mほどに伸びた幼竹(若竹)である。
これを一次加工してくれるのは、静岡市にある(株)ミヤハラフーズさん。
これまでずっと丹那のタケノコを集荷して、水煮を作ってくれている。
そこでミヤハラさんに幼竹を水煮にしてもらって、
遠忠食品さんで味付けまで仕上げてもらう、という算段。
いわば、プロたちのネットワークによる “ 六次化 ” と
言わせてもらいましょうか。

 

農協から生産者に声をかけてもらって、集まった幼竹が約2トン。
この数字は、ボク的にはけっこう “ 手応えあり ” である。

ミヤハラフーズの営業部長・保坂さんもやる気になってくれて、
何度も水煮の試作品を持ってやって来てくれた。

遠忠食品・宮島社長も
「いつでも持ってきていいよ。いいモノつくろう」
と言ってくれている。

 

そして、本当の仕掛けは、これからである。
続きは、次回に。

100年も前に、アルフレート・メーラーという
ドイツの林学者が、著書『恒続林思想』で、こんな言葉を残している。
(実は読んでなくて、孫引きですが・・)

最も美しい森林は、また最も収穫多き森林」であると。

見放されつつある竹林を “ 宝の山 ” に変えてみたい。
これはまた、僕なりの
「SDGs(持続可能な開発目標)」への挑戦でもある。

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