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「小満」の風景から、コロナ後を考える

2020/05/26
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「小満」の風景から、コロナ後を考える

季節は二十四節気の「小満」。
麦の穂が稔り、生気が満ちてくる時節。

麦秋を美しいと思うのは、どういうDNAに因るのか。
分からないけど、なぜかうっとり眺めてしまう。

上は5月15日の姿。下はその一週間後。

穂が熟し、垂れてきた。
これからの大敵は、雨だ。収穫期を睨む日々になるのだろう。

これはビール麦(大麦)で、
オラッチェ・ブランド『風の谷ビール』の原料になる。
日本初の有機JAS認定地ビールである。
全国に数ある地ビールのなかでも、
麦の生産までやっている、しかも有機JAS認定工場は
いくつあるんだろうか。
これが景観だけでなく、地域経済を支える麦であることを、
しっかりお伝えしておきたいと思う。

 

人間の営為と大地の力がつながった結果としての実りに
人は安心を得、生長した姿に農民は達成感を感じる。
今年はよく獲れた(実ってくれた)と思う時、
そこには奥深い調和と根源的な美があるように感じる。
そう信じておきたいと思う。
どんな文化や文明の時代になろうと、これは生命の源だから、
良い実りの姿は、美しいに決まっているのだ。

そして田んぼには水が張られ、田植えが始まる。

5月24日(日)には、
盆地内の田んぼの田植えがすべて終わった。
農学理論ではたしか、一日平均気温または水温が
安定的に15℃に達する時期が田植えの適期だと記憶しているが、
いまコメだけで生計を立てられる農家は、ここにはいない。
土日に作業が集中するのはやむを得ない。
主食であるコメは、彼らにとっては、あまりに安いのだ。
自国の農業をどうするかは、実は消費者の問題なのである。
この国の為政者はそれが分かってない。

作り続けてくれているだけで、有り難いと思う。
コメがほしいだけじゃなく、環境という生存基盤を守るためにも。

 

鳥たちが憩う場所もある。

この緑地帯は、当地人気のパラグライダーの着地点として、
ちゃんと管理している場所である。農薬は撒かない。
今年は人気(ひとけ)がないこともあってか、
例年より鳥たちが多い気がする。

丘の上に上がれば、
こんな牧草畑の風景も、美しいと思う。

酪農が営まれるから、牧草も育てられる。
こんな風景が見れる日常を、感謝したいと思う。
経済的に見合わない(儲からない)と言われ続けてきた
この国の「農」は、まだ滅びていない。

 

グローバリゼーションに乗り遅れるは恥ずかしい、
昨日までそんな時流だったはずなのに、
それを牽引してきた国のトップが自国ファーストを叫んでいる。
今日のニュースでは、米国で作り過ぎた人工呼吸器を
大統領から売り込まれて、日本政府は買う約束をしたという。
国内での増産を指示しながら、
「予備はあっていいから」「日本製より格安だ」と
大量に引き受ける今の政権の姿勢を、僕は信頼できない、どうしても。

変異して突然のごとく世界を席巻した新型ウィルスは、
世界の連帯と地域自給の大切さを教えている。

ローカルを基盤にしながら、グローバルに連帯する。
これはずっと市民セクターから叫ばれてきたことだ。

ポスト・コロナの社会構想が、人類に問われている。
そんな難しいことではない。
イイなぁと思うこの風景を守る、その経済を築けばいいんだと思う。

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