観光立国の前に-

公開日: : 最終更新日:2019/02/19 丹那牛乳&酪農王国オラッチェ, 日々日々フルーツバスケット

1月23日、函南にある別荘地「南箱根ダイヤランド」の
レストランから撮った富士。

この厳寒期に頂上まで雪が溶けている姿を見たのは、
こっちに来て初めてだと思う。
やはりかなりの暖冬である。

この日、
昨年7月の西日本豪雨で工場が土砂災害に見舞われた
ヒロシマコープの末廣社長と太田東京支店長が訪ねて来てくれた。
ようやく復旧も進み、春には工場を再開できる見通しとなって、
その報告と義援金(親会社で取りまとめて贈らせてもらった)
へのお礼も兼ねての来訪だった。
当時の大変な作業を写真を見ながら振り返るお二人に、
こちらはただ凄まじかった状況に嘆息し、労をねぎらうだけ。
そしてここまでこぎ着けた尽力に感謝し、
復旧-業務再開を喜び、帰る前に「一緒にお昼を」と
別荘地のレストランにお誘いした次第。
そこでこの富士である。しぜんと気候の話題にもなる。

温暖化とともに気候変動が激しくなる昨今、
自然からしっぺ返しを受けるかのような災害の頻発に、
僕らはこの先、どれだけ耐え切れるだろうか。
それは自身の「備え」の問題だけではない。
森林(山)や河川をどう整備し、どう付き合っていくべきなのか、
本気で見直さなければならないし、
地域の連携を強く(かつ柔軟に)していくことも大事なことだ。
それらの総体が国土を守る力になるはずなのだが、
今の政治は一次産業(の総合力)をただ生産物の貨幣価値だけで捉え、
国土保全のシステムそのものを切り刻んで
巨大資本に叩き売ろうとしている。

「頑張ってみますんで-」
そう言って頭を下げるお二人を熱海駅で見送りながら、
衝動に駆られる。
国土と人々の暮らしを守るのは誰なのか。
反撃したい!

 

2月に入り、中国の春節を迎えてか、
インバウンド商戦が激しい日本。
群がっているのはどっちなんだろう、と思う。
国土を劣化させながら、インフラを海外資本に開放しながら、
「観光立国」って、あり得ないでしょう。
ちょうど読み終えたばかりの『日本の没落』(中野剛志著、幻冬舎新書)
に影響されたか。。。そこにこんな一節があったのだ。

人口の減少したアテナイは、外人の観光により、また
(ユダヤ王ヘロデスのような)富裕な外国人の喜捨によって生きていた。

この100年前に書かれたシュペングラー『西洋の没落』の一文を
引用しながら、著者・中野はこう言い放つ。

観光立国とは、世界史において繰り返されてきた没落の光景なのである。

 

そんなことも意識しながら、しかしやることはやる。
そこに棚があるなら、置くべきものは置かせていただく、
それが仕事というたたかいである。
矜持(きょうじ)を持ってやるのだ。

奇跡のV字回復を遂げたと言われる熱海。
昨年オープンした駅に直結するショッピングセンター
「LUSCA(ラスカ)熱海」店内に、
今年もこのジャムが並べられた。
熱海梅園の梅ジャム。

依頼されての製造で、3年目になる。
もちろん無添加。販売は「七尾たくあん」さんのコーナー。
昔から自然農法の野菜を使い続けている漬物屋さんである。
季節限定、熱海梅園の梅100%!
頑張ってくれよ、とエールを送る。

2階に上がれば、
弊社自慢の「手むきみかんジュース」も片隅に・・・

どの店舗でも、採用してくれたのであれば、
そこでは胸を張って、ちゃんと作ったものの存在を
主張させていただく。
観光客であろうが外人さんであろうがお客を選ばず、
地道に立ち続ける。
一人でも多く手に取ってみてほしいと。
飲んでくれれば、味の違いは分かるはずと信じて。
これらはまた、何を守っているのかも語れる製品たちであって、
これも日々のたたかいだと信じて、立つのだ。
“観光立国” と燥(はしゃ)ぎながら群がる前に、
文化を守る、誇りを持った食産業でありたい。

 

さて、その手むきみかんジュースをお土産に持って、
2月9日(土)は新幹線を乗り継いで、
福島県喜多方市へと向かった。
大地を守る会オリジナル酒「種蒔人」(たねまきびと)の
新酒完成を祝う交流会。
今年で23回目。
僕にとっては絶対外せない恒例行事。

 

この報告は次に回させていただくとして、
ここでお知らせをひとつ。

フルーツバスケット本社のある「酪農王国オラッチェ」では、
来たる3月10日(日)、
東日本大震災の復興チャリティ・イベントを開催します。

2012年から欠かさず続けて8回目。
曹洞宗僧侶による法要は、震災時刻に合わせて
午後2時半過ぎから。
僕は今年も、ここから手を合わせます。
3.11後に起きた各地の被災地も含めた復興と、
すべての人々に未来への希望が届くことを願って。

よろしかったらご来国ください。

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