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ジャムのフタが開かな~い!

2018/11/27
  • 日々日々フルーツバスケット
ジャムのフタが開かな~い!

・・・という苦情というか質問というか、
購入した方からの問い合わせが、たまにある。

年に数件程度といえば、
ジャムの総販売数から見ればわずかとも言えるが、
「温めても叩いても、固くて開(あ)かな~い!」と、
ハ〇〇ルーペのTVコマーシャルで叫ぶ
渡辺謙さんの怒りにも似た声が届くと、
これはやっぱ一般的な対処説明だけでは
足りないんじゃないか、何か考えなければと思う。
謙さんのように放り投げられては危険過ぎるし。

僕自身、フルーツバスケットに赴任して以来、
冷蔵庫には必ず何かのジャムが入っていて、
まあだいたいは力任せで開けているのだが、
時に自分の力では開けられないことがある。
そんな時はホームセンターで買ってきた
小道具(キャップオープナー)に頼ることになる。
内側にゴムが貼ってあって、ぐっと挟んで開けるやつだ。
それでもけっこう力が要る。

そんな「開かな~い」苦情が続けて2件入ったので、
社内の会議で「何とかしようよ」と持ちかけたのだが、
一般的方法以外に妙案が出ないのだった。

特に我が社のジャムは、
フタの内側に貼られているパッキンの素材が
塩ビではなくアクリルなので
一般のものより滑らない、という問題がある。

写真で見ても分からないと思うけど、
左が我が社のフタ、右が市販品のフタ。
大地を守る会の安全基準に対応して、
あえて塩ビから切り替えた特注品である。
そんな背景もあって、社員たちは
「塩ビには戻せない」と口をそろえる。
まあ、その姿勢は良しとしよう。
俺だって塩ビに替えようとは言ってない。

しかし、フタにも安全性を考慮したジャムだからと言って、
それで目の前で困っている人に対して、
「しょうがないです。頑張ってください」で
終わらせるワケにはいかないんじゃないか。
どの家庭にも握力自慢のお父さんがいるワケではない。
ましてや高齢化が進むこんにち。
フタが開けにくいという理由で購入を諦められる
人が増えては、企業の将来も危ない。
いや、そこまで言わなくても、
我が社のジャムのせいで、せわしない朝食前に
余計なストレスを与えて一日の運気を落とさせては、
申し訳が立たないというものだ。

だったらここは
「簡単な開け方をお伝えすべきではないか」
と主張した。反応はイマイチ・・・
こうなったら引けない。自分でやってみるしかない。

ネットで調べてみると、いくつも出てくる。
ジャムのビンのフタが開かない、は
我が社の製品に限ったことではなく、
日常的にありがちな “お悩み事” のひとつなのだ。
少し気持ちが楽になったが、
特に目新しい方法は見つからなかった。

そこで順番に確かめていくことにした。
定番の方法が、フタを温める、だ。
フタのほうが膨張率が大きいので開け易くなる
という理屈だが、開かないヤツは
少々の加温ではびくともしない。
何度もトライするとフタが熱くなり過ぎて、
布巾か何かで持たないと触れなくなる。
またそのためにお湯を沸かすのでは、
時間もかかってしまう。

次にビンを逆さまにして、底を掌で叩く。
あるいはフタの脇を固いもので叩く、という方法。
かたく密着してしまったフタとビンに
衝撃を与えることで密着部分を引き離そう
ということかと思うが、強靭な相手には
なかなか効かない。

手袋をする、フタにゴムを巻く、
というのも決定打に欠ける。
握力や腕力任せではなく腕の使い方がコツという
アドバイスも発見したが、うまくできなかった。

オープナーを買って備えておくのも手ではあるが、
ここは「お金をかけない」で解決したい。
オープナーだってそれなりの力を要するし。

 

僕が至った結論は、これ。
今のところ、これしかない。

要は、最大の敵は中が真空であるということだ。
温めても叩いてもゴム手袋を使っても、
真空が効いている限り、
それなりの力を要することに変わりはない。

実際、製造工程の最後には、必ず
真空が効いているかのチェックを行なう。
真ん中が凹んでいるのが、分かりますでしょうか。

光の角度を少し変えて撮ってみる。
これなら- 。

そう。これこそが長期保存を可能にさせる
重要なポイントであって、かつ
フタを開けにくくさせている張本人なんだから、
使用に入る時には、こいつの役目を終わらせる
のが鍵となる。

 

さて、試技の開始。
握力・腕力ともにフツーな感じの女性を選んで、
手が写真に撮られるのを激しく拒むところを
たってお願いをして、頑張ってもらって、
容易に開かないことを確認する。

そして同じ人に、ある道具を使ってもらう。
それは台所周辺にある、
ごくありきたりのものでなければならない。

自分ちで試したのは、こんなもの。

どれでもオッケーだけど、
選んでもらったのは、間違いなく
どの家の台所にもフツーにあるだろう、
小さなスプーン。

我が社のジャムで使用している
「ツイストキャップ」タイプの場合、
フタとビンの境い目に4ヵ所、
わずかながら尖ったものを差し込める
隙き間がある。
そこにスプーンの先あるいは
入るなら柄のほうを差し込む。

次に梃子(てこ)の要領で、
フタをクイッっと押し開ける。ちょっとした力で充分。
すると、パコッ!
という小気味よい音ともに、中に空気が入って
真空が解ける。

これで、サクッと開きます。

まだ開かな~い、という場合は反対側も
同じ要領でクイッとやれば、まずどんな方でも
簡単に開けられるはず。

試してもらった女性も驚きの声を上げ、
「みんなに教えてあげたくなりました!」
と喜んでくれた。
しかもこの パコッ!
 - わりといい気分にさせてくれる快感音です。

これまで開封に苦戦されていた方。
ぜひ一度お試しください。

じゃあネジ式(スクリューキャップ)の場合は?
すみません、ここは我が社ファーストと
させていただき、省きます。

今のところ、これ以上簡単な方法は見つからない。
さて、これでどうだと社員に問うと、
どうも反応が鈍いというか、何か抵抗感があるようだ。
「その方法は前から知ってますが、
 そういう裏技的な方法を勧めていいのか迷います」と言う。
開けにくいジャムにしていること自体が問題だと
突っ込まれるのを気にしているようだ。

だって元々、誰でも簡単に開けられるようでは困る
状態にして出荷しているワケだから、
簡単な技を伝えるのはけっして “開き直り” ではなく、
サービスというものではないか。。。
こんな社長はダメなんでしょうか。

あとは読者、いえ消費者のご判断に委ねます。

なお念のために。
弊社のジャムは無添加ですので、
開封後は冷蔵庫に保管して、
お早めに(1週間くらいで)使い切ってください。

フルーツバスケットの、
素材の味と風味と栄養価をできるだけ残した
無添加ジャムで、気持ちのいい朝の食卓になることを
願っております。
パコッ!

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