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関西・秋の「よつ葉*交流会」

2017/11/30
  • 丹那牛乳&酪農王国オラッチェ
  • 食・農業・環境
関西・秋の「よつ葉*交流会」

オーガニックコットン・ツアーの一週間後、
今度は関西に出張した。

11月11日(土)、
酪農王国オラッチェは、
32回目となる「丹那盆地まつり」の開催日。
出かける前に会社に寄ったところ、
朝からもう人だかりが生まれていた。

オラッチェを開設して20年。
土日にずっと休まず開いてきた
ミルクママ(酪農家の奥さんたちの会)の朝市。
いつも待っている人たちがいる。

今回も出足が早い。
開会前でもお構いなしに買い物を始める来場者たち。
天気も良さそうで、
やれ今年も盛会になりそうだ。

準備しながらすでに売り子になっている
我が社のスタッフに頭を下げて、大阪に向かう。

 

大阪では、古くからのお付き合いである
「関西よつ葉連絡会」の交流会に参加した。
11月11日(土)と12日(日)の二日間にわたって開催され、
会場は尼崎市総合文化センターと、
同じ場所にある都ホテル・ニューアルカイック。

全国から集まった生産者・メーカー、
およそ300人くらいか。
僕も1加工食品メーカーとして参加したのだが、
顔見知りの方々から受けた質問は、ほぼすべて
「大地を守る会はどうなるの?」だった。

答えは「変わりないですよ」しかないんだけど、
やっぱり会社名が変わってしまったわけなので、
生産者にとっては不安が先行してしまうのだろう。
とはいっても、自分が関西で説明している風景というのは、
あまりよろしくない。
大地を守る会からのステートメントが足りないんじゃないか。
前向きで自信に満ちたメッセージの発信を、
もっと強くお願いしたいところだ。頼んますよ。

 

まあそれはそれとして、
30数年前のロングライフミルク反対運動からのお付き合いである
「関西よつ葉」さん。
この交流会に参加するのは初めてだけど、
その姿勢は昔から変わってない、なかなか骨太な団体である。

冒頭の基調講演では
「人のつながりが息づく地域社会の再生を目指して」と題して、
3名の方がお話された。
熊本県水俣市から、「地元学ネットワーク」を主宰する吉本哲郎さん。
山形県白鷹町から、「しらたかノラの会」の大内文雄さんはじめ3名の方。
NHKから、藻谷浩介さんの著書でブレイクした「里山資本主義」や
「NHKスペシャル 里海」の番組プロデューサー・井上恭介さん。

吉本さんの「地元学」については著書も読んではいたが、
お話を聞くのは初めて。
水俣市役所に勤めながら、「水俣に生きる」を考え続けた。
「胸を張って水俣出身と言えるようにしたい」
「水俣病の犠牲を無駄にしない」
- その思いの帰結が、「水・ゴミ・食べ物」にどこよりも気をつける、
住民協働による「環境都市・みなまた」づくりだった。

人間関係をつくり直す「もやい直し」。
ないものねだりからあるもの探しへ。
人・自然・経済の三つが元気な町づくりを目指したら、
結局は「自治」に行き着いた。
「愚痴」から「自治」へ。
いい町には、いい自治がある。

源から海にいたる「水のゆくえ」を調べ上げ、
徹底してゴミを分別する取り組みのなかから、
お母ちゃんたちがスーパーの食品トレイを廃止させるなど、
ゴミの減量化まで進んだこと。

個人のモラルに頼らず仕組みをつくる。
「正しい」(正義の主張)や、
「べき」という言葉を使う人間には気をつけろ(ドキッ!)。
・・・抑揚を押えた語り口に説得力がある。

吉本さんから福島へのメッセージ。

「ミナマタ」は60年経っても、まだ終わっていない。
長い助走期間(苦悩と犠牲の時代)があった。
「フクシマ」はまだ始まったばかり。
覚悟せよ、そしてホンモノを創れ!

夜の二次会で吉本さんの隣で飲む機会を得たが、
間近に見るとけっこうドスの利いた方で、
僕の質問に対しても、睨み返して、
間をおいてから、ひと言で回答を返してくるのだ。
今日は機嫌が悪いのだろうか。
それとも僕が、
吉本さんが嫌っているだろう人物の名前を出したのがまずかったか、
あるいは「べき」論人間だと思われたか・・・
いずれにしても少々緊張した。
議論の中でつい口にしてしまうセリフ
-「~すべき」には気をつけよう。言うときは覚悟して。

 

山形県白鷹町に入植して30年になる
「しらたかノラの会」代表の大内文雄さんは、
減反政策や農薬空中散布、大規模林道建設に反対してきた活動とともに、
百姓として実践してみせることが大事だと、
有機農業と農産加工の両立で自立してきた経緯を振り返る。

NHKプロデューサーの井上恭介さんは、
マネー資本主義の危うさを取材する中で湧いてきた
疑問に対する回答を、広島支局時代に見つける。
自然に相対しながら里山で暮らす生き方の豊かさ。
それを、藻谷さんと組んで「里山資本主義」と題して番組をつくる。
その仕事は続編を生み、さらに「NHKスペシャル 里海」へと続いた。
今は東京で暮らしながら、
散歩がてら薪を拾っては飯を炊くのを楽しみにしていると笑う。

地域の持つ資源を見つめ直し、
自分たちの力で暮らしと経済を築いていく
「自治」と「自立」こそが、
地域を再生させるキーワードである。
3名の講演者の語りをまとめると、こうなるか。

 

夕方から懇親会、
そして飲み足りない生産者たちと2次会へと流れる。
「大阪まで来て、なんであんたと・・」とか言いながら
酒を酌み交わしているうちに、
ホテルからの催促電話で時計を見て驚いた始末。

「大地を守る東京集会」の大阪版みたいな感じで、
どうも僕の年間スケジュールの定番に入ってしまいそうな
予感がした夜だった。

すみません、今日はここまで。

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