「ふるさと納税」考

公開日: : 最終更新日:2017/04/28 かんなみ百景, 雑記その他

ソメイヨシノの花のいのちは、本当に短い。
“儚(はかな)い” という表現がこれほど似合う花もないような。
いまどきは強い風も吹いたりするので、
満開になったかと思ったら、あっという間に散り始める。
その華やかさと散り際の潔さが、
日本人の美学と重なるらしい。
花は咲いても実はつかないのだが。。。
(ソメイヨシノはすべて接ぎ木か挿し木で増えたクローンなので、
 受粉しても授精はせず(自家不和合性)、山桜と違って、
 たとえ実は成っても子孫を育てる種にはならない。)

 

4月15日の函南町・柏谷(かしや)公園。
チャンスは今しかないとばかりに、
待ちかねたように、花見客が集まってきている。

天候もお花見日和となり、
酔い、もとい、良い1日になったようだ。

散歩してたウサギくんがポーズをくれたんだけど、
露出をミスった。。。

 

3.11以降、
「地域」というテーマについて考えることが多くなった。
3年前にフルーツバスケットに赴任してから、
それがさらに強くなってきていることを感じる。

親会社含め、我が社の主たる取引先は首都圏
あるいは関西・名古屋といった都市にある。
都会の消費者と “食” を通じてつながりを結び直すことは
大地を守る会の大切なミッションであるワケだけど、
その子会社とはいえ地方に拠点を構えている以上は、
地元に貢献できる会社になりたいものだ。
いやむしろ、そうなることによってこそ、
ホンモノの持続可能な事業者になるんじゃないか、、、
そんな思いが募るのである。

こんな日にも、平和な光景を眺めながら、
何ができるか思案していたりする。。。

 

ここで、かなり唐突ながら、
最近どうも引っかかっていることがあって、
書いてみようかと思う。
それは「ふるさと納税」というやつだ。

この話題に初めて関心を持ったのは昨年5月のこと。
函南町が各戸に配布している官報を何気にめくっていたら、
こんなことが書いてあった。

ふるさと納税制度による過去3年間の実績は、
9人、金額にして30万円。
寄附者への返礼品として「湯~トピアかんなみ」(温泉施設)と
「仏の里美術館」の入館券を贈っている。
一方、他の市町村へのふるさと納税によって減収した町民税が
214万円。
平成28年度の町民税減収分は、ワンストップ特例制度で300万円と
確定申告分も合わせ、財政、税収への影響が予想される。

「予想される」って、現実に相当な赤字じゃないか!
続けて、こうだ。

企画財政課、税務課とも連携を取り、産業振興課では、
インターネットを活用した寄附金の増額を図るため、
ふるさと納税事業支援サービスを行う事業者と契約し、
ホームページの運営を行う。
魅力ある返礼品発掘、函南ブランドの選定により、
町内外からの寄附者への返礼品を通じて、産業振興を図っていく。

要するに、これから本気で取り組みますという意思表明だ。
業者に金を払ってHPを充実させ、返礼品競争に打って出るという。

外部に運営経費(税金)が流出していって、
さらに赤字が増えたりして・・・
と皮肉ってみて、同時に情けない気分になった。
町が危機感を感じて動き出すのは、分からなくはない。
しかしこれって、
納税モラルの低下に拍車をかける制度じゃないだろうか。

改めて調べてみれば、「ふるさと納税」額は
2013年が145億円に対し、2015年には1652億円と、
3年で10倍以上に伸び、さらに増える勢いのようだ。
ネットでは返礼品紹介サイトがいくつかあって、
想像以上の過熱気味だ。
もはやすでに立派な「通販市場」である。
函南町が用意したスイカや丹那牛乳ラスクなどでは、
とても太刀打ちできない気がする。

返礼品調達にかかっている金額は、全国平均で4割強だという。
たとえば、1万円の納税(寄付)に対して
4千円の返礼品が用意される。
納税者は税金控除を受け、地方の名産品などが手に入る。
つまり、納税を受けた市町村は6千円の増収となり、
納税者の地元では1万円の減収となる。

本来何がしかの地域運営に使われるはずの1万円が消え、
4千円ぶんは他の市町村から個人にモノで返還される。
納税を受けた町では、6千円の増収から
運営経費のおそらく数割が、民間のウェブ制作会社に流れる。
残るのはいくらくらいだろう。

とはいえ4千円の調達費は、
地元の事業者(農家等も含む)に回っている。
どの自治体も、地元の産業振興には
相応の税金を投入していることを鑑みれば、
経費がすべてマイナスというわけではない。

とまあ、お金がモノに変わったりしながら
「行って来い」を繰り返しつつ、
しかし結果的に地方自治体の税収は、トータルとして減る。
というのが僕の結論なのだが、いかがだろうか。
何か大事な観点が抜けている気がしないでもないのだが。。。

いずれにしても最悪なのは、
函南町のように制度に頼っていなかった市町村も、否応なく
返礼品競争に参入せざるを得なくなるということだ。
これは「税」制度のあり方としては、とても危険である。
民主主義の劣化すら招きかねないと思う。

そこで先ごろ、総務省が
「ふるさと納税の返礼品は、寄付額の3割以内に抑えるように」
というお触れを出した。
大臣は嫌いだが、この要請自体はまっとうだと思った。

ところが、、、甘い!
このテーマはもっと奥が深い、もっとヤバくて
意外と面白い制度でもあることを知ることになる。

 

長くなってしまいました。
続きは数日後に。

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