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竹村真一の警鐘

2016/05/12
  • 震災復興
竹村真一の警鐘

GW前に、久しぶりに竹村真一さんと
電話で話をした。
文化人類学者で京都造形芸術大学教授、
NPO法人「Earth Literacy Program」代表。

竹村さんとのお付き合いも、もう30年になる。
1986年秋の「ばななぼうと」からだ。
その後、東京・丸の内での「地球大学」や
田んぼスケープ、東京ミッドタウンでの「コメ展」、
農水省の「日本食文化ナビ検討会」などで
ご一緒させていただいた。

竹村さんは東日本大震災発生の一ヶ月後に
当時の政府(菅直人首相)から復興計画の策定を託された
「復興構想会議」検討部会のメンバーでもあった。
竹村さんは近未来の大災害を想定した “予防・減災” の観点から
提言を提出したのだが、
緊急対応に追われる当時の状況では施策に反映されず、
自民党に政権交代した後も生かされずに終わった。
相当悔しい思いをされたようだ。

そんな竹村さんから、
「5月6日の新聞に取材記事が載るので読んでほしい」
と言われた。

5月6日付毎日新聞(夕刊)の2面「特集ワイド」。
全面、竹村さんへの取材記事となっていた。

20160506毎日(竹村氏)

熊本地震で避難生活の長期化が懸念されるなか、
「いつまで同じことを繰り返すのか」
という苛立ちが伝わってくる内容だ。

東日本大震災での経験は何だったのかという、
痛切な悔恨の念を禁じえません。
5年前に明確な『代案』がありました。
それを実現していれば、今回の災害は『減災』できたはず・・

竹村さんの提言のポイントは、
食料や水、生活用品が大量に扱われている商業施設やビルを
「コミュニティ・セキュリティ・センター」(CSC)と位置づけ、
多重的な防災・減災拠点を整備するというものだ。
大阪出身の彼にとって
「予防・減災」の出発点は阪神淡路大震災である。

竹村さんはまた、国家安全保障の観点からも
原発の存在に警鐘を鳴らし続けている。
「地球に降り注ぐ太陽エネルギーの1万分の1を
活用できれば、世界からエネルギー問題はなくなる」
というのが彼の持論である。
ええ~? と思われた方には彼の著書
『地球の目線』(PHP新書)を推薦するので読んでほしい。

私たちは地殻変動、気候変動など
『変動する地球』を視野に入れて
文明を設計しなければいけない時代に生きている。
まだ遅くない。
できることはたくさんあります。
過去から学ぶとともに、
過去を大胆にリセットして未来を設計していくことです。
歴史を学ぶのは、未来をデザインするためなのです。

今もって原発再稼働に執念を燃やす政府に経済界。
この国はあらゆる分野でガラパゴス化が進んでいるような
気がしてならない。
彼が発明したデジタル地球儀「触れる地球」
全国の学校に配置できるようにしたら、
子どもたちの地球リテラシーが育つと思うのだが、
その地球儀は今も一個、
丸の内のビルの中で展示されているだけだ。

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実にもったいない。

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