『日本と原発 4年後』
公開日:
:
最終更新日:2016/04/04
脱原発・自然エネルギー
昨日は東京・代々木公園で行なわれた
『原発のない未来へ! 3.26全国大集会』に出る決意でいたのだが、
諸般の事情があって東京に向かえなかった。
報道では3万5千人の人が集まったとのこと(主催者発表)。
たくさんの人たちと一緒に声を上げたかったのだが、残念・・・
罪滅ぼしというワケではないけれど、
ちょっと前の3月5日(土)、
静岡県三島市で『日本と原発 4年後』の上映会があったので、
その報告をしておこうかと思う。
これは2014年に制作・自主公開された
『日本と原発 私たちは原発で幸せですか?』
の改訂版となる。
前作をベースに、新たな情報や
原発の是非をめぐる論点の検証が加えられている。
監督は同じ河合弘之弁護士。
音楽は前作に続き、
河合弁護士の友人である新垣隆(にいがき・たかし)さんが担当した。
三島市民文化会館のホールで開催された上映会には、
その新垣隆さんがゲストに招かれ、
上映後にピアノ演奏とトークが行なわれた。
会館の入口に建てられた看板には
「あの “ 新垣隆 ” が三島に来る!」とある。
「あの~」の意味はお分かりだろうか。
新垣隆といえば、現代音楽の世界では著名なアーティストだが、
一般的にはむしろ、あの、聴覚障害を持ちながら「交響曲第1番《HIROSHIMA》」
を作曲して脚光を浴びた佐村河内守(さむらごうち・まもる)氏の
ゴーストライターとして有名になった方である。
映画のポスター以上に「新垣隆」の名前が強調されているところに、
主催者の秘かなねらいが隠れ見える・・(ここは笑ってほしい)。
その効果なのかどうかはよく分からないけど、
いやいや、三島の人たちの原発への関心の高さである。
会場はほぼ満杯になった。
スゴイじゃないかあ、三島!!
映画では、福島第1原発の事故とはなんだったのかを
解き明かしてくれる。
そして、原発の再稼働が進められている今、
原発推進派の論点を一つ一つ検証しては、論破していく。
原発を考える上で、必見の労作に仕上がっている。
ぜひ観てほしい。
そして音楽を担当した新垣隆さん。
初めて生(ナマ)で見たが、実に物腰の低い、
実直な方であった。
例の事件で学校(桐朋学園大学)に辞表を出した際には
「辞めさせないで」と署名運動が起きた、というのも頷ける。
「原発の問題に目をそむけてはいけないと思い、引き受けました」
「不安や絶望だけでなく、希望も盛り込んだ曲にしたいと・・」
と静かに語る新垣さん。
最後に一曲、司会者からの求めに応じて、
即興で「富士山」をテーマに演奏するサービス精神に、
会場から大きな拍手が湧いた。
会場ロビーでは、
3月26日の代々木での大集会に向けて、
三島から貸切バスを出して参加するとのことで、
参加者募集の案内も出されていた。
何人くらい集まったんだろう。
脱原発社会を実現しても廃棄物は隔離し続けなければならない。
その時間は10万年。
危険以外何も生み出さないもののために、である。
「この扉はゼッタイに開けてはならない」
と10万年言い伝える扉を、
僕らは今からつくらなければならない。