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グレインマイスター・・穀物はいのち

2015/10/13
  • 食・農業・環境
グレインマイスター・・穀物はいのち

10月11日、富士山に初雪が降った。

20151012初冠雪

やっぱ富士には雪だよね。
・・と愛でてみるも、これは
これから寒くなっていく予告でもある。
そろそろ南箱根での2回目の冬に向かって、
心の準備をしなければならない。

 

この連休は10(土)、11(日)と、
ちょっとユニークな講習会に参加してきた。
NPO法人グレインズ・イニシアティブ主催
「グレインマイスター資格認定講座」。

フル・コースだと3日間なのだが、
資格取得が目的ではなかったので、
まずは2日間のスタンダードコースで受講した。

 

グレインマイスターとはいったい何か?

NPO法人グレインズ・イニシアティブの説明によれば、
『人の健康を育む「穀物」を正しく栽培し、正しく食べる』
という食生活の基本を見つめ直す活動を
“ グレイニズム ” と呼び、二つのミッションを掲げる。

・日本の伝統食を守り、日本人のいのちを守る。
・有機農業の生産者とともに、豊かな国土を守り、育てる。

そのグレイニズムの理念にのっとり、
米や雑穀・木の実を正しく食べる方法を学び実践する人を
“ グレインマイスター ” と呼ぶ。
ここに「木の実」が入っていることが興味深い。

「NPOグレインズ~」では、
この活動を広めるためにマイスターの資格認定制度を設け、
マイスターになれば、NPO代表・山本朝子さんが
発明し取得した特許製法を活用して
自身の活動に役立てたり、新しい食品の開発が認められる。

僕がこの講座を受講したのは、関西弁の山本代表から
「あんたがこれ受けんとどないすんねん!」
と脅されたのがきっかけだが(ちょっと粉飾)、
“ 穀物 ” というものを地球の生命史から位置づけるという
壮大な構想に引き込まれたのが大きい。
新しい食品の開発につながるヒントがあるかもしれない
という誘惑も、ちょこっと捨てられなかったし。
ゴメンね、山本さん。不純な動機で。
「ただの商売やのうて、日本を守る運動やねん!」
はいはい、分かっております。。。

 

講座は、グレイニズムの理論を学ぶ座学と
特許製法を使った調理実習の二本立てで展開された。

基礎講座と呼ばれた座学は、なかなかに刺激的だった。
ヒトがチンパンジーと別れてから
約600万年におよぶ「地球とヒト」の歴史を辿りながら、
我々は何を、どう食べるべきかが紐解かれてゆく。
根拠となっている理論は「進化医学」である。

なぜ人類はビタミンC合成酵素を捨てたのか
(体内でビタミンCを合成できないのはヒトと一部のサルだけ)。
なぜ人類は危険な尿酸を貯める道を選んだのか・・・

それぞれの環境要因に対応し、気候変動にもまれながら
ヒトは進化してきた。
環境と体はつながっているのだ。

生命の誕生と進化の原理から、
ヒトはその地の環境に適応しながら枝分かれし、
生き残ってきた、氷河期にも耐えて。
牧畜や狩猟、寒冷地での生き方、
様々な能力を獲得しつつ、しかし大元では
穀物栽培こそが脆弱な動物・ヒトを支えてきた。
米・麦・トウモロコシ・豆類、あるいはイモ類。
なぜヒトの唾液には
アミラーゼ(デンプン消化酵素)が多く含まれるのか。

長い年月を経て体を作ってきた人は、
グローバル社会になろうが、
短期間に体を作り変えることはできない。
英国に移り住んだインド人のクル病発症率は
英国人の6倍になるという。
食材をグローバルに流通させることは、結果的に
誰も幸せにはしない。
金を儲ける人はいるだろうけれども。

これ以上の解説は避けたい。
終わらなくなるし。

山本さんの講義を聞きながら、
この講座の理論構築に、
有機農業の哲学者・明峰哲夫の功績があることを知らされた。
これはけっこう、僕には重たい。

調理実習は苦手なんだけど、真面目にやった。

まずはグレイニズム(玄米)ミルク。

20151013グレインマイスター①

玄米を食べるには一晩水に漬けて置くといった
先代からの知恵があったわけだが、
便利な圧力釜や炊飯器が登場してからは、
気軽に玄米を食べる人が増えている。
しかし玄米には発芽毒があって、
それがもとで玄米食が批判される要因にもなっていることを
山本さんは憂いている。

それをクリアするのが、
玄米を発芽モードにするというプロセスである。
この工程を劇的に超簡単にしたのが
山本朝子特許製法というわけで、
玄米の力を正しく、かつ楽しく活用する提案が、
調理実習によってリアルに体験できた。

挑戦したのは
・ドライフルーツとナッツのミックスケーキ
・野菜と玉子のケーキサクレ
・カレーパンケーキ
・大豆丸ごと豆乳
・大豆ナゲット
・大豆バー
・大豆マヨネーズでスティックサラダ

20151013グレインマイスター④

20151013グレインマイスター②

20151013グレインマイスター③

何げにフルーツバスケット社のコーン缶詰(もろこし畑)が
使われていたのに、ちょっと気を良くしたりして。

 

この世界を語れるようになるには、
ちゃんとした復習が必要なので、ここまでに。

私が生まれたのは38億年前のことです。
- この生命の連鎖を考えたい。
いま進むグローバリスムに対する人々の漠とした不安は、
生命持続の危機を感じるDNAのシグナルなんじゃないだろうか。

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