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函南原生林を歩く

2015/05/10
  • かんなみ百景
函南原生林を歩く

GWの週を終え、悔しさが募ってくるのは、
仕事の都合とはいえ、
会津・山都での堰さらいボランティアに参加できなかったことだ。

毎年5月4日の朝から行なわれるため、
だいたい3日に入り5日に帰ってくるという行程となるが、
この7年、何とか日程を調整しては出かけた。
作業終了後にとんぼ返りという年もあった。
とにかく、GWといえば堰さらい、だった。
しかしついに、連続出場記録が7で途絶えてしまった。残念、無念・・・
例年通り、夜の交流会用に「種蒔人」はカンパさせて頂いたけど、
酒だけでは「参加」とは認めてくれないのだ。

今年の様子はどうだったんだろう。
雪が多かったからあちこち崩れたんじゃないか・・
そんなことを思いながら、浅見さんの「ひぐらし農園通信」に
アップされるのを待っていたら、
下北沢「オルガン堂」のフェイスブックに上がっていた。

今年の参加者は30人か。
去年 は50人を超えていたんだが。。。
大地を守る会部隊を結成できず、ホント、申し訳ない。
山菜の天ぷら、食べたかったなぁぁぁぁぁぁ。

 

そんなモヤモヤ感を紛らわすために、
思い立って、函南原生林を歩くことにした。
昼間ちょっと揺れた(震度1)のが気にはなったが。

箱根峠の南、標高850~500mにかけて
総面積223haの手つかずの森が広がる。
都心から車で2時間少々のところに
こんな広葉樹の原生林が残されていることを
知っている東京の人は少ないのではないだろうか。
しかも放置されていたワケではない。
江戸時代から何度も伐採の危機に遭遇しながら、
住民の力で守ってきた “ 禁伐の森 ” なのである。
と言う僕も、函南に来るまでは
“ ただ存在する ” 程度の認識だったんだけど。

原生林に向かう途中に、
「山の神神社」という恐るべき名前の、小さな神社がある。

20150510原生林➀

祀られてるのは天照大神でも菅原道真でもない、
山の神! である。
もしや「もののけ姫」に登場した、あのシシ神(ディダラボッチ)か?

どうも後ろから見られているような気がしたので、
お参りすることにした。
湧き水で手を清め、銅鑼を鳴らしてパンパン。
しかし見渡しても、賽銭箱がない。
函南のシシ神は太っ腹だ。

原生林の入り口に「原生の森公園」があって、
「学習の道」という遊歩道が設定されている。

20150510原生林②

生木伐採も下草刈りも一切禁止という掟によって
守ってきた森だが、
1988年に「日本一幹の太いブナノキ」と認定されてから
観光客が増え、勝手に踏み込まれるようになったために
作られたものらしい。
それでも柵を越える人は後を絶たず、
樹齢700年の認定巨木は根腐れを起こし、枯れてしまった。

「遊歩道」をつくって規制してもなお破る人がいる。
となれば、注意の看板が増えるのも致し方ないのか。寂しいね。

公園内を歩いてみる。

20150510原生林③

展望場所からの眺め。

20150510原生林④

「日本一のブナ」の立て札がある。
認定の巨樹は枯れたようだが、日本一を輩出した原生林の
記念碑として、まあ許してもらおう。
白神とか東北のブナ林も見てきた者としては、
これはかなり誇れることだと思うし。

20150510原生林⑥

たしかに、ブナやアカガシなど立派な巨樹が
けっこう存在感を発揮している。

20150510原生林⑤

公園内にある「紫水の池」。
カモが悠然と泳ぎ、石の上にはカメがたむろしていた。

20150510原生林⑦

沢が何本か流れ込んでいた。
ここは函南と三島の暮らしを守る水源地なのである。

20150510原生林⑧

20150510原生林⑫

「森は国の宝です。」
その通りだ。その通りなんだけれども、
じゃあいったい誰が林業をおかしくしたんだよ、
と突っ込みたくもなってしまう・・・

「山は単なる岩ではなく、水だ」
とは、1970年代にインド・ヒマラヤ地区で森林伐採に抵抗した
女性たちの言葉である。
木に抱きついて、非暴力で伐採を阻止したたたかいは、
「チプコ運動」として語り継がれている。
チプコとは抱擁の意味だ。
 (この話は映画
  『ヴァンダナ・シヴァの いのちの種を抱きしめて With 辻真一』
   から教えてもらった。)

函南にも、徳川幕府の伐採命令に対し、粘り強く抵抗した歴史がある。
もっと語ってもいいんじゃないか。

公園に隣接したヒノキの森はきれいに下草が刈られ、
日光も入っている。
維持されている方の話も伺ってみたい。

20150510原生林⑨

そして「不伐の森」記念碑。
ここから原生林へと入ってゆく。

20150510原生林⑩

20150510原生林⑪

ここからは次回に-

20150510原生林⑬

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