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さてさて・・・

新学期に入って間もなく１ヶ月が経とうとしているのに、
まだ３月のレポートでお恥ずかしいですが、引き続き。
我ながら、年度末にこんなに出歩いていいのか、と思ったりしますが－

 

農水省との「意見交換会」から「未来に向けて語る」会と続いた
翌３月３１日（金）、
今度は、福島県は喜多方市、旧熱塩加納村にある
『熱塩温泉 山形屋』に向かった。
コロナ前までは、例年２月に開催していた「大和川酒造交流会」で
使ってきた定宿である。

途中、東北本線・鏡石駅で、
「ジェイラップ」会長・伊藤俊彦さんに拾ってもらって会津まで、
高速を使わず、地元の人ならではの道を走る。

伊藤さんとの二人きりのドライブは久しぶりだ。
近況報告から始まって、世情批評に農政談義、
さらには誰にも話してない構想まで、話題は尽きない。
ノってくると新しいプランも生まれたりして、
昔は「また悪だくみを・・」と言われたりしたものである。
こういう時間は楽しい。

 

今回の目的は、
以前に報告した小林芳正さんの写真集完成を記念しての慰労会、
いや「反省会」ということで、集まることになった。

ただ残念なことに、
「反省会」呼びかけ人の佐藤和典さん（大和川酒造店・前社長）が
直前にコロナに罹り、欠席となる。

「いやあ、ピンピンしてるんだけど・・・」
と悔しがる和典さんに、こちらはからかい気分で
「いやいや、来てもらっては困ります。
　くれぐれも自宅から一歩も出ることなく、大人しく寝てください。
　こちらはどうぞご心配なく～」

－てなことで、参加者は佐藤彌右衛門さんに伊藤俊彦さん、
小林芳正さんの息子・芳行さん、
写真集に寄稿していただいた岩下清さん（ネットワークいのち代表）、
編集作業に多大な労を費やしてくれた松田純子さんに、私の６名。

自称『小林芳正写真集刊行委員会』の反省会は、呼びかけ人欠席で、
会計報告など “ 反省 ” もさっさと済ませ、楽しい宴に突入となる。
真面目に反省したら、後悔しそうだし・・・

 

 

期しくもこの日は、彌右衛門会長の誕生日（７０云歳）とのことで、
和典さんは山形屋さんにサプライズ・ケーキを発注していて、
場はさらに盛り上がったのだった。

（ケーキは奥様・陽子さんと一緒に食べるようにと冷蔵庫に入れたのだが、
翌日、彌右衛門は忘れて帰ってしまった。結局、帰りに届けた。）

 

（右隣が岩下清さん）

 

熱くて塩ょっぱい温泉にしばし浸かり、部屋で二次会となる。
彌右衛門さんはとうとう歌い出した。

背後から、芳正さんの声が聞こえたような気がした。
「お前ら、オレを肴に楽しくやり過ぎだ！」
どうもすみません。

 

 

彌右衛門さんは、芳正さんの文章も整理して世に出したいと、
しきりに言う。
「農協だより」やいろんな媒体・書籍に寄稿した文章がイイんだと。

それは知っている。
知っているけど、膨大な遺作をあたるには、
さすがに労力も資金も足りない。
どこか出版社に企画を持ち込む手もあるが、
まあそこは改めて考えようということで、一同、逃げた。
芳正さんにもう一度謝る。
「ごめんなさい。」

会計報告の際に、松田さんから追加の経費請求があった。
ある映画監督からの依頼で、写真を何枚か送ったとのこと。
「了解」と言って聞き流してしまったが、帰りの道中で思い出した。

それはたしか・・・『いただきます』シリーズを制作した
発酵映画監督の名前ではなかったか。。。

ならばもしかしたら、この物語はまだ続くかもしれない。

 

翌日はまた伊藤さんの車に便乗して帰った。

７月に小林さん、８月に大和田さん、９月に金子さんと、
続けざまに有機農業運動の巨星が逝った。。。

「反省」と故人への責任は、
「未来」を創る作業を通して果たすしかない。。。

 

僕らは意外と静かに、ぽつぽつと語り合いながら、車を走らせた。

背中は重くなるばかりだが、やれるだけのことをやって
彼らと再会したいと、そう思うしかない。