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「地域」に貢献する加工場として

2023/02/15
  • あんしんはしんどい日記
  • 日々日々フルーツバスケット
「地域」に貢献する加工場として

11月下旬から3月上旬にかけて、
フルーツバスケット丹那本社の加工場は、
「みかんジュース」の製造に追われる日々となります。
今季もおかげ様で、フル稼働状態が続いています。

しかも、自社ブランドのジュース製造よりむしろ、
他社や地元の生産団体や個人農家からの依頼が引きも切らず、
それで追いまくられるのです。
「行列のできる加工場」なんて言っちゃうと
さすがに自画自賛が過ぎるけど、
秋から入ってくる予約を調整しながら、
「4回つくってくれ」を3回で勘弁してもらったり、
ときには「今年はもう一杯です」と断るケースも発生するほど。
依頼者に申し訳ない気持ちになるだけでなく、
欲深い社長にすれば「なんというモッタイない話か」、
なのであります。

 

前日の夕方あるいは当日の早朝に原料ミカンが届けられ、
その日の夕方には製品となったジュースが
引き取られていきます。

 

そして、それぞれに自前のラベルが貼られ、
直売所やら観光物産店やら地元の温泉旅館やらサービスエリアやら、
あるいはネット販売などなど、
みなさん自力で、一年かけて売り切ります。
なかには数千本売り切るパワーのある生産団体もあります。

ミカンをミカンとして販売するだけでなく、はじいた規格外品を、
「無添加の100%手むきみかんジュース」という
付加価値をつけて自力で販売する、なかなかに力強い生産者たち。
そんな地元農家を応援する加工場であることに、
誇りを感じる季節でもあります。

 

ウチの「みかんジュース」の自慢は、
ミカンを一個々々手で剥くこと。
そのために臨時のパートさんたちがやってきてくれます。

一個々々手に取るため、傷んだ部分は取り除かれ、
また皮を剝いて搾るため、苦みや雑味のない、
濃厚なジュースに仕上がります。
もちろん添加物などの混ぜ物や増量は一切なし。

ただし、原料ミカンの味がそのまま反映されるので、
年によって微妙に味が違ったりします。
「〇〇さんのミカン、今年は絶品だね」とか
「今年はイマイチ?」みたいなことがありますが、
それはそれで、その年の天候やら雨量やらを振り返りながら、
みかん山で働く生産者の姿を想像したりして、
楽しんでもらえたらありがたいと思うのであります。

 

剥かれた皮や、
搾汁のさいに出てくる搾りかす(上の写真右下)は、
その日のうちに近くの堆肥場に運びます。

ミカンの皮は牛のエサにもなります。
牛は喜んで食べるそうです。ビタミン補給ってとこでしょうか。
ただしやり過ぎると牛乳が黄色くなるので、
与える量には気をつけなければなりません。

こんなふうに、ゴミとなって廃棄されるものはありません。
SDGs なんて言葉が生まれるずっと前から、
これが我が社の、あたり前の資源循環作法であります。

 

農協(丹那牛乳)が運営する堆肥場までは、
車で10分ほど。

 

これが数ヵ月のちには立派な堆肥として完成し、
土に還り、野菜を育てます。
そして極力農薬を使わずに育てられた野菜は、
「函南のめぐり野菜」(循環の意味)というブランドで
売られています。
その販売の指揮を執るのが「酪農王国オラッチェ」。

丹那牛乳(JA函南東部)とオラッチェとフルーツバスケットは、
丹那の3本の矢のように連携して、地域を支えています。

 

ジュース製造を依頼してくる生産者のなかには、
有機認証を取得されている方など、
残渣をすべて自家製堆肥用として持ち帰られる方もいます。

神奈川県湯河原町で長年柑橘類を有機栽培されている
早藤(はやとう)義則さんもその一人。
彼がジュースと一緒にトラックに積み込んだ際に、
漏らしたひと言が忘れられません。

「これは私の農業にとって、大切な資源ですから」
「これは、私のものです。誰にも渡しません」

 

そんな彼らが育てた「有機農産物」の
「有機性を保持」させるために、
我が社は「有機加工場」としての認証も取得しています。

 

「有機JASマークも付けたい」という依頼にも、
どんとこい、です。

 

今年のみかんジュース製造も終盤戦に入ってきて、
さて今季はいったい何万本のジュースを絞ったことになるだろう。

農家がどんどん減っている異常な国・日本にあって、
静岡県内から神奈川県まで、柑橘農家を下支える加工場として、
ここはひとつ、胸を張らせていただくとともに、
生産者にも消費者にも、ずっと喜ばれるメーカーでありたいと
願うものです。

 

彼らがみかんを作り続ける限り、
並走し続けます。

 

 

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