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対立から連携へ~ じゃなくて・・

2022/12/30
  • 食・農業・環境
対立から連携へ~ じゃなくて・・

2022年も残すところ今日を含めて2日となり、
ついに書き切れず季節外れとなった「下書き保存」をすべて削除し、
これで本年最後の記録とします。

 

「有機農業 これまでの50年、これからの50年」
藤本敏夫没後20年記念シンポジウムの続き。

 

プログラム最後のトークセッション3は、
次世代リーダーたちが語る「これからの50年」。
副題に「 ~対立から連携へ~ 」とあって、少々気になるところ。

語り手は6人。

すでに記憶も曖昧になってきているので、
メモからの抜粋でご容赦を。 雰囲気だけでも伝えられれば-
(( )内は、エビの補足。)

-有機が広がらない理由は「教育」にある。そこから変えていきたい。
-世の中にはFOODが余っている。みんな満腹だ(そんなことはないと思うけど・・)。
  (ただの)消費から、(価値への)投資に変えたい。
-藤本さんたち第一世代が土に還り、僕らはその土の上に立っている。
-ローカルを大事にして、環境と農業をつなげていく。
-師匠(元「土佐自然塾」塾長・故山下一穂氏)から
  「農業で人を幸せにすること」と教えられた。それをモットーに頑張っている・・・

 

僕の感想を率直に言わせてもらえば、「じつにデキた好青年たち」だ。
バランスもよく、しなやかな感じで、
有機農業運動を牽引した第一世代が持っていた頑強さや、
アク(シブさ)といったものがない。

開拓者の時代とは違う、と言われればそれまでだけど、
それにしてもどこか物足りなさを感じるのは、
第一世代に鍛えられた者に残ってしまった性根のせいだろうか。
坊主頭にさせられた恨みを持ちつつも、
清潔な長髪を撫でる若造を見るとド突きたくなるような・・・

 

ただ違和感は、そういうものだけでもなかった。

「私たちの世代は、第一世代と違って、対立や論争を好まない。
  横並びを大事にして、農水省さんとも連携の姿勢でいきたい」
「ロビー活動でも、下山さんたちは強面(こわもて)で立ち向かったけど、
  僕らはソフトに “ 脱論争 ” で~」
こういった台詞に、もろさと危うさを感じてしまうのだ。
対立するところはちゃんとやらなきゃダメだろう、とか思ってしまう。

言っとくけど、そもそも対立したのはこっち(有機農業陣営)じゃない。
「有機農業なんてあり得ない」とか「農薬は安全だ」とか、
国が言うから喧嘩にもなったんだし、その精神が時代を開拓したのだ。

そんなわだかまりが払しょくできないでいたら、
ちょっとしたハプニングが起こった。

会場から突然、ノーマイクで声を張り上げた女性がいた。
加藤登紀子さんである。
「あなたたち、もっと具体的な政策の提言はないの?」
「政治に対して、なにか言わなくていいの?」

どうやら第一世代は、僕ら世代以上にイラ立っていたようだ。

しかしまた、壇上からの答えがイケなかった。
「政治には、私たちの邪魔をしないでほしい、という感じです」

 

政治は暮らしの隅々まで網を張り、
息をかけてくる(従わせようとしてくる)ものだ。
「国民」である以上、その国の政治から逃れることはできない。
いやそもそも、自分と関係なく別個に存在するものではない。
政治とはルールづくりなんだから、
関係なく社会で生きることはできないのだ。
だから、だからね、藤本さんは、死ぬ間際に、
国の大臣あてに「建白書」をしたためたんだよ、命を削って。。。

ここはぜひとも、こう言ってほしかった。
政治も、僕たちがやります。任せてください!」と。

 

「優しい」と「論争しない(脱論争)」は違う。
優しさは平和を生むが、後者は民主主義を退化させるものである。

そうしたら何と、こともあろうに、
トークセッション1で「みどり戦略」立案まで語った
元農水省事務次官・末松広行さんから、こんなアドバイス発言まで飛び出した。
「 “ 連携 ” 姿勢は素晴らしいですが、
  知らないうちに牙を抜かれたりしないようにね 」
いやはや何とも-

で、僕の結論としては、
「対立」も「連携」も、ともに民主主義に必要なことである。
「から」ではない。
 - と、声を大にして言っておきたい。

 

ここまでにしましょうか。
未来は少々明るくもあり、少々頼りなげでもある、ということで。

ま、つい苦言も弄してしまいがちになるけど(年のせい?、ヤバいね)、
ようやく政策的にも “ 連携 ” できる時代になってきたワケなので、
しっかりと彼らを応援していきたいと思う。

 

夜の部は、お酒も入って懇親会。

乾杯の音頭は、
藤本さんとツートップで「大地を守る会」を育てた藤田和芳さん
(現「オイシックス・ラ・大地(株)」会長)。

 

こちらから提案し、手配させてもらった日本酒は、
この日限定、藤本敏夫ラベルの「種蒔人」。
まさに第一世代の “ 種蒔き ” があっての今日だから。

短期間で面倒な限定ラベル作成にご協力いただいただけでなく、
協賛としてお酒をご提供いただいた
大和川酒造店会長・佐藤彌右衛門さんに感謝! です。

 

酪農王国オラッチェから提供された
有機JAS認定国内第1号の地ビール「風の谷のビール」も並んで、
場を盛り上げさせてもらいました。

わたくし的には、今宵はこれで満足、です。

 

記憶もゴチャゴチャとなり、あとは省略、
ということで。

 

ではこれにて、2022年を〆させていただきます。

スポーツ界以外は、あまり明るい話題のなかった一年でしたね。

ロシアの暴挙から始まって、元首相射殺事件を契機に露呈した「闇」。
エネルギー資源の高騰と急激な円安。
あらゆる物価が上がり、どこもかしこも価格転嫁騒動。
それはわが社も例外ではなく。。。

一方で、強制的に賃金を上げろと言われても、
パートさんたちの「年間130万の壁」は天井のように固定されたまま。
これでは家計収入は増えず、
雇用する会社にとってはただ休まれる日が増える(=経費増)だけ。
国はパート労働者にも社会保険に加入させる目論みか・・・

コロナは治まらず、医療支援も子育て支援も、
さらには復興支援も後ろにずらして、
この国(の政府)はいよいよ、「戦争できる国」に向かって
増税に舵を切ったようです。

「軍備増強のための増税」-とは、もはや戦時体制か!

歴史はアップデートされながら繰り返されると言われるけど、
すべての戦争が「防衛」(〇〇を守る)を理由に始まることは、
忘れないようにしたいと思います。

政治はかようにひたひたと、かつ強引に、家計にも、畑にも、
踏み込んでくるから、若者たちよ、心するように。
呑気に「僕らの邪魔しないで」ではない。
むしろ君たちは、創り直していく主体なんだから。

 

会社的には、まあ何とか黒字で年を越すことができそうです。
冬のボーナスも少しですが増額できました。
企業としては、さすがに「脱成長」とはいきませんね(苦笑)。
ただ「食の未来」を創る戦線には連なっていきたいと思います。

社員・パートさん、お取引先の方々、そして
日々フルーツバスケットの食品を食べてくれる方々に、感謝申し上げます。
来年も、「食の安全」への責任を全うする決意です。

皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。

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