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エビちゃん日記

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エネルギーなら、ここにある。

2022/09/10
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エネルギーなら、ここにある。

世間は、五輪汚職に旧統一教会との癒着問題で、騒がしい。
ワタクシも当然のごとく憤っておりますが、
それ以上に腰も抜けそうな呆然感のほうが勝っていて、
どう表現すればいいんだろう。。。

中原中也の詩(「汚れちまった悲しみに」)をお借りして
心境を表せば -

  汚れちまった政治家に
  今日も礫(つぶて)の降りかかる
  汚れちまった政治家に
  今日も空しい風が吹きすぎる

・・・・・

  汚れちまった政治家は
  いたいたしくも怖気づき
  汚れちまった政治家に
  なすところもなく日は暮れる・・・

 

書いてるほうが悲しくなるね。
中也にも失礼か。これ以上は、やめとこう。

 

例によって日が経ってしまったけど、今回はこのレポートを。

9月3日(土)、
福島県須賀川市のコメ生産団体「ジェイラップ」を訪ねた。

ジェイラップが震災と原発事故のあと、
猛烈な勢いで太陽光発電に取り組んできたことは以前にも書いたが、
今年ついに、田んぼにも設置した。
いま全国で広がりつつある「ソーラーシェアリング」
(営農型太陽光発電システム)の、水田版である。

その結果やいかに。
これは稲穂が垂れてきている時期に見なきゃ、と思った。

 

じつはこの日は、オイシックス・ラ・大地の専門委員会
大地を守る・くらしからエネルギーを考える会
(大地を守る会時代は「原発とめよう会」)による
視察をコーディネートしていたのだが、
コロナ禍での集団行動は自粛したいと、延期になってしまった。

でも、ジェイラップ・伊藤俊彦会長から、
「ぜひ見に来てくれ」と時間を割いていただいたものである。
心落ち着かない収穫直前の時期にもかかわらず。

ここは一人でも、行かないわけにはいかない。
なにより、あの稲田(地区名)の田んぼの中に太陽光パネルが立って、
その下で稲がしっかりと稔ってきている姿を見たい!
という欲求を抑えられなかった。

 

ジェイラップが今年田んぼに設置した太陽光パネルは3ヵ所。
来年にはもう2ヵ所設置予定である。

最初に案内されたのが、これがなんと!
酒米「美山錦」の田んぼであった。
しかも有機認証を取得している。

われらが銘酒「種蒔人」の原料も、
「栽培期間中農薬不使用」から、「有機米」に進化した!

これは立派な Story である。
「大地」には、こういうところをしっかりPRしてほしいと思う。
上のような写真を酒ビンに貼るくらい、やってはどうか。
(ブログで煽ってどうする、って感じだけど。)

 

イネの生育はというと、
「若干遅れ気味だが、問題ない」との説明であった。

むしろ問題は「有機栽培」のほうで、年々増えてくるコナギに悩まされている。
(上の写真の、稲の根元に繁茂しているのが、お分かりでしょうか。)
イネと競合する強害草、厄介なヤツである。

そこで伊藤さんがいま考えているのは、
コナギが増えてきたところで、1~2年、野菜栽培に転換する、
という手法だ。
畑地にすることで水田(嫌気性)雑草であるコナギを退治して、
その後水田に戻す。 それを繰り返していく。
とはいうものの、有機の認証は「ほ場」に対して認定されるものだから、
この田んぼで栽培される野菜も「有機」でなければならない。

そこでさらに伊藤さんは考える。
ここは割り切って、見ばえなど気にせず「有機」でつくり、
その有機野菜を使って、新しい「有機加工品」を開発する、
というアイディアだ。
ソーラーシェアリングに適した作物の選定だけでなく、
加工品開発まで視野に入れて進めたいと、伊藤さんは熱く語る。

その加工品のラインナップも、伊藤さんの頭の中では
いろいろと描かれているようだった(それはまだここでは書けない)。
しかし加工品をつくれば、出口(販売)戦略も必要になってくる。

「エビちゃんに来てもらったのは、そういうワケよ」
・・・って、どういうワケよ。
会津の彌右衛門さんといい、人を巻き込むヤバい業師(わざし)が
ここにも一人。 どうも油断がならない。

いずれにせよ、田畑輪換で「有機」を継続させることで、
水田雑草を抑制し、かつ野菜の連作障害対策にもなる。
その野菜を使って有機加工食品もつくれば、循環が成立する。
「取り組んでみたい」と、こちらを見つめる目は、真剣だった。

 

パネルの設計・配置にあたっては、機械を使っての作業性も
もちろん考慮されている。

景観も悪くはないと思うが、どうでしょう。

今年のような猛暑では、むしろ作物にとっては
暑すぎる熱を遮断してくれる効果もあるようだ。
エネルギーとして取り込み、かつ作物も保護できるとは、
温暖化対策として一石二鳥か。

 

伊藤さんとの会話は、無限に広がっていく。
ウクライナ情勢から肥料の話題になれば、こうだ。

化学肥料の価格は、以前の1.6倍に跳ね上がっている。
コメの価格は低迷を続けているが、
稲ワラはカリウムを、米ぬかはリン酸を供給する。
アミノ酸の豊富な甘酒を発酵させれば、その水溶液は
キュウリの追肥に最高だ。
くず大豆も優れた有機資材になるし、
稲作から出るものには無駄がない(見捨ててはいけない)。
稲作をベースにして肥料の自給は可能なのである ~~ 終わらない。

 

途中、伊藤さん親子のツーショットを一枚いただく。

俊彦さんは会長に昇格して、
今後の経営は息子の大輔さんの手腕にかかってくる。
頑張ってほしい。
というか、ここまで来たら、頑張らざるを得ないね。

 

ジェイラップで取り組む太陽光発電は、すでに50ヵ所以上にのぼる。
しかも心臓機能であるパワーコンディショナーの内部には
コンセントが隠されていて、地域が停電した際には、
周囲の家庭に電気を送れるようになっている、しかも無償で。

あの原発事故のあと、自分たちの田んぼだけ除染したって意味がないと、
地域全体の除染に取り組んだ伊藤さんたちの実践哲学が、
こんなところにも表れている。

 

そして伊藤さんの構想は、農業と食にとどまらず、
地域から出る廃棄物利用にまで広がっている。

ダイオキシンを排出させない超高温のボイラーを建設して、
そこから出る排熱をハウス栽培に活用する。
それによってハウスで重油を燃やさ(買わ)なくてもよくなる。
また加工設備の熱源ともする。

このプラント構想には、経済産業省からの助成も取りつけた。
年内には完成の見込みである。

すべてのゴミを資源として活用して、
そこからエネルギーが生み出され、「燃料」が循環する構想。

「地域は俺たちの力で守る」
「再エネと農業のマッチングで、エネルギーや肥料の自給力を高め、
 有機の拡大で、食と健康、さらに環境にも貢献する」

3.11から11年経って、頭の中で描いてきた壮大な
循環の全体図が、いよいよ形になって現れてきたって感じだ。

 

ソーラーパネルの田んぼを回ったあと、
「稲田」地区の田園風景が一望できる、自慢の場所に連れて行ってもらった。

何年ぶりになるか、ちっとも変っていなかった。
荒れた田んぼが、一枚もない。
これはいまの日本において、平凡な業績ではない。

伊藤さんたちが目指しているのは、
ただの「再エネ事業」ではないのだ。
農村の再生、いや「地域力の再構築」と言ったほうがいいだろうか。

その土台にあるのは、やっぱり「健全な農業」の存在である。
農業の力があって、資源と暮らしの循環が成り立つ。
農の営みから、エネルギーも生み出せる。

 

ジェイラップの皆さん。
胸を張って、叫んでください。

エネルギーなら、ここにある。
未来への希望も、ここ(農)にある。 と-

なんか、照れてますねぇ。

収穫まで、もう少し。
これからの台風が心配だけど、良い実りの秋になりますように-

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