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国産ザーサイを広げよう!

2022/08/25
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国産ザーサイを広げよう!

新型コロナウィルス感染者数は
やや減少に転じつつあるように見られるも、
まだ高止まってもいて、じらされる日々が続く。
とうとうわが国の総理まで感染したらしい。

はたしてワクチンは効果が上がっているんだろうか。
素朴な疑問も湧いてくる。

政治は相変わらず無策だ。
というか、「音なしの構え」のようだ。
「やれることはすべてやる」 とか言ってたはずなのに・・
まあこんな口先だけの政治にしてしまったのは、
僕ら国民の総意の結果なんだけど。

それでいて、感染者数の「全数把握」を見直すと言い出している。
医療現場の負担を減らす目的だそうだが、
病状の把握が十分にできなくなることの問題は慎重に考えないといけない。
少なくとも「自治体の判断に任せる」 というような
無責任な話ではないはずだ。
診察や医療を終えた医者が「報告業務までやらざるを得ない負担」
を減らす工夫は、「見直し」の前に色々とあるように思うのだが。。。

保健所や医療機関の人たちは、本当によく頑張っていると思う。
感謝以外の言葉が出てこない。
いっぽうで、コロナ前には「無駄」 だといって
保健所を縮小させていった政治家が、
今でもTVで偉そうに喋っているのを見ると、箸でもぶつけたくなる。

でも、ぶつけたところで「痛いよ」と抗議するのはウチのTVであって、
どんなに通信技術が進化しても、
お茶の間(死語?)から投げた箸が、画面の向こうの彼に当たることはない。
インターネットでは、割りばし一膳届けることはできない。
「通信」と「物流」は違うのである。

「通信」でメシが食えると思っている頭のいいIT系の若者諸君、
何とかしてくれ!
「医療現場の負担軽減」に、ひと役買って出ようとは思わないか。
そういうことこそ “ 事業による社会貢献 ” ではないのか。

 

また脇道に逸れていきそうなので、うっぷん晴らしはここまでにして
(実は、今のもっぱらの関心事は「物流」コストというやつで・・)、
ちょこっと残しておきたい報告がある。
例によって遅くなっちゃったけど。

 

8月6日(土)、東京・日本橋の老舗の佃煮メーカー「遠忠食品」さんで、
『ザーサイ・サミット』と称した集まりがもたれた。

 

遠忠食品さんには、いま開発中の「メンマ」の仕上げ(味付け)加工を
お願いしているが、逆に社長の宮島一晃さんから頼まれたのが、
「ザーサイを作ってくれないか」 というものだった。

中華料理などに使われるザーサイもまた、メンマと同じく
ほとんどが中国産で、宮島さんはそれを国産原料のみで作っている。

 

 

これがけっこう人気で、「原料が足りない」というのだ。

この話は実は、昨年の秋に行なった「メンマの試食会」で、
宮島社長をお呼びした時に打診されたものである。

ザーサイですか、ザーサイねぇ・・・という、
気乗りしないというより、僕には「よく分らない」代物だったけれど、
酪農王国オラッチェに打診したところ、
「試しに作ってみるか検討します」という反応が返ってきた。

 

オラッチェはただの観光施設ではない。
いまや丹那盆地の経済と環境保全に欠かせない存在なのである。

高齢化や後継者がいない等の理由で
耕作できなくなってきた農地を借り受けては、
収穫体験用の畑や、無農薬のハーブ園や、はては
「トウモロコシ畑の巨大迷路」など、様々な工夫で農地を守っている。
しかも野菜は基本的に無農薬栽培である。

もしかしたら、僕の打診に対して
“ いちおう ” の社交辞令的な返答だったのかもしれないけど、
僕は微妙にしつこく、背中を押し続けた。

そしたら、農場担当の若い女性が「試験栽培をやってみたい」
と申し出てきた、というのである。
こうなったら、もう一押し。

折しも、絶妙のタイミングで、宮島さんから
「『ザーサイ・サミット』というのを企画したんだけど、来てみない?」
の案内をもらった。 乗らないわけにはいかない。
僕は、こういうタイミングを「啓示」と受け止める性質(たち)で。

 

宮島さんがお呼びしたパネラーはお二人。
静岡県は磐田市の種苗会社「増田採種場」の専務・増田秀美さん。
1926(昭和2)年創業の、
アブラナ科野菜に特化した品種開発を行っている種苗会社で、
秀美さんは「ちからこぶザーサイ」という
オリジナル品種を、10年かけて開発された方である。

もう一人はJA東京むさし営農経済部の中村和也さん。
東京都下の、武蔵野市から小金井・国分寺・小平市までを管轄する農協で、
中村さんは3年前から、管内の農家とともに
ザーサイの栽培にチャレンジしている。
品種はもちろん、国内で開発された「ちからこぶザーサイ」。

そして、東京で栽培されたザーサイを一手に引き受けて
「国産味付ザーサイ」として販売するのが遠忠食品さんというワケだ。

野菜も「ザーサイ」といえば、漬物も「ザーサイ」という。
少々紛らわしいけど、そうなんだからしょうがない。

 

さて、宮島さんから紹介されてご挨拶したところ、
増田さんの反応は
「エェーッ! 丹那から来られたんですか! うれしい!」。

実は増田採種場さんと丹那とは、つながりがある。
増田採種場が有機栽培したケールと、
丹那牛乳自慢のN-1乳酸菌ヨーグルトがコラボして、
人気商品「ケールヨーグルト」が生まれた。
2年前のことである。

そして「ザーサイ」でさらに丹那とのご縁が深まろうとしている。
「商品開発」を通して、人と人がつながっていく。
こういう展開こそ仕事の醍醐味ってやつで、
動いてよかったと思える瞬間である。

 

しかしながら、ザーサイの栽培には、まだまだ課題が多いという。

 

ザーサイはアブラナ科の植物で、カラシナの変種。
茎の基部が肥大するのが特徴。
漬物のザーサイは、その太った基部を使うのだが、
成長速度等の影響で、中が空洞化するもの(空洞果)が出るらしい。
空洞化すると水がたまったりして腐敗の原因になり、
使えなくなる。
廃棄ロスが増えれば原価計算も狂ってくるし、
契約栽培(取り決めた価格・数量での買い取り)そのものが
できなくなってくる。

この難問を解決するための栽培方法を検討しあうのが、
今回の狙いというワケ。

技術的な対策は細かくなるので、ここでは省くとして、
ザーサイ栽培のメリットを、増田さんはこう語る。

9月播種-10月定植-年明け収穫というサイクルは、
ちょうど夏野菜が終わって、比較的楽な時期に作ることができる。
肥料は定植前の一回でよく、他の作物に比べて労力が少ない。
アブラナ科には抗酸化作用があり、健康に貢献する。

問題は空洞果対策である。

 

増田採種場さんは丹那牛乳とのお付き合いもあり、
タネの提供だけでなく、栽培にあたっての技術指導を行う部署もある。
「丹那でぜひ!」 と後押しされた。
遠忠食品の宮島さんからも
「イイのができたら全量買い取るから」 と約束してくれた。

実現できれば、メンマに続く
地元産原料での新たな農産加工品がまたひとつ誕生する。
畑も維持できる。
こういう取り組みができるのも、出口(販売先や加工先)が
しっかり確保されているからである。
改めて、食品加工の役割を考えずにいられない。

 

翌週、酪農王国(株)の西村社長に仕入れた情報をお渡しし、
僕もまた「ぜひ!」 とお願いする。

さ~て、試験栽培は実現するか。
オラッチェの夏っちゃん(農園担当の女性)、頑張ってくれ。

 

それにしても遠忠食品・宮島さんの国産へのこだわりようは、半端ない。
なかでも「東京産」へのこだわりは、
宮島さんのライフワークと言ってもいいだろう。
自給率が1%にも満たない大都市で、「東京産」を育てる。
それがオレの仕事だと。

大正2年(1913年)、
静岡(遠州)から日本橋に進出して佃煮製造を始めたのが
初代の宮島忠吉さん(社名は「遠州の忠吉」から)。
3代目はついに、「東京」を育てるオヤジ・リーダーとなった。

詳しくは彼が代表を務める「メイドイン東京の会」のHPを見てほしい。

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