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「竹」が創る未来・・へのトライアル

2022/07/28
  • 竹林再生
「竹」が創る未来・・へのトライアル

“ 茹(う)だるような暑さ ” という表現があるけど、
このところの暑さは、そんなもんじゃないね。
“ 焼ける ” でもモノ足りない。 “ 燃える ” 暑さだ。

おかげ様でか、かき氷シロップの製造が追いつかず、
スタッフには休日出勤でシロップの製造をお願いする事態まで発生した。
喜ぶべきことなのかもしれないけれど、この異常な暑さに
複雑な心境でもある。

屋内ではエアコンがかかりっ放しで、
そうなると屋外はさらにヒート・アップする。
“ 温暖化のドミノ倒し ” がいま目の前で進んでいるような、
そんなめまいすら覚える。
ロシアの独裁者は狂ってしまったようだし・・・

 

さて・・・・ 遅ればせながら、
竹の資源活用の新たな取組を視察した報告を残しておきたい。
もう一ヶ月以上前の話になってしまったけど。

 

6月14日(火)、
静岡市清水区蒲原(かんばら)という場所を訪ねた。
その駿河湾に面した一角に
新しく『トライアルパーク蒲原』という
テーマパークが建設されていた(すでに7月4日にオープンしています)。

 

コンセプトは、『トライアル』(挑戦)。

 

地域が、企業が、行政が、市民が、様々なトライアルを行える場所。
商店や企業のテストマーケティング(実験的出店)などもよし、
NPOや市民レベルでイベントや体験教室を開くもよし・・・

一人一人が何かに挑戦できる場所であり、それらが交差する場所。
行政はそれをバックアップし、積み重ねていく中で、
最終的には新しい『道の駅』に進化させていく、といいう構想である。

いきなりのハード整備ではなく、ソフト先行型での拠点づくり。
それが「行政にとってのトライアル」となる。

そのテーマパーク建設にあたって、
敷地内の歩道はコンクリートではなく土で舗装することになり、
ここでも新たな実験が取り入れられた。
地元の竹(チップ)を舗装材に取り入れたのである。
「整備段階からトライアル(新たな挑戦)でいこう」というワケだ。

しかも、歩道が6分割され、5つの企業と1団体が分担して、
それぞれの技術を持ち寄って舗装するという取り組み。
その舗装実験すべてに「竹」が使用された。

環境に配慮したテーマパークづくりのなかで、
放置されていく竹林という課題解決を盛り込む。

この仕掛人は、昨年のメンマ試食会でお呼びした
福岡大学の佐藤研一教授(「竹イノベーション研究会」代表)である。
企業の施工技術と張り合って施工業者(上記の1団体)にも
福岡大学が名乗り出ている。

施工日に合わせてセミナーと一般向け見学会も開催することになって、
佐藤教授から「来ませんか」の案内をいただいた。

 

舗装に木材チップを使う技術を「ウッドファイバー舗装」という。
環境配慮をテーマにした新規の実験ではなく、
れっきとした技術なのである。

しかも竹には殺菌効果があり、雑草の発生を抑制する抑草効果がある。
歩く(あるいは走る)人たちにも優しく、雨の日でもすべったりしない。
これを「飛散抵抗性が高い」という。
見た目も落ちつきがある。 「景観舗装」という言葉を初めて聞いた。

メンテナンスに手間がかかると思いきや、
竹は腐りにくく長持ちする。
「10年は優に持つ」との佐藤教授の説明であった。

 

セミナーと見学会参加者は、施工事業者関係に行政の方々に交じって、
竹イノベーション研究会会員がパラパラ。
合計5~60名くらいか。

歩きながら説明を受ける。

環境型自然竹土舗装、アスウッド舗装、香竹保水舗装、
資源循環型遊歩道・・・と、
それぞれに銘打たれていて意欲を感じさせるが、
どういう土を使うか、竹チップをどういう状態にして、どれくらい混ぜるか等々、
細かいことまでは分からなかった。

まあ聞いても、僕には頭に入るかどうか・・・今日のところは
「使える」の確信だけで充分だったので、
ただ踏みしめながら歩いた。
専門家たちは何やら情報交換していたけど。

 

僕の中での問題意識は、
これが農家にとって収益に結びつけられるかどうかだ。

ここで使われた竹は、地元のボランティア団体が伐って提供したもので、
収入には結びついていない。
企業が舗装用の「原材料」として買い取れる仕組みを作ってこそ
活動も発展するし、持続可能になる。

 

「トライアル」は始まったばかりである。
僕らにとっても。

 

日本の東西の中間地点であり、
企業が新商品のテストマーケティング地点として選ばれることの多い静岡。
そのゲートウェイ(玄関)としてスタートした「蒲原トライアルパーク」。
ガラス張りのオフィスの中では、若者たちが楽し気に議論していた。

 

今は静岡市だけど、合併前は「蒲原(かんばら)町」。
東海道五十三次の15番目の宿場町「蒲原宿」で、
周辺には歴史的な見どころもあります。
お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。
個人的には、歩道を歩いていただけるだけでも結構です。

かつては様々な暮らしの中で使われてきた「竹」。
それが殆どプラスチックに置き換わって、竹林が荒廃してゆくとともに、
今度はプラスチックが悪者扱いされるようになってきた。

では次に、竹が未来を創り直す力になれるだろうか、、、

歩きながら考えていただけるだけでも-

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