下山久信、来丹。叱りに来たか・・

公開日: : 最終更新日:2020/07/05 あんしんはしんどい日記, 日々日々フルーツバスケット

6月17日(水)、
株式会社フルーツバスケット株主総会開催。
前期の事業報告は芳しいものではなかったものの、
何とか首もつながって、社長業も6年目に突入。
この情勢下での舵取りはなかなかスリリングだけど、
変化の先を自分なりにイメージしながら、
やれることを地道に積み上げていきたいと、
決意を新たにする。

 

「晴れた日の空が以前より透き通って感じるのは
 気のせいだろうか」 と書いたのは4月末のことだったけど、
気のせいではなかったらしい。
経済活動の自粛によって、大気の透明度はたしかに上がったのだ。
インドでは30年ぶりにヒマラヤ山脈の絶景が見られたとか。

イギリスの大学の研究チームが、
4月初旬のCO2 排出量が前年より17%減少した
という試算を発表した。
あくまでも推定だが、これが年末まで続けば
前年比7%の減少になるという。

この自粛で前年比7%減・・・・

IPCC(国連気候変動に関する政府間パネル)の勧告によれば、
今世紀末までに気温上昇を1.5℃未満に抑えるためには、
2030年までにCO2 排出量を45%削減することが求められている。
コロナ級では間に合わない、いかに厳しい数字であることか、
改めて思い知らされる。

 

話は前後するけど、
6月10日梅雨入りの日、千葉・さんぶ野菜ネットワーク
常勤理事・下山久信さんが若手スタッフを連れて
丹那までやって来てくれた。
用向きは加工用人参や野菜ジュース原料の確認だけど、
珍しく下山さん直々のご来訪とあって、
一緒に食事もしながら情報交換をさせていただいた。

今年は新型コロナの影響で、
大地を守る会の「稲作体験」企画も中止となった。
30年続いた人気企画が途絶えて、
僕が謝る筋の話ではないにしても、自分が始めた企画でもあり、
申し訳ない思いでいた。
下山さんに来られると、来年再開できたなら
一回でも顔を出しますと、約束するしかない。

農事組合法人さんぶ野菜ネットワークも、
前身であるJA山武有機部会設立から数えて32年。
高齢化とともに古いメンバーが順番に引退していってると、
下山さんは寂しそうに笑う。
毎年何人も新規就農者を育ててきて、
今では半分を新規就農者が占める生産団体にまでなったが、
うまくいっている就農者は少ないとも語る。

 

コロナ禍で、食料自給の大切さを説く専門家が増えた。
今さらの感を抱くけど、これは国の自立に関わる話なので、
改めて議論を喚起したいところではある。
しかも国が目標に掲げた自給率の達成(10年後45%)は、
まったくもって期待できない。

農水省の幹部たちにアポなしで顔を出す下山さんが、
吐き捨てるように言う。
「あいつら、どうしていいか分かんねぇんだ」

現在の農業従事者約200万、うち49歳以下は35万人。
「エビちゃん、これからどんどん農家が消えていくよ。
 どうなっちゃうんだろうね、この国は」・・・

加工原料の話をすれば、
国内の果樹原料のひっ迫は不気味さを増している。
みかん原料がない、りんご果汁も足りなくなってきた。
りんごの場合は昨年の豪雨災害で長野が被害を受けたことも
影響しているが、みかん原料まで手に入らなくなってきた
とは、異常である。

おかげで、我が社の缶入り温州みかんジュースは、
今も 「SOLD OUT」 状態が続いている。

昔は有り余っていたはずなのに・・・
加工用原料とは規格外のもの、いわゆるB品だけど、
その供給量は当然のことながらA品の供給力に比例する。
生産者はもちろんA品出荷率の向上を目指すのだが、
B品は必ず一定量出るものであるから、
それをお金に換えることも経営の要諦である。
加工業者はそれに付加価値を与え、農家経営を支える役割がある。
その出荷量が減少の一途を辿っている。
これはどういうことか。
僕は今、加工屋の視点から農業の危機を感じている。
それはお城でいえば、外堀から内堀までの防衛線が失われて
いっているように見えるのである。

農業基盤の脆弱化はこんなふうに進んでいる。
国はいったいどうやって自給率を上げようというのだろう。
黒毛和牛や高級果物の輸出に血道を上げても、
観光やインバウンドに頼って旗を振っても、
新種のウィルスに吹き飛ばされてしまった。

足元の資源と地球の循環をつなぎ直すことが必要だ。
森林と同じように、農業も経済学で言う
「社会的共通資本」(社会全体にとっての共有財産)として
捉え直すべきかと思う。
儲かるかどうかの基準で政策をつくるのではなく。

地球規模での最大課題の一つ、CO2削減に絡めて言うなら、
炭素吸収力を高める土壌を育てるのが有機農業である。
IT技術がどれだけ進歩しても、地球の原理は変わらない。
壮大な窒素循環、炭素循環と調和し、
その土地土地の気候風土に適合した形で農業を持続させることが、
長くかつ安定的にヒト(今日でいう消費者)の暮らしも守るのである。

国連が提唱する「SDGs」(持続可能な開発目標)の
日本での推進本部の本部長は内閣総理大臣である。
このテーマ、さて総理はヤル気あるんだろうか。
いや、この意味すら分かってないような気がしてならない。
世界から取り残されないように、お願いしたい。

 

ハッパかけに来たんですよね、下山さん。
分かってますよ。
首もつながってしまったので、しょうがない。
このポジションから、やれることをやりますよ。

「あと 〇 年で野菜ネットワークを引退するからよ。
  そしたら好きなことをやるんだ」 と
帰りがけに漏らした下山さん。
これまでも随分好きなことやってきたと思うけど・・
と言うのはやめた。
いつまでも枯れないことを願うところです。

写真も撮らなかったので、
キャッチ画像はこれをお借りしましょうか。
大地を守る会の機関誌の表紙を飾った笑顔。

記事はこちらから
⇒ https://www.daichi-m.co.jp/manabu/22318/

僕にとって、師匠でもあり同志でもある一人。
もう一度言います。
ここまで来ていただいた意味は、分かってます。

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