梅雨入りの公園散歩で-

公開日: : 最終更新日:2020/06/21 かんなみ百景, 雑記その他

「ようやく」というか、「ついに」というか、、、
僕のところにもアベノマスクが届いた。

ある日突然、函南の単身赴任アパートのポストに入っていた。
・・・てことは、埼玉の自宅と合わせて、
僕は二人分のマスクを受け取ったことになる。
頼んでもいないのに。

返さなきゃ(面倒くさいけど)、と思いながら説明を読むと、
「一住所あたり2枚の布マスクを配布いたします」とある。
ってことは、今の僕は二つの住所を持っているので、
不当にもらったワケではない、ということになるのか。

しかし、これも税金である。
しかもこの政策を「愚かな」と嗤(わら)った者として、
僕は受け取るわけにはいかない。
開封してテストしてみたい欲求を抑えつつ、やっぱ
備蓄を必要とするところへ寄付しようと思う。

それにしても、このマスク。
配布を力強く宣言した方が着用しているのを
テレビで拝見する以外、
着けている人をほとんど見かけないのはどうしたことか。
批判はしても物資は物資、マスクに罪はない。
未使用のまま捨てられたりしていないことを願いたい。
「備蓄品」のまま眠り続けた場合に、
衛生的にどうなるのかという疑問は残るとしても-

 

6月10日、東海地方も梅雨入りとなった。
6月と言えば、アジサイ(紫陽花)。

中国原産の花だと思われている人が多いけど、
アジサイは日本原産である。
しかも元となる母種の生息地はここ、伊豆半島だったらしい。

日本から中国に渡り、白楽天が別の花に名づけた
「紫陽花」の字が、平安時代になって間違って当てられた。
中国では、アジサイは「八仙花」と書かれる。

でも今は、西洋で品種改良されて逆輸入された
セイヨウアジサイが主流なんだよね。

アジサイの季節になると、決まって思い出すのは、
東京・小金井の阪本吉五郎さんだ。
大地を守る会の、古くからの葉物生産者。
2年前に訪ねたきり、行けてない。

今年で90歳。
アジサイは今年も見事に咲き誇って、
吉っつぁんの心を和ましてくれているだろうか。。。

そんな心境で、ついこの花が見たくなって、
アパートから車で5分ほどの
柏谷(かしや)公園を歩いたのだった。
阪本家のアジサイ庭園には遠く及ばないけど、
アジサイはアジサイである。
紫陽花という漢字も、これがイイ。
平安時代の、歌人だろうか。
誤用でなく、あえて当てたような気がしないでもない。

ひとつの何かを見ると、ある人物が浮かぶ。
そういうシンボルを持つ人は、それだけで偉大だと思う。
たとえ全国区でなくても、また小さな消耗品であっても。

 

ところで、ついでに紹介すると、この公園、
アジサイの小道を進むと、ちょっと有名な史跡がある。

「柏谷横穴群(かしやよこあなぐん)」。
6世紀末から8世紀末頃まで、
つまり古墳時代から飛鳥時代を経て奈良時代までの間、
人々が築いた横穴式のお墓である。
東西600m、南北250mに300基以上残っていて、
静岡県内最大の横穴墓群として、
1976年に国の史跡に指定された集団墓地の跡。

何万年もの大昔、箱根火山の噴火で流れ出た
「箱根火山新期軽石流」と呼ばれる軽石を主体とした岩盤で、
加工しやすい反面、壊れやすい特徴がある。
こういう形で一ヵ所に固まって残っているのは
貴重だということなんだろう。

地面に穴を掘って埋めるのではなく、
横穴を掘って、つねに対面するような形で死者を祀る。
どんな信仰だったのかは、不勉強で知らない。
時代からして、仏教の拡がりとともに遺棄されたか・・・
いろいろと想像を掻き立てられるのである。

正面に掘った穴の向こうに眠る先祖の霊に
語りかけ、手を合わせる家族や集落の人たち。
この時期、周りには紫陽花の祖先、
ガクアジサイが咲き乱れていたかもしれない。

願うシアワセはどんなものだったのだろう。。。
おそらく、暮らしの様相はまったく違っても、
願いの本質はさほども変わらないように思うのである。

欲望とともにエントロピーを増大させてきた結果として
我々が得たものは何か、失ったものは何か。
人類の祖先から幾度となく変異してはとり憑いてきた
ウィルスが今、新たにその棚卸しを迫っている。
そんな気がしてならない。

 

世界中に疫病が広がり、不気味な春を過ごして、
未だ収まりつつあるのかよく分からない
半自粛状態の6月、入梅の日曜日。
寄る辺なく久しぶりに公園など散歩して、
紫陽花と太古の霊にとり憑かれたか、
ヘンな展開の日記になってしまった。

本当は、アベノマスクから一気に
日本農業の行く末に話を飛躍させるつもりだったんだけど、
まあこれはこのままにして、その話は次回に。

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