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切なくも美しい、大根畑

2020/06/05
  • あんしんはしんどい日記
  • 丹那牛乳&酪農王国オラッチェ
  • 新型コロナウィルス
切なくも美しい、大根畑

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「収束」しつつあるように思ったのも束の間、
また感染者が微妙に増えてきています。
これが「油断」あるいは背に腹替えられぬ経済行為
によるものか、それとも第2波の予兆なのか、
よく分からないけど、いずれにせよ引き続き「要警戒」ですね。
「耐える」ではなく「鍛える」精神で、
クリエイティブに過ごしましょう。

学校が再開され、通勤途中で
集団登校の子供たちの姿を見るようになりました。
ふと男子の滑稽な振る舞いなどみつけると、
ニヤニヤしながら眺めてしまう。
このフツーの光景がこんなに嬉しいものなのかと、
新鮮な発見に驚かされています。
ウィルスが教えてくれたってことでしょうか。
大事にしたいものです。
願わくばこのまま落ち着いた日々にならんことを。

 

そんなコロナ禍のなか、
アメリカでは人種差別に抗議するデモが過熱している。
しかしトランプ大統領は、
便乗した暴徒による略奪などあったとはいえ、
すべて丸ごとテロリストによる暴動扱いで、
とうとう、非暴力で訴えていた市民デモに対して、
催涙ガスで排除するという暴挙に出た。
しかも何と!
排除したその場所で、聖書を掲げるというパフォーマンス。
なに考えてんだろ、この大統領は・・・
もはやアメリカ・ファーストじゃなく
「トランプ・ファースト」だ。

国民をまとめるために苦心するではなく、
我執によって分断を煽るという愚行を重ねる執政者。
市民に向かって放たれた催涙ガスが意味するものは、
大きいと思う。

 

暖かくなった丹那盆地では、
酪農王国オラッチェの運営する畑で、
キレイな大根のお花畑が出現している。

実はこれ、悲しいことに、
コロナの影響で売り場を失った大根たち、なのである。
トウが立ち、ついに花が咲いてしまった。

畑にいた若い女性スタッフに聞けば、
「少しタネを取って、あとは捨てるしかないです」
という。

自家採種できる品種なのか、
たしかにずんぐりとして、在来種っぽい。

ざっと勘定して、500本以上は残されてしまった。
すべて酪農王国の損失となる。
「キツイね」と語り掛ければ、返事はただ「はい」とだけ。
こんなふうに、コロナの経済への影響は、
感染者のいない町の、小さな畑にまで及んでいる。

 

畑一面にモンシロチョウが乱舞している。
野菜にとっては害虫である。

脇の道に咲いたシロツメグサ(クローバー)には
モンキチョウが訪れていた。
こちらは大根畑には目もくれない。

そんな光景を見ると、つい思い出してしまう。
昔、千葉・山武市で実施していた「稲作体験田」で、
生き物調査と生物多様性の話をしたときに、
参加された会員のお母さんに言われたひと言だ。
「でもチョウチョがいないですね。」
僕は「チョウチョは田んぼには来ませんよ」と
冷たく答えてしまった。
もっと丁寧に説明すべきだった。

モンシロチョウはアブラナ科に
(元々キャベツと一緒にやってきた外来昆虫である)。
モンキチョウはマメ科に。
アゲハチョウはミカン科だが、
キアゲハはニンジンなどのセリ科につく。
生まれた幼虫はそれらの葉を食べて育つ。

仮にマメ科植物が絶滅したら、モンキチョウも絶滅する。
たとえ目の前にキャベツ畑があっても、彼らは餓死する。
生き物たちはそのように棲み分けている。
そして今、この地球から昆虫が続々と消えていっている。
交配に虫の手を借りる植物もまた、その輪に連なっている。
主たる原因は、人間による環境破壊だと言われている。

 

「種同士が棲み分けを通して相対立しながら相補うことによって
  お互いを成り立たせている。その「社会」は対等である」
そう説いたのは日本の霊長類研究の創始者、
ダーウィンの進化論を否定した巨人、今西錦司である。

すべての動植物は共存の原理によって生きている。
「地球上はどこでもエコシステムだ」とも語っている。
(今西錦司全集第13巻「自然学の提唱」から)

しかしヒトだけは競争原理(その大基に進化論がある)で争い、
殺し合っているのである、今も、
地球のバランスを壊しながら。。。

僕らはつい普通に「ウィルスとの戦い」と言ってしまうが、
最終的には新型ウィルスとも共存の形で落ち着くことになる。
そもそもヒトは、ウィルスと共存しながらヒトになったものだから。
生命の原理は「共存」である。

コロナから学ぶべきこととは・・・
大統領閣下、いかがなものでしょうか。

 

キタテハもやってきている。

よく見るとミツバチもあちこちに。

大根の脇には、道に沿ってカモミールも咲いている。

コンパニオンプランツ?
よく分からないけど、部外者の目は楽しませてくれる。
彼らにとっては、幸運にも収穫を免れて、
いま必死で生存戦略を駆使しているところだけど。

美しいけど、実は切ない畑。
切ないけど、虫たちにとってはありがたい花畑。

環境教育の素材にしてはどうか-
なんて考えたりしたが、
学校は再開したばかりで、そんな余裕はないだろう。

オラッチェの再開は、6月16日の予定。
いっぱい来てほしいような、ほしくないような。。。

コロナ対策という名のせめぎ合い。
マラソンでいえば、今何キロ地点あたりなんだろう。
生活も事業も、いよいよ切羽詰まってきた人が
増加の一途である。
病院の倒産まで語られ始めた。

重苦しい圧迫感の中で、
切ないお花畑の前でただ佇むひと時。
オチの言葉も見つからない。

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