冬の庄内で-

公開日: : 最終更新日:2015/01/25 あんしんはしんどい日記, 生産者・産地情報

昨日は、大地を守る会のコメの生産者団体である
「みずほ有機生産者グループ」の総会で講演を依頼され、
冬の山形・庄内地方、鶴岡まで足を運んだ。
会場は日本海を望む湯野浜温泉。
皇太子も逗留したという由緒ある旅館「亀や」。

(株)大地を守る会からフルーツバスケットに籍を移した自分は
もう適任ではないからと一度は断った依頼だった。
しかも米価が暴落している折、
本音を言えばコメの産地に行くのはつらい。
殴られるんじゃないか、という不安も冗談ではないくらいで。

代表の菅原専一さんからは、コメの話だけでなく、
大地を守る会がどうやって経営の中に運動の理念を残し続けてこれたのか、
そのへんの話を聞かせてほしい、と言われた。
それこそ僕には身の丈を超える問いだったんだけど、
電話口でふと、自分なりに回答を示してみたい
という欲求にかられたのだった。

コメの消費が減り続ける中で「もっと売れ!」と迫るわけでもなく、
あるいはコメ不足の時に他に高く売ることもしなかった、
義で生きてきたような人からの依頼は、
自分が試される機会でもあろうかと、そんな気にもなった。

決め手はこんなセリフだった。
「ただコメを売りたいとかではなくての、
原点を見直したいという気がしての・・・」
ここまで専一さんに言われてしまうと、逃げたくない。
指名された以上、たとえ会長であろうが渡したくない。
頑張ってみようかと思った。

四国の太平洋側に育った自分には、日本海の冬の海は
何とも言えない重たい感じがする。
なんか松本清張っぽいというか・・・
2014120804

生産者を前にお話ししたことは、
ここで披露するほどのものではないので割愛したい。
人前で初めて、自己史的な展開でやらせてもらったので。
そんな流れを思い立ったのは、向かう道々で見た風景のせいだ。

自分が大地に入社した背景から始めさせていただいて、
専一さんの問いへの答えは、
「皆さんの作品が、僕らに運動を指示し続けたんですよ」
に尽きる。
日々運ぶモノたちが、僕に言葉を与えてくれた。
これが感じ取れなくなったなら、おそらく大地を守る会は終わるだろう。

コメの消費拡大に向けて、
といった気の利いた話はできなかったけど、
僕なりにいくつかの、未来へのヒントも盛り込ませていただいた。
参考になったかどうかは心もとないけど。

残念だったのは、自然栽培に挑み続けている佐藤秀雄さんが、
結婚式に出なきゃいけなくなって、お会いできなかったこと。
コメ作りの考え方や技術について、いっぱい聞きたかったんだけど、
おあずけとなった。

あとは忘年会。
つらいこと、ヤなことはいっ時忘れて、楽しく飲む。
講演料は美味い酒で充分。
ここでの酒は地元鶴岡の「出羽の雪」だった。
この蔵(渡会酒造)の息子(たしか次男坊)と
一緒に働いた時期があったことも披露したりして。
あいつは今どこで、何をしてるんだろう。
「そこはビシッと-」が口癖だったので、
「ビシッちゃん」というあだ名をつけられていた。

楽しい時間は、アッという間に終わる。
専一さんの発案で、記念撮影。
2014120803

前列真ん中に座らせられた僕のうしろが菅原専一さん。
そして右側にいるのが、宮城・蕪栗米生産組合の千葉孝志さん。
大地を守る会のコメの生産者たちは、
ライバルでありつつ、情報網を構成する仲間たちでもある。

日本海に沈む夕日を見ることもなく、
深夜に温泉につかって、朝にはとんぼ返りとなる。
専一さんの車で鶴岡駅まで送ってもらい、
3月の東京集会での再会を約束する。

僕の話は、期待した生産者には力弱かったかもしれない。
つかみはまあまあだったけど、決めにインパクトが欠けたか。
でもこれが今の現実であり、僕の限界でもある。
見極めたいね、次の一手を。
それは誰かが教えてくれるわけではない。
つかみ取るしかないのだ。

日本海側の風はいかにも冷たそうに吹いていたが、
雪は少なかった。
しかし新潟から上越新幹線に乗り換えると、
風景は雪国に豹変する。

2014120801

2014120802

日本は今もまだ、美しい。

JRの広報の方にお願い。
座席の背に用意された広報誌に路線図が載ってるけど、
できれば正確な地形で、山や川の名前も書かれた地図も欲しいです。
あれが〇〇山か、このへんが〇〇か・・・って、
けっこう楽しめると思うんだけど、そんなナビがない。

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