『風土 ㏌ FOOD』の9年

公開日: : 最終更新日:2019/08/12 生産者・産地情報, 食・農業・環境

長引いた梅雨のせいだろうか、
今年はクマゼミの鳴き声(羽音ですが)を聞いたのが
7月も後半に入ってからだった。
すでに赤とんぼを里で見かけるようになっていて、
この時期に癒してくれるヒグラシのこだまは
まだ耳にしていない。
一気に猛暑となって、どこか歯車が合ってないような夏だ。

そんな体調も狂いがちな8月3日(土)、
何とか日程をやり繰りして、今年もこの地に足を運んだ。
福島県須賀川市泉田、(株)ジェイラップが主催する
夏祭り、『風土 ㏌ FOOD』。

地域全体が不安のどん底にあった2011年。
放射能という見えない敵に皆が怯える中、
科学的知見を必死に集め、徹底的な測定と対策で
周りを励まし続けたのがジェイラップであり、
そこに集まる生産集団「でんでん倶楽部稲作研究会」の
生産者たちだった。
そして「地域を元気にしたい」と開催したのが
『風土 ㏌ FOOD』だ。
あの年は秋だったが、9回目となって、
すっかり地域の夏祭りとして定着した。

日が傾くにつれ、続々と地元の人たちが集まってくる。
みんな知っているのだ、勇気を与えてくれた彼らの功績を。
市長やら県議やらもやってくる。
一昨年は小泉進次郎議員もやってきたイベントだ。

開会宣言をするのは、副社長の伊藤大輔さん。
立派な後継者として育ってきている。

そして今年のゲストとして登場したのは、あのレジェンド、
元サッカー日本代表でヴェルディ川崎の監督も務めた
加藤久さんだ。

スポーツ理論で博士号も取得した学者でもあるが、
その加藤さんをして、
「ジェイラップ・伊藤俊彦社長の食や栄養学に対する博学には、
いつも勉強させてもらっている」
といわしめる。

伊藤さんからは以前より
「Jリーグにもコメを出している」と聞いていたが、
ただの取引ではない関係を築いてきたってことだね。
素晴らしい。

パネルディスカッションでは、
「この先、何十年も農業が元気であるように」
をテーマに、ジェイラップを支えてきた生産者
3名が登壇した。

左から常松敬吾さん、藤田忠内さん、鈴木富雄さん、
そしてコーディネーターの伊藤俊彦さん。
いずれも26年前のジェイラップ設立から支えてきた同志だ。
それぞれに “覚悟を決めた” 当時の思い出を語り、
震災や原発事故を経験しながらも諦めず
つないできた歴史と、その先の未来への思いを語る。

「稲田稲作研究会」の米の販売から始まった
この人たちとの付き合いも30年を超えて、
この時間とジェイラップの存在は、僕の人生に
大きなウェイトを占めている。
立場は違えども、ともに歩いてきた戦友として、
誇りたいと思う。

ジェイラップの倉庫や乾燥製品工場(J-DRY)の上には、
太陽光パネルが並んでいる。
ここで発電される電気は8000Kwに上る。
会津電力を立ち上げた佐藤彌右衛門に負けず劣らず、
「東京電力から福島を取り戻す」に
執念を燃やす男が、ここにも居る。

伊藤さんは、合併後の「大地を守る会」が
小さくなったように見えてしょうがないのか、
しきりに僕を煽る。
まあ僕は僕なりに頑張ってみるから、と言うしかない。
この男との信義は裏切れない。
もうこれは宿命だと思っているから。

 

ステージでライブが始まる。
まずはお馴染みとなった、カタログハウス(通販生活)の
斎藤憶良(おくら)さん率いる「THE CREEPERS」。

カタログハウスさんとは、3.11後の
放射性物質の基準値づくりで一緒に議論した間柄である。
いまもジェイラップの倉庫内では、
大地を守る会とカタログハウスが寄贈した
放射能測定器が仲良く並んで活躍し続けている。

続いては地元人気のおやじバンド
「DISC LORD」。

ボーカルのオヤジと伊藤さんは
昔の愚連隊時代からのダチで、
仲良く熱唱する姿にも友情が漂っていて、
みんな温かく拍手するのだった。

夜も楽しく更けて、20時45分。
閉会の挨拶は鈴木富雄さん。

参加してくれた地域の方への感謝と、
これから何十年もこの地の農業が元気であるために
頑張っていく決意を述べ、夏祭りを終えた。

もはや1生産団体の枠を超え、
地域になくてはならない存在に育ったジェイラップ。
彼らの成長はまだまだ続くことだろう。
励まされて帰路に就いたのだった。
来年の『風土 ㏌ FOOD』10周年を楽しみにして。

遅れ気味だったイネも挽回してきたようで、
豊作を祈りたい。

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