G20、追加注文は嬉しいけど・・

公開日: : 最終更新日:2019/06/06 日々日々フルーツバスケット, 雑記その他

森を育む紙製飲料容器普及協議会(もりかみ協議会)から、
6月に開催されるG20サミット(金融・世界経済に関する首脳会合)の
大臣会合用にジュースの追加発注がきた。
国際会議場とホテルの2ヵ所に送れとの指示。

モノは前回と同じ「アップル&キャロットジュース」。

このカート缶(紙製飲料容器)には国産材が30%以上使われていて、
しかも間伐材を使うことで森林の育成と地球温暖化防止に貢献している。
また売上の一部が「緑の募金」に寄付され、
国土緑化活動に役立てられている。

 

前にも書いたように、こういう飲料が
世界のGDPの90%を占める国々の首脳が集まる会議に
採用されることは名誉なことだし、
こういう取り組みが少しでも紹介される機会を得ることは嬉しい。
カート缶の普及を通じて森林保全や温暖化防止に貢献しようと
尽力されている「もりかみ協議会」にも、深く感謝したい。

しかし! しかし、である。
原発を運転させることが温暖化対策になるなどと凝りもせず唱える
国の指導者たちに、自慢気に披露してもらおうとは思ってないので、
そこは何度でも、何度でも、申し上げておきたいと思う。
(誰も聞いてくれてないけど・・・・・)

 

お騒がせの大統領は、ご機嫌で帰って行かれたようだ。
日本に滞在する間も、得意のツイッターで
侮蔑的表現を駆使しまくりながら大統領選のライバル候補
と思しき人をやっつけていた。
そんな方に劇場型のお接待外交を繰り広げる模様を
ひたすら見せつけられて、さすがに疲れた気分になったのは
僕だけではないと思う。
全部、国民のお金で振る舞ったわけだからね。
相手は感謝しても、手を抜いてくれるワケではない。
そもそも外交とはそういうものではないし。

結局何を得たんだろう・・たぶん何も獲得できなかった。
一方で失った(=譲歩させられた?)ものは不気味である。
トランプ氏の「貿易交渉を参院選挙後まで待つ」という、
その時間と取引されたものは何か。
選挙前に進められてはヤバいワケね、と思ってしまう。
こんなの「外交」と呼べるんだろうか。

「自給率の低い日本に対して食糧は強い武器になる」と、
すかさず米国の高官が語っている。
遺伝子組み換え食品に残留農薬規制の緩和・・・
やってくるのはこちらが必要な食材ではなくて、
相手の戦略による。

そういえば、かつてこう嘲笑した大統領もいた。
「こんな自給率の低い国は、独立国とは言えない。」
どっちのブッシュだったっけ・・・

根本から政策と戦略を立て直すべきだと思うのだが・・
どうなっちゃうんだろうね。悲しくなる。

 

しょうがねぇなぁ、飲むか・・(毎晩のセリフだけど)。
我が輩はこれでニッポンの水田を守り続けるのだ、人生をかけて
(と、これも毎晩の言い訳)。

単身赴任のアパート近くにあるお気に入りの居酒屋に入れば、
ご主人が「こんなの入りましたよ」と勧めてくれる。
またもや「令和」ときた。

ご主人の故郷・福岡の蔵元、若竹屋酒造の「純米大吟醸 子狸の酒」。
中身は良かったんで、まあ許すけど、
「令和」にかこつけるのはもういいです、の気分。
ただ祝っても景気がよくなるわけではないし。

「令和」はどんな時代になるんだろう。
いや、そうではなくて、
どんな時代にするのか、でいきましょう。

 

明治初期に東北地方を旅した英国人旅行家イザベラ・バードは、
日本の農村を「エデンの園」「アジアのアルカディア(桃源郷)」
と称えた(『日本奥地紀行』より)。
識字率とモラルの高さも、当時の西欧人をして驚きの水準だった。

そう言わしめた風景の底にあった文化も、しなやかな自給力も、
すべてが即物的な換金価値で切り売り(切り捨て)される今では、
司馬遼太郎のため息のような言葉のほうが切実に感じられる。

「日本の社会は、資本主義さえうまくやれない病患をもっていることを、
底の底まで掘り下げて考え込むべきときがきているのではないか」
 (『明石海峡と淡路みち』より)。

 

すみません。
愚痴って少しはストレスを発散させたく・・・
でも、愚痴で気持ちが晴れることはないワケで。
足元から、半歩でも前に向かって歩いていくしかない。

 

ここはひとつ、丹那盆地を再びアルカディアに-
と思い切って書いておこう。

オラッチェのスタッフが育てる畑では、
ジャガイモの花が満開を迎えた。

紫が強い。
品種は何だろう、「インカのめざめ」?
赤系の芋だろうとは思う。

じゃがいも畑の価値を、芋の出荷価格だけで計算してほしくない。
この国のみんながそんなふうになったら、
北海道美瑛町のあのパッチワークの美も消滅するだろう。

 

昼間に事務所の窓を開けていると、
ンモォ~っと、のどかな牛の鳴き声が聞こえてくる。
日が暮れればカエルの大合唱の季節だ。
仕事しながらも癒される。
まったく聞こえない、という人もいるようだけど。

コメは輸入できても、田んぼや生態系は輸入できない。
それどころか、モノを輸入すればするほど
その地で生命を養う環境力は痩せていくのである。
この「重さ」を計算できた経済学者を、僕はまだ知らない。

G20も、貨幣でたたかう世界の話だろう。
温暖化対策も政治の駆け引きに振り回されることだろう。
我がアップル&キャロットは、それでもその片隅で
無言で立ち続けるのだろう、見えない人には見えないまま。

それでもええ、胸張って立っていよう、
と励まして送り出したい。

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