「平成」最後の日に

4月30日、「平成」最後の日。
世間はまるで大晦日のような雰囲気だ。
そんなお祭りムードで元号の変わり目を喜びバカ騒ぎできるのも、
崩御でなく生前での皇位継承によるからであって、
30年前の、ほぼ強制的な「自粛」一色モードを記憶する者
からすれば、この経済効果は計り知れないと思う。
「平成天皇」最後にして最大の経済的貢献ではないだろうか。
経済アナリストたちの誰一人として、
このことを語らないのが不思議だ。

お陰さまで、我が社も自粛の圧力を受けることもなく、
やり繰りしながら出勤する大型連休であります。
今日も牛乳寒天部門は粛々と変わらない業務をこなし、
製造1課は新たに入荷したパインの前処理作業にあたっています。
沖縄・真南風(まはえ)の坂本シャチョ~!
こっちも頑張ってんだから、量が少ないとか文句言わないでね。

 

前回書き終えられなかったG20の話。
経済閣僚会議で我が社のジュースが採用されたのは
有り難いことではあるけど、
この国際会議に政府が用意している地球温暖化対策は、
許し難い。

「2050年までに温室効果ガスを80%削減する」
この長期目標を実現するために有識者会議が設置されたのだが、
その会議の提言では、原発について
「安全性確保を大前提とした原子力の活用については議論が必要」
という表現に留まっていたにもかかわらず、政府案では
原発を脱炭素化の選択肢として「再稼働を進める」となった。
「もんじゅ」で頓挫したはずの高速増殖炉にも
前向きの姿勢を打ち出すそうだ。
諮問会議とは何なのか。怒れよ、有識者たち!

再稼働した原発ではテロ対策の遅れが確実となって、
すべて停止する可能性が出てきた。
廃炉スケジュールは延びてゆくばかりで、
高濃度放射線廃棄物処理の道筋は今も霧の中だ。
韓国の水産物輸入制限を提訴したWTOでは敗訴した。

「脱炭素化」の政策的選択肢は広がってきている。
自然再生エネルギーの飛躍的成長が進む国際社会に
取り残されつつある日本が、さらにG20で
再稼働推進を宣言するって・・・ありえないだろう。

「作ることはできても消すことができない。
 子孫と地球全体にどんな影響を与えるかについて、
 満足に答えるすべを持たない」
   (『高木仁三郎 反原子力文選』から)

原発は、どう考えても未来への選択肢にはなり得ない。
どんな議論になるのか注視しようと思う。

我が社の「アップル&キャロット」は
国際会議の一日、ただ中身で静かに語るだけ。
ジュースにストローはついてないけど、ご了解を。

 

そんな苛立ち紛れの、平成最後の日。
「業務文書は西暦で統一する」と宣言しつつも、
節目の日ともなれば、何か心身を清め直そうかという
思いも湧いてきたりするもので、こっそりと
会社から車で数分の古刹・長光寺を訪ねた。

住職は前にもこのブログで登場してもらったことのある
アーティスト・柿沼忍昭和尚

副住職である猫のきいちゃんが出迎えてくれる。
いや、本人(本猫?)は気まぐれでどこかに行ったようで、
代理を置いていったようだ。

本堂前に置かれた石。
この寺は何度来てもいい。

境内から墓所に向かう脇には、
「昭和書碑林」と呼ばれる一角があって、
現代書の先駆者の書碑が配置されている。

手前は「吟風弄月」、手島右卿柞。
その向こうは「愛」、佐野丹丘柞。
右に見えるのは「大吉」、上田桑鳩柞。
他にも見てほしい書碑があるけど、今日はこれだけ。

せっかくの今日の日なので、
御朱印をいただこうかと、社務所に向かう。

柿沼住職直筆の御朱印をいただく。
インスタグラムで目下拡散中といわれるアート御朱印。
記念すべき平成最後の一筆。
いや、僕のあとにもいたか・・・

 

柿沼忍昭という僧侶、遊び心を発揮するお坊さんでもあり、
御神籤(おみくじ)はなんとガチャなのだ。
コインを投入してガチャッと回す、駄菓子屋の店先にある、
あの子供を誘惑してやまない小道具。
しかも一枚一枚手書きのお札と洒落ている。

本日の運勢-末吉。

「のんびりゆくもよし」か。
ウーン、そうもいかないんだよね、これが。。。
もう一枚、ガチャしてしまう。
出た言葉は、「中喝」とあった。
吉凶だけでなく「喝」も入れてますからね、と。

曰く-「背伸びするな!!」

見透かされているような、、ヤな寺だな。
今度は、安倍さんを連れてきたい。

迷い、怒り、それでも希望は捨てずに生きたいし、
これでいいのか・・・と問い続けた「平成」も、幕となりました。
引き続き迷いを抱えて、「令和」へと突入します。

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