感謝とともに、来年も「生きましょう」

函南のアパートの玄関から出た道の向かいに、
一本の木が立っている。
しばらく前に白い釣鐘状の花を咲かせていて、
何ていう木だろうと思いながら、そのまま忘れてしまった。

それが数日前にふと見ると、
なんと! ヤマモモではないか。

いや待て、この季節にヤマモモの実が成るはずがない。
葉っぱの形も違うし。
ヤマモモなら知っている、郷土の県木だから。

調べてみて分かった。イチゴノキだ(と思う)。
それにしても、ここに越して3年になるけど、
なんで気がつかなかったんだろう・・・
見ているつもりでも、いつの間にか季節を忘れていて、
こんなふうに突然気づかされる日々。

この光景を見て思い出す。
何年か前、千葉・幕張に本社があった頃、
俳句など一度も作ったことがない自分の頭に、
ふと浮かんだ一句があった。
そもそも俳句になっているのかも
分からないけれど、なんでか記憶にある。

  都会では 路傍に落ちる 山桃の恋

イチゴノキも、省みられることはないようだ。
鳥も来ない。
一個つまんで食べてみる。
鮮やかな色のわりには酸っぱくもなく甘くもなく、
ただ淡泊で水っぽい。
小さな粒がイチゴのように歯や舌に触った。

 

今年の業務も、本日30日の
牛乳寒天出荷をもって終了となる。

出来たことより、出来なかったことのほうが
多く思い出され、反省は尽きない。

自然災害の影響(西日本豪雨による原料喪失)を
今年も受けたし、牛乳寒天部門は2年目に入り、
伸び悩みを見せた。
決意を持って臨んだ「ムーラン・ナ・ヴァン」の
再建は、まだ道半ばだ。
「地域貢献」をテーマに手掛けたシカ肉販売は、
二歩目のところで停滞してしまった。
事業というのはホントに難しいものだと思う。

でもまあ、スタッフは皆よく頑張ってくれて、
堅く黒字を残してきたし、ボーナスも出せた。
積み残した課題は多いけど、ま、それはそれで
来年のやり甲斐というものだ。
頑張ろう、と気合を入れて事務所を閉める。

 

今年最後の写真は、何にしようか。。。
これでいってみるか。
福島県喜多方市山都町の、
限界集落とも言われる山間部で、
江戸時代からの手掘り水路を守り続ける
「本木・早稲谷 堰と里山を守る会」から
送られてきた米と酒。

この純米酒1本(720㎖)を作るのに
使われる米の量は、田んぼにして畳一畳分に匹敵する。
(注:原料の精米歩合にもよるので、
   すべてがそうだというワケではありません。)
今年もずいぶん田んぼを守ったものだと、
自堕落ながらこれだけは我が身を褒めてやりたい。

いや、おバカな自画自賛をしている場合ではない。
毎年GWに行なっている「堰さらい」(堰の補修)の
ボランティアもこの2年行けてないのだが、
来年はボランティアを募って20年ということで、
「記念誌を出したいので原稿を書いてくれ」と
浅見彰宏さんから頼まれているのだ。
締め切りは明日、12月31日である。

ボランティアという応援を通じて、
“暮らしの土台” というものを、
僕らは学ばせてもらっていた。
世知辛さ増し続けるこの国にあってなお、
大切なものを守り続ける人たちがいること、
その価値と感謝の気持ちをどう綴ろうか、
「上堰米のお酒」を飲みながら考える。。。
この宿題もどうやら年越しになりそうだ。

 

大企業から行政までデータや公文書の改ざんが発覚し、
政治の世界では大っぴらに嘘と差別発言が飛び交い、
「劣化」という言葉が頻繁に使われた一年だった。
人口減少は加速化の時代に入り、
格差の拡大も激しくなってきている。
しかし強引に繰り出されてくる政策は、
どれも「逆じゃないか」と言いたくなるものばかりだ。
相当にヤバい感が漂う中で、自分の感性が
鈍感になっていくことに警戒心を持ちたいと思う。

年の瀬に、ふと聞きたくなった曲があって、
ホコリをかぶったCDを一枚取り出した。
70年代の沖縄フォーク村村長、佐渡山豊の名曲
「変わりゆく時代の中で」。

いつになれば 友よ ぼくらは
祖国を ふるさとと 呼べるだろうか
・・・・・・・・
信じあうべき ぼくらの力で
もしも 流れが 変わるなら
変わりゆく この時代の中で
ぼくは 今 みんなと 生き続けたい

生き続けましょう、皆さん。

世情はともかくとして、今年もたくさんの人に支えられ、
一年を無事終えることができました。
深い感謝とともに、良いお年をお迎えください。
合掌

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