オーガニックを選ぶ7つの理由

公開日: : 最終更新日:2018/08/07 あんしんはしんどい日記, 食・農業・環境

本日、
埼玉・熊谷で41.1度、国内観測史上最高温度を記録した。
酷暑も「災害級」と報じられている。

そんな殺人的暑さが続く中、
そしてまだ中国地方では避難状態が続く中、
国会では、改正公職選挙法(参議院定数6人増法案)に続き、
統合型リゾート(IR)実施法案(通称カジノ法案)が、
立て続けに成立した。
国民が納得しようがしまいがお構いなし、やりたい放題だね。
カジノ法案に至っては、外国資本が儲かるだけという声もある。
そして次のターゲットが、水道法改正ときている。
水道事業を民間に任せようというのだ。
これも外国資本が狙っているものである。
公共への責任は放棄し、どこへ行く気なのか・・ヤバすぎる。
実質的に、もう民主主義は終わっちゃったんじゃないか。
そんなふうにも思えてくるようなヤバすぎる危機だ。

国民が無関心になればなるほど、政治は堕落していく。
「選挙に行っても行かなくても変わんないでしょ」ではなくて、
行かないと「悪くなっていく」のである。
そのツケはすべて次世代に回っていくんだから、
若者たちには、選挙に行くかどうかより、
立候補を考える(自分たちの代表を国会に送る)くらいの
議論をしてもらいたいものだ。
そうすれば投票もやる気が出て、楽しくなってくるんじゃないだろうか。

 

さて、先週は19日(木)、
久しぶりに講演依頼を受け、名古屋まで出向いたので、その報告を。
政治の話ではありません。
与えられたお題は-
『有機農産物の販売と加工の可能性』。

主催は、名古屋市内の3ヵ所で朝市(1ヵ所は夕ぐれ市)
を運営している「オーガニックファーマーズ名古屋(OFA)」。
代表の吉野隆子さんとは20年以上のお付き合いで、
依頼の電話があったのは4月だったか。
有無を言わせず「いつ来れる?」と迫られた。
なるべく先延ばしにしてこの日にしたのだが、
直前になって「パワーポイントで資料を用意して来て」
と言われ、受けたことを後悔したが後の祭り。

これが朝市の風景(HPから拝借)。

けっこう賑わっている。
出店するのは基本的にオーガニックの農産物で、
有機JAS認証にはこだわらないが、
無農薬・無化学肥料栽培が原則で、
果樹は減農薬、コメは除草剤1回は許容、
というルールになっている。
新規就農者や自然農法を実践する農家が多いようだ。
OFAでは新規就農希望者のサポートもやっている。

講演は「なごや環境大学共育講座」の
オーガニック講座6回シリーズの一つとして設定されていた。
夕方会場に入り、案内のチラシを見ると、
「有機農法・自然農法を学ぶ」とあって、
僕の回以外はすべて自然農法の技術を学ぶ内容だった。
もしかして場違いなところに来たのではと不安を感じたが、
それも後の祭り。
用意したパワポ資料にしたがって話をするしかない。

自己紹介から始めて、
フルーツバスケットの概要説明へと入る。
なぜ大地を守る会が農産加工場を持つに至ったか、
そして30年を経て
地域資源を守り育てるという視点を強めてきたことを、
事例を紹介しながら話す。

講演のテーマである「有機農産物の販売」については、
日本における有機農業の歴史のなかで、
大地を守る会が果たした役割を辿りながら(そのようにしか僕は語れないし)、
今日の有機(オーガニック)市場の微妙な空気感を
自分なりに分析させていただいた。
ここでは必然的に親会社の合併の社会的背景についても
触れざるを得ず、生産側にとって今後の販売は、
生産規模と経営方針(生き方、成長ビジョン)によって、
どういう相手(市場)とどういう形で付き合うのかが
違ってくることを、私見として述べさせていただいた。
例えば、小規模の新規就農者であれば、
「半農半X」という生き方は積極的に捉えてよいが、
農とXをどう上手にリンクさせ、どういう人たちに
何を語っていくのかが鍵になる、という具合に。

そこでいま必要な作業として、
「私が考える、オーガニックを選ぶ7つの理由」を
それぞれに整理してほしい、とやってみた。
「7つ」には大した意味はなく、いくつでもいいけど、
“私のオーガニック” の価値を、
“私の言葉” で語ってほしい、ということだ。
時間があれば、ここでグループに分けて
ワークショップと行きたいところだったのだが、
時間がなかったので、僕が考える7つの理由を
開陳させていただいた。
まだ練り切れてなく、総論的提示ということになるけど、
こんなふうにまとめてみた、ということで。

1)私と家族の健康のために
2)ホンモノ(本来の滋味・栄養価)を楽しみながら、
  食文化を育み、残していくために。
3)地域と地球の健康のために
4)持続可能な社会のために
5)未来技術を育てるために
6)フェアな共生社会を築くために
7)世界の平和のために

要するに「子どもたちの未来のために」
ということになろうか。
それぞれにちゃんと適った理屈がある。

まああまり大上段に振りかぶらなくてもいいので、
それぞれに、それぞれの言葉で、
「私の有機農業」の価値を伝えていこう、ということだ。
それが食のリテラシーを高めることになり、
オーガニックが当たり前の社会になっていく道だと思う。

最後に有機農業における加工の役割について話をして、
この言葉で締める。
有機農業の始祖、アルバート・ハワード(英)の言葉。
いつからか、僕にとって、講演での締めはこれが定番となってしまった。

民主主義の真の温床は肥沃な土壌であり、
その新鮮な生産物こそ民族の生得権なのである。

国民が健康であることは、
平凡な業績ではない。
  -『ハワードの有機農業』(農文協)から-

ガンが増え、成人病がどんどん低年齢化していくこの国で、
良い食を作り、育てましょう。

 

質疑では、親会社統合についての質問から始まって、
有機農業におけるたい肥の施用という
理念的かつ技術的な質問にまで及んだが、
中に「リテラシーという言葉に込めている思いは?」
というのがあった。
3.11と原発事故後の苦しい対応のなかで、
僕はリテラシーという言葉を多用するようになっていて、
物事の本質を理解して行動したい、という思いを
この言葉に託していたのだが、ここでは
どうもまどろっこしい説明しかできなかった。
それが気になって、帰りの電車の中で反芻しながら、
こういうことだと思った。
リテラシーとは「生きる力」だと。

オーガニック(有機農業)が当たり前の社会にしたい。
この命題を果たすためには、
コミュニケーションのしなやかな飛躍が必要だ。
そんな思いが、新規就農者たちに少しでも伝わったんなら
嬉しいのだけど・・・

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