4年ぶり、「体験田」を訪ねる

公開日: : 最終更新日:2018/07/30 生産者・産地情報, 米プロジェクト21

溜まった日記を続ける。

話が前後しちゃうけど、
6月中に関東地方の梅雨が明ける(東海地方はまだ)
という異常気象が続くなか、待っていた荷が届いた。
山形県東根市、奥山博・博文親子の育てたサクランボ。
大地を守る会自慢の生産者の一人だ。

去年、このサクランボの味を
フルーツバスケットの社員やパートさんたちにも
知ってもらいたいと会社宛てで注文したところ、
「今まで食べたサクランボで一番!」と
目論見どおり大好評を博した。
計算してなかったのは、好評だと毎年
期待のプレッシャーを受けるということだ。
出費もバカにならないが、こうなれば
恒例の差し入れにするしかない。

何年もかけて安全性と味の両方を追究してきた奥山さん。
一般的には果実に色を乗せるために葉を摘むのだが、
葉の光合成による養分貯蔵を優先してギリギリまで遅らせる。
また枝になる実の量を半分に減らして、
樹の負担を軽減させるとともに、
一個一個を大きく濃厚な味に仕上げる。
と簡単に書いているが、積み重ねてきた努力は半端ない。

今年は春に何度か強い霜が降りて
だいぶご苦労されたようだ。
手紙には「少々小ぶりになった」と書いてあるけど、
しっかりと仕上げられた結果に、
達人と言われる技術の面目が示されている。

「今年も届く」ことの当たり前を、有り難いものとして、
一瞬の至福にひたる。
しかし・・・数年もすれば、オバちゃんたちには
この当たり前が基準になって、ある年きっと
「今年の味はどうかねぇ」とか言いだすのだ。
その時の反撃のセリフも、今から用意しておこうと思う。

 

話の順番を戻して、次。
段々色ギャラリーを訪ねた翌7月1日(日)。
「大地を守る会の稲作体験」を見たくなって、
久しぶりに千葉・さんぶまで走った。

7月に入ったばかりだと言うのに、
あっつ~い陽射しが出迎えてくれて、
熟れてきたトマトを見ると盗み食いしたくなる。

子供じみた行為はやめておこう。
このハウスは田んぼの地主・佐藤秀雄さんのだし。

数えてみれば4年ぶり、という体験田。
5月に田植えをして、今回は2回目の草取りの日。
作業が始まったあたりで、到着した。

昨年から参加者が減っていると聞いていたが、
まあイベントというのは、長くやってれば
そんな時があるのである。続けることだ。
それに、畔に並んだ人の数は丁度いいくらいじゃないか。
作業はきつくなりそうだけど・・・

子どもたちには、泥んこになりながら、
まずはこの感触を楽しんでくれればいい。
こういう日は、水補給を忘れずに。

今日のベスト装備は、この子か。
カッコいいぞ!

そして、、、懐かしの草たち。
コナギにオモダカ、マツバイ、タウコギ、アゼナ・・・

取り始めてすぐに汗がほとばしり出てくる。
キツイけど、ここが「体験」の肝でもあって、
ベテランとしては、音(ね)を上げるわけにはいかない。

日が高くなるにつれ、暑さがさらに厳しくなってくる。
ここから意地をかけたたたかいとなる。
29年前にこの企画を始めた者として、
取り切るまで田んぼから上がるわけにいかないのである。

 

作業を終えたのは正午を過ぎたあたりだったか。
数人のスタッフと最後まで残って、やり切る。
この満足感。
何よりすっきした田んぼで、イネが応えて
蘇ってくる感がたまらない。

作業を終え、お昼も食べて、
子どもたちはかかし作りに興じたり、
虫取りに走ったり。

何かつかまえられたかな。

こう暑いと、虫の活動も鈍くなるか。。。
それに正直言うと、田んぼでは、
君たちの好きな虫は意外と少ないのである。
何年前だったか、参加されたお母さんから
「チョウチョがいないですね」と言われたことがあった。
田んぼ(イネ)には蝶は飛んでこない。
モンシロチョウはアブラナ科の野菜に集まるし
(キャベツと一緒にやってきた外来昆虫だから)、
モンキチョウはマメ科の葉を食べる。
腹が減って死にそうになっても、
カブトムシが田んぼにやってくることなはい。

ある植物が消えると、連鎖して消えていく生物がいる。
それが私たちの命を支える
生態系ネットワークの儚(はかな)さであり、
だからこそミジンコだって大切なのだ。
こういった種のニッチなつながりも、
「体験」や「遊び」を通じて
しっかり伝えていってほしいと思う。

最後に、みんなでつくった案山子を立て、
元気よく解散。

次は秋、稲刈りとなる。
2ヶ月の間にこの緑の葉が伸び、沢山の穂(実)をつけて
頭を垂らしていく姿が想像できるだろうか。。。
楽しみだね。

何年たっても変わらない風景も嬉しい。
この風景を失わないために、伝えなければならないことは
まだ山ほどある。
やっぱ、「稲作体験」は不滅だ。
世代をつないで続いていくことを願ってやまない。

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