オーガニックコットンから考える未来

公開日: : 最終更新日:2017/12/02 生産者・産地情報, 震災復興, 食・農業・環境

11月4日、
オーガニックコットン・ツアーの続き。

「いわき夏井ふぁーむ」コットン畑での
ワタ摘みを終えて、小林夫妻宅で昼食をいただく。
いただいたのは、いくら丼!

リピーターの方たちはこれを楽しみにしていたようだが、
なるほど、納得した。
大粒でプリプリした、食感も最高のイクラだった。
漁師の腕とか目利きもあるんだろうか。。。

勝弥さんは漁業権を持つ漁師でもあって、
近くを流れる夏井川に遡上する鮭を投げ網で獲って、
自分でさばいては、ご近所や仲間に振る舞う。
稼ぐわけでなく、「趣味の漁師です」と笑っている。
鮭が帰ってくる足元の川を見続けてきた
漁業者・小林勝弥の話も、今度じっくりと
聞いてみたいものだと思った。

お昼をご馳走になったあと、
美知さんから話を伺う。

顔馴染みとなった参加者も多くいたようで、
震災後の軌跡は「もう何度も話してきたので」と
控えめだったが、それでも促されて、
ぽつぽつと語り出す。

震災時の様子、畑が海水を被って塩害に苦労したこと。
オーガニックコットンの栽培にトライした思い・・・
有機認証を取得して「さあ、これからだ」と
思った矢先での震災と原発事故で、
信頼していた販売先から出荷を断られたショックもあったが、
それでもたくさんの人たちに支援してもらって、
今日までこれたことへの感謝の言葉があった。

畑もだいぶ回復してきたことで、
有機での野菜づくりに邁進したいと語る夫妻。
よくぞ頑張ったと思う。
あの年の秋、出荷を前に
「春菊がしょっぱいんですけど」と不安げに告げられ、
「海のミネラル入りですか。塩いらないねぇ」
とか言って受け入れたこと(もちろん放射能も測定済み)
なんかも、もう笑い草にしてもよさそうだね。

たくさんの方と話をしてほしいし、
自分も話し始めたらグッときてしまいそうで、
二人をつかまえるのを遠慮していたら、
「大地」の大塚二郎くんが気を利かして、
3人で一緒に・・と写真を撮ってくれた。

嬉しい記念の一枚となった。

 

午後は、
もう1ヵ所のコットン栽培地に移動。

こちらのワタは同じ和綿でも品種が違うとのことだったが、
メモも取らず、作業に集中。
取材より手伝いを優先ってことで。

作業を終え、もう一つの畑を見て戻ったところで、
用事があって出かけたはずの生産者の奥さんが、
「どうしてもみんなと会いたくて」と帰ってこられた。
「間に合ってよかった~」と、自園の柿を配ってくれる。

ここでも記念撮影して、終了。
再会を約束して、帰路についた。

 

国産自給率ゼロの綿。その生産性からいって、
この国で綿栽培が大きく広がるとは思えないけれど、
福島で、オーガニックコットンの輪が紡いだ絆の力は、
その重さでははかれない。
これはいろんな意味で、 “考える素材” である。

「福島の再生なくして日本の復興はない」
よく言われた言葉で、僕もよく使ったし、今でもそう思っている。
それはなぜか。
改めてちゃんと語り合わないといけない気がする。
新しい時代を創り出すうえで、
フクシマの経験は土台にはめる一つのピースだ。
未来への責任をつないでいくためにも。
そして、なぜオーガニックなのか、もだね。

夏井ふぁーむ・小林夫妻の、有機に復活をかけた人生に、
応えられる社会でありたいと思う。

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