賢者に学びながら・・

公開日: : 最終更新日:2017/11/18 大地を守る会, 雑記その他

探検家・関野吉晴さんと
大地を守る会代表・藤田さんとの対談があると聞いて、
藤田さんにお貸しした一冊の本。
『人類滅亡を避ける道 -関野吉晴対談集』

現代文明は大きな病を抱えている。

世界中を旅して、文明人が「未開」と呼ぶような地で
住民たちと交流を深めてきた関野さんは、そう考えている。
そこで、
ヒトがこの地球で生き残るために何が必要なのか、
どうあるべきなのかを9人の「賢者」に問い、
語り合った記録である。
どの方も関野さん同様、謙虚で、
そして真摯にその問いに向かい合っている。

読んだ際に、手帳に書き写した言葉がある。
いくつか拾ってみる。

「現代の日本人は、飲み食いと排泄をおろそかにしている」(宗教学者・山折哲雄さん)
 -排泄をおろそかにしている究極の存在として放射性廃棄物と、
  世界一の残飯量が挙げられている。
「地下資源から地上資源へ」(宇宙物理学者・池内了さん)
 -化石燃料依存から自然再生エネルギーへ~
「150年で人口は5倍、消費は26倍。しかし苦しみのほうが増えている」
 (作家・船戸与一さん)
「問題は患者に病気の自覚がないこと」(作家・池澤夏樹さん)
「ゴリラ社会は “負けない論理”。国際「競争力」は必要ない」(人類学者・山極寿一さん)
「資本の論理で動いている限り、商品を長持ちさせることはできない」
「サバイバルの必須条件はリハビリ」(作家・島田雅彦さん)
「リスクは避けるものではなく、負うもの」(サバイバル登山家・服部文祥さん)

 

関野さんと藤田さんの対談は、
関野さんが武蔵野美大の学生たちと取り組んでいる
「カレーライスを一からつくる」授業が映画化され、
その上映に大地を守る会が協賛することになったのが
きっかけで行なわれた。

ラーメンと並び日本的に進化を遂げた代表的な食の一つで、
普段何げに食べているカレーライスも、
米をつくる、野菜をつくる、家畜を育てる、道具をつくる、
すべてを一から始めてみれば、何が見えてくるか。。。

この映画を素材に、藤田さんは聞き手となって
関野さんの企みを読み取っていくのだが、
2人を知る者にとっては、期待が大きかっただけに、
少々物足りなさが残った。
ここで対談集のように「人類の未来は・・」と
直球勝負を望んだワケではないけれど、
なんだろう、、、もう一歩お願いしますよ、という感じか。

結果論として思ったのは、
モンゴルに何度も行った藤田さんには、
ぜひ『プージェー』を観て臨んでほしかった。
もっと闊達な、前・後編の2回ではすまない対話に
広がったんじゃないかと思う。

上映会後、関野さんの著書も販売。
サインのサービスに列ができる。

藤田さんには差し上げたつもりでいるので、
ここでもう1冊買って、関野さんからサインをもらった。
これはもう誰にも貸さないことにしよう。

 

関野さんと僕の間には、実は共通の知人がもう一人いる。
免疫治療、ファイトケミカルの第1人者、
麻布医院の高橋弘院長である。

2013年の6月、前年から精力的に開いていた
「放射能連続講座」パートⅡの第4回で、僕は高橋先生をお呼びした。
タイトルは「食べて克つ! 毎日の食生活で免疫力を整える」。

放射能汚染に対して、何をどう食べたらいいのか
という不安がまだ世情を覆っていた頃、
僕は知己もないまま高橋先生に手紙を書き、講演をお願いした。
不安が先行して食が乱れては、かえってリスクは高まる。
ちゃんと食べて克とう、そんなメッセージを発信したかったのだ。

1週間もしないうちに返事が届き、
「お受けします。やりましょう」という力強い言葉に感激して、
すぐさまアポを取って麻布医院に駆けつけた。
そして、医院の待合室でなんと、
グレートジャーニーの写真集が並んでいるのを見たのだ。
聞けば「友だち」だという。
僕はその時、理由もなく成功を確信した。

当時の講座の様子。

以来、ファイトケミカルスープの開発などで何度かお邪魔し、
医院の下のワイン・バーで
とっておきのワインをご馳走になったりした。
職場が変わった今でも、細々ながらお付き合いを頂いている。

関野吉晴と高橋弘。
二人の医者がどこで出会い、どんなお付き合いをしてきたのか、
遠慮もあって聞けなかったけど、
初めて医院に入ったときの感激など、お話することができた。
ああ、と嬉しく頷いてくれだけで、今日は満足。
いつかお二人を招いてセッションができれば・・・
夢のような話だけど、やってみたいなぁ。

 

人類に未来はあるか・・・
関野さんの答えを探す旅はまだずっと続くのだろう。
僕も、たとえ鈍足であっても、歩き続けたいと思う。
賢者に学びながら。

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