『大地の芸術祭』の里めぐり-④

公開日: : 最終更新日:2017/09/16 オイシックス, 食・農業・環境

新潟の山里に来て、ミナマタを想い出す。
北川フラムさんともお会いすることができて。。。

こういう縁をつかむことができたのも、
道を変えずに(正しいかどうかは別として)
生きてきたことの証しなんじゃないかと、
自分を納得させたくもある。

 

里山と “私の暮らし” をアートでつなぐ。
「人間は自然に内包される」
というフラムさんが掲げた理念を注入させながら。
何ができるか、、、様々に湧いてくるイメージを、
形にしていってみたいと思う。
出来はともかく、そういうトレーニングの機会を
与えてくれたんだと思うので。

 

8月5日、ずいぶん遅れてたどり着いた宿は
かたくりの宿」といった。

「日本の秘境100選」にも選ばれた津南町・秋山郷の、
こちらも小学校を改築した宿。
ここはもう長野との県境である。

テーブルを囲んだのは10時を過ぎていた。
写真は撮らなかったが、
ここでの食事も地ものづくしで、
前菜から仕上げ・甘味まで、
美しい盛り付けで、大地の恵みを堪能させてくれた。

「食こそ芸術」
「文化・芸術の最も初歩的で基本的な現れは、食である」
北川フラムさんの言葉を、
帰ってきてからも、何度も反芻している。

夜の懇親会は小林武史さんも一緒で、
かなり遅くまで話が弾んだようだけど、
自分は12時頃にダウンした。
なんせ朝早かったもんで。

翌朝は、
小林さんのピアノ演奏を聴くという
ビッグなおまけつき。
この講堂の空気が
小林さんをピアノの前に座らせたんだろうか。

出発前の記念撮影。

小林武史チームは昨日、宮城から回ってきて、
これからまた宮城に戻るんだそうだ。
いま石巻・牡鹿半島一帯で、
小林さんが総合プロデュースする音楽とアートの祭典
『REBORN  ART  FESTIVAL  2017』
が繰り広げられているのだ。
実にパワフルな人たちである。

 

あとは作品を一気に。

こちらも元小学校。
これまでのパターンと違って、暗い・・・
クリスチャン・ボルタンスキー+ジャン・カルマン作
「最後の教室」。

人がいなくなった跡に残された気配・・・なのか、
スピリチュアルな何かは伝わってくるけど、
3.11を経験した私たちにとっては、
つらい思い出が重なってくるようで、
うまく評価できない。

 

元津南町立上郷中学校を再生させた
越後妻有・上郷クローブ座」を訪ねる。

滝沢達史作
「時の殻」。

お昼もここで。
上郷クローブ座レストラン「風野又三郎」。

女衆と呼ぶ地元の女性スタッフによって、
又三郎の物語が演劇仕立てで語られながら、
コース料理が出される。

「食」のおもてなしは、どこも最高だった。
加えて「廃校を消滅させない」は、
この芸術祭の大事なコンセプトの一つ
だということも教えられる。
学校とは、地域にとって「未来への拠点」だからね。
そういう意味でも、「大地の芸術祭」は
地域とともに歩いているのだ。

 

内海昭子作
たくさんの失われた窓のために」。

ここで高島宏平さんから教えられる。
「窓から電線が見えるでしょ。
 ここから電気が東京に運ばれているんですよね・・」
う~む、、、
風景を邪魔するものにしか見えなかったけど、
この窓は、電線も素材として切り取っているのか。

 

行武治美作
「再構築」。

何千枚もの丸い鏡に覆われた家。
周囲の景色を映し出して、風景と同化する。

 

ジミー・リャオ作
Kiss & Goodbye」。

JR飯山線・土市(どいち)駅に並んで置かれた、
この地に多いかまぼこ型倉庫を模した作品。
中では、少年と飼い犬が電車に乗って旅をする物語が
映し出される。

子供たちがこの作品を覗き見て、
元気をもって電車に飛び乗る。
都会に出ても、どいち駅を自慢するといい。

 

最後に、拠点施設の一つ
「越後妻有現代美術館『キナーレ』」を訪ねる。

解説はHPに譲るとして、
越後妻有地方の風土を知る、
ゲート(入口)としての施設となっている。

 

二日間かけてこれだけ回っても、
観たものは全体の一部であり、
感じ取れたことは芸術祭が描くビジョンの断片でしかない。
しかし、もらった刺激はもう満腹状態だ。

与えられた宿題には応えなければならないが、
ここにどっぷりと浸かることもできない。
むしろ僕の役割は、イメージを伝播させることだと思う。
僕はアーティストにはなれないし、旅人でもない。
ネットワーカーでありたいと思って生きてきたのだから。

 

思い返せば、かつて僕らもやったことがあった。
90年代の数年間、たくさんの団体とともに展開した
「森と海と大地のDEVANDA展」。
そこで、農民芸術展というのを実施したことがある、一回だけ。
「農民も芸術家だ」というコンセプトで、
生産者が描いた油絵など、 “アマチュア以上” の
いろんな作品を持ってきてもらって並べたのだが、
そこから「農こそ芸術である」へと
イメージを広げるべきだったのだ。

越後妻有で実践される “大地の芸術” 祭 から
学んだものを、一つでも、どこかで形にしてみたい。
それが “僕なりの答え” になれるように。

呼んでくれた高島さんはじめ、
たくさんの人たちに感謝して、レポートを終えます。

最後にご案内を一つ。
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