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『大地の芸術祭』の里めぐり

2017/08/26
  • オイシックス
  • 米プロジェクト21
  • 食・農業・環境
『大地の芸術祭』の里めぐり

さてと、この体験をどうまとめればいいか。。。

たんなる報告や感想で終われない気がしてしまうのは、
おそらく僕がいつか形にしたいと考えていたテーマに、
深くクロスしてしまったからだと思われる。

8月5日(土)から一泊二日での、
越後妻有トリエンナーレ 大地の芸術祭
の里めぐり。

お誘いは、オイシックス
(正確には「オイシックスドット大地㈱」)から。
代表の高島宏平さんが、
「大地の芸術祭」に以前から関わっていて、
運営の主たるサポート団体である
「NPO法人越後妻有里山協働機構」(以下、里山協働機構)
の副理事を務めている。
その関係で、年に何度か現地視察と交流のツアーが
実施されてきたようなのだ。

しかも今回は単なるツアーへのお誘いではなくて、
“アートを媒介にした新しい里山づくり”
を進めるために、何ができるか話し合いたい。
大地を守る会の専門委員会「米プロジェクト21」から
誰か参加してほしいとのオファーである。
こんなふうにやってくる機というか運は大事にしたい。
行かないワケにはいかないと判断した。

ただ、悩ましい事態にもなった。
実はこの日8月5日は、毎年行われている
備蓄米の生産団体「ジェイラップ」(福島県須賀川市)
主催による地域イベント『風土 ㏌ FOOD』の
開催日と重なってしまったのだ。
結局、米プロ・メンバーは二手に分かれることになり、
ジェイラップ代表の伊藤俊彦さんにはお詫びして、
僕はこっちに参加させてもらうことにした。

 

もっと早く来るはずだった「越後妻有(つまり)」。
僕がこの地でのトリエンナーレ
(3年に一度の芸術祭、2年だとビエンナーレ)
を知ったのは、第2回の2003年の時だった。
以来、06年、09年と行けずじまいで、
次は仕事を休んでも行くぞと決意していたのだが、
3.11後の任務に追われ、2012年も断念。
で、2015年は函南への赴任となり、
このために休みがほしいとは言えず。。。
縁がないのかと諦めていたところに、
今回の話である。
しかもただ作品やイベントを見て回るだけではない
形での訪問のチャンスとなった。
不思議なものである。

 

朝6時に函南を発って、
熱海-東京-越後湯沢と乗り継ぎ、
9時40分、十日町駅集合。
オイシックスや大地を守る会の面々と合流し、
里山協働機構が用意してくれた10人乗りのワゴンに乗って、
いざ出発となる。

最初に案内されたのは、「星峠の棚田」。

十日町市峠という地区に連なる大小200枚の棚田。
「にほんの里100選」にも選ばれていて、
四季折々で観光客やカメラマンが絶えないスポットである。

案内してくれた農家の方。
自分としたことが、帰ってきたらメモを失っていて、
お名前が書けず申し訳ありません。

年齢はたしか78だったか。
ここでも年々耕作者が減っていて、
維持するのが厳しくなってきている。
そこで里山協働機構の若いスタッフが
米作りを学びながら、棚田を守ろうとしている。

とはいえ米がまっとうな値段で売れなければ、
維持できない。
そこで「まつだい棚田バンク」という制度がつくられ、
里親(棚田オーナー)に応募(出資)した方に、
ここの米が収穫量に応じて配当されるという
取り組みが始まっている。
いや「始まっている」ではない。
すでに里親数と対象面積では、
全国各地にある棚田オーナー制度のなかで
トップにまで成長しているのである。
これも芸術祭の効果だろうか。
アートの力あなどれず、だ。

ただし米は無農薬栽培ではない。
高齢の農家に、やはり田の草取りは厳しい。
受け継ぐ若者たちが増えなければ、
栽培方法まで注文はつけられない。

また、僕が気になったのは、減反政策による転作として
杉が植えられた田が点在していることだ。
もう伐り時のはずだが、
今は杉を伐っても赤字が増えるだけである。
更新は難しく、このまま放置される可能性が高い。
でも、手がないワケではない。
アートの力を借りれば・・・
そんな思案をしながら後にしたのだった。

 

続いて、常設の作品を見て回る。
3年おきの芸術祭だけで見れるのではなく、
たくさんのアートが残されていってるのだ。

廃屋をリメイクした「脱皮する家」。
解説はHPに譲るので、
上の文字をクリックして読んでください。

家屋のあらゆる所、一軒丸ごと
丹念にノミで彫って、
空き家がアートになった。
完成まで2年半、関わった人の数3,000人。
芸術家の頭の中は僕には想像できないけど、
ここで独りで夜を過ごしてみたい誘惑に
激しくかられたのだった。
どんな言葉が浮かんでくるだろう・・・
宿泊は大人一人3,000円とのこと。

スミマセン、今日はここまで。
次から訪れた作品を一気に流します。

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