強行採決の日に

公開日: : 最終更新日:2017/05/23 米プロジェクト21, 雑記その他

たとえば、花見であればビールや弁当を持っているが、
(犯行の)下見であれば地図や双眼鏡、
メモ帳などを持っている。

いわゆる「共謀罪」を含む
組織的犯罪処罰法の改正をめぐる国会質疑での、
金田法相の答弁である。

ヤバいよ、ヤバい・・・
過日、カメラとメモ帳もって
花見客で賑わう公園をウロウロしたばかりだ。
嫌疑をかけられた途端、僕は「一般市民」ではなくなる。
バードウォッチャーや写真愛好家の方々、
よくよくお気をつけくだされたし。
世間の人はこの法相の答弁を嗤(わら)っているようで、
「そんな、野党のように揚げ足取らなくても-」
という声も聞こえてきそうだが、
空気は変化していくことがある、
こんな戯れ言のような答弁の繰り返しでも。
しかも本質は、はぐらかしや強弁の向こうにあるようだし。

 

共謀罪が今日、強行採決された。
秘密保護法に安保法制、そして共謀罪・・・
もはや戦時下の様相である。

しばらく前に、朝日新聞が「パノプティコンの住人」
という連載をやっていた。
「パノプティコン」とは、
イギリスの哲学者ベンサムが考案した、
中央から囚人を一望監視できる監獄施設のことだ。
その後、フランスの哲学者ミシェル・フーコーが援用して、
権力による監視・管理社会を「パノプティコン社会」と名づけた
(『監獄の誕生-監視と処罰』、1974年)。

自民党、野党、官僚、メディア。
それぞれが「1強」のもとで、「パノプティコンの住人」
のように支配されていないだろうか。(4/18日付1面)

大メディアが自ら支配を自覚されるってのも
(あるいは自分以外のメディアを指してる?)
何だか切なくなるが、この視点は古い。古すぎる。

今はすでにポスト・パノプティコンの時代であって、
監視される多数者が監視を「見物する聴衆」
としても同化(恭順化)されていってる、
という状況をこそあぶり出して、
派生する問題を共有するべきではないだろうか。

「監視される者」であると同時に
「見物(傍観)する者」となった社会。
これをノルウェーの社会学者トマス・マシーセンは
「シノプティコン社会」と名づけた。
20年も前の話である。
見物人は時に、主観で差異を感じた人(マイノリティや異教の人など)
を通報する者にもなり得るし、時にデマも拡散させる。
一般市民が(その意識なく)監視者になるということだ。

他人事ではすまないってことです。
朝日さん、しっかりしてもらいたい。
古典用語を持ち出すんだったら、
サルトルの「アンガージュマン」(責任を自覚し行動・参画する)
でも引いたらどうだ。

 

大事なことは、傍観者にならないよう意識することか。
いろんな場面で使われる言葉だが、実際にはけっこう難しい。
発言する、行動する、躊躇した場合は反省し、
次に何ができるか考える。
そしてできることを持続させ、発展させていきたい。

もうひとつ大事なことは、人とのつながりや
助け合いの輪、コミュニティを守り育てることだと思う。
個と個が分散し、疎外し合わないように。

 

そんなことを思いめぐらしていたら、
大地を守る会の専門委員会「米プロジェクト21」のスタッフから、
5月4日の福島・山都町での堰さらいの報告書が
写真とともに送られてきた。

何百年も変わらず、受け継がれてきた暮らしの血脈。
守ってきたのは共同体の精神である。
貴重な連休をつぶして毎年やってくるボランティアたちも、
この山間地での「労働」に勤しむことで、
なにか大きな価値を発見している。それは間違いない。
哲学者・内山節(たかし)ふうに言えば、
「仕事」と「稼ぎ」の違い、みたいなものをだ。

もちろん村落に住めば、縛りもあるし、監視もある。
しかし今広がりつつある何とも言えぬ圧迫感とは、
守るものの質が真逆的に違う。

こういう体験が、人々には必要だと思う。


はたらく大地スタッフ。いい笑顔です。

 

今日、1年以上ほっぽらかしていた
5年日記を再開することにした。
書き留めておかねばならないだろう、これからの変化を。
もしかして自分に起きるかもしれない思考の変化も。

ゆでガエルのように無自覚的に死んでいくのだけは、ご免だ。
それは私一人だけの死を意味しないし。

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