新規就農者増え、新たな悩みも?

公開日: : 最終更新日:2017/03/23 生産者・産地情報

話は前後してしまったけど、
3月10日(金)に千葉・さんぶ野菜ネットワークの総会があり、
2年ぶりに参加した。
生産者の変わらない元気な姿を見るのは、嬉しいものだ。
まあ多少の変化はあっても、それはお互い様で。

総会自体は、事業報告や決算報告、事業計画に予算など
が組合員に諮られ、承認を受けるもので、
僕ら取引先はオブザーバーとして後ろから見守る形になる。
こういった手続きや議論を取引先にも公開するところが、
さんぶ野菜ネットワークの姿勢を表現している。

そして今年も、1名の正組合員と5名の准組合員が誕生し、
新たに8名の研修生の受け入れが承認された。

研修生はベテラン有機農家の下で研修を受け、
1~3年後に認められれば農地を取得して
(殆どが借地からのスタートだと思うが)准組合員となり、
一人立ちできれば正組合員に昇格する。

紹介される准組合員たち。

こうやって毎年々々若手メンバーが増え、
正組合員46名、准組合員21名という所帯となった。
しかもすでにその半数が新規就農者で占められてきているという。
メンバーの平均年齢48歳。
全国平均が66.8歳という先行き暗い状況の中で、
この数字は特筆に値する。

農協内に有機部会が設立されてより29年。
12年前に農事組合法人となり、
2011年の秋に集出荷場を建設し、農協から完全に独立した。
その年の総会が行われたのが3月11日。
まさに出荷場建設(=本部移転)の決議の直前に、
会場のホテルが揺れはじめ、総会どころではなくなる。
電車も止まって、帰れなくなった者たちは
生産者のお宅に分宿させていただくことになり、
僕は常勤理事・下山久信さんのお宅に世話になったのだが、
深夜のテレビで流れる光景に息を飲むばかりだった。

あれから6年。
原発事故後の販売不振を乗り越え、
毎年の異常気象に翻弄されながらも、
しっかりと若手を育て、土台を築いてきた。
今や有機農業の先進地というだけでなく、
日本農業の未来を示す生産集団である。

ただ、少々気になる話もあった。
懇親会で、古いメンバーたちに、
新規就農者たちが地域にちゃんと受け入れられているか
聞いてみたところ、
「まあよくやってるよ。問題起こしたりはしてないな」
に続いて、こんな言葉が返ってきたのだ。

「でもよお、彼らは勝手に売るんだよな・・・」

なるほど。
新規就農者にとって、経営の自立は火急の課題である。
ネットワークとの作付(契約)以外に、あるいはそれ以上
つくったものは、自力で販売しなければならない。
小売店やレストランに飛び込み営業する
“やる気のある” 若手が出てきてもおかしくない。
組織に縛られず、好きに作って好きに売りたい
という気持ちが強い人もいたりするだろう。

しかし、育ててくれた人、組織、地域への
仁義ってやつも、忘れてはならないことだ。
今は古い人たちも静観している感じだが、
これから新規就農者が増えるにつれて、
新たな問題として浮上してくるような気がしたのだった。

農民になるということは、地域に根を生やすことでもある。
その土地の風土、環境に生かされ、あるいは
地域とともに環境を守っていくことも求められる。
たんなる個人事業ではない部分が多々ある。

有機農業第1世代から後継者世代にバトンタッチされつつ、
いっぽうで新規就農者を受け入れ、農地と地域農業を守っていく。
その課題を背負っているという意味でも、
さんぶ野菜ネットワークは、否応なく、
日本農業の未来を占う先進モデルになってしまっている、
ということかもしれない。

こちらも、見守るだけでなく、
しっかり応援していかねばと思う。

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