十勝で踏ん張る、平譯優さん

公開日: : 最終更新日:2016/12/30 あんしんはしんどい日記, 生産者・産地情報

12月19日(月)、
北海道は帯広を訪ねた。

目的はスィートコーン缶詰対策。
秋の波状的台風上陸による河川氾濫と土砂流入によって、
委託していた工場(日本缶詰KK.さん)が製造不能となり、
一年分のホール・コーン缶詰が無に帰した。

DS-06206163-01A

コンピュータ管理の最新設備は洗浄や修理とかですむものでなく、
設備の全面更新には膨大な資金が必要となり、
日本缶詰さんはついに、缶詰製造からの撤退という結論を下された。
十勝で契約していたコーンの中でも特別栽培のものを
我が社用に確保してもらっていて、とても人気のあった一品だけに
こちらの経営的打撃も大きく、実に無念な話となってしまった。

とはいえ、うなだれている場合ではない。
やむを得ず別な工場にお願いに上がり、
何とか来年産のコーン缶詰製造の目途を立てることができた。

年1回の収穫、しかも北海道しかない原料。
いま動かないと、来年もない。
加えて、来年は大丈夫、という保証もない。
ハイリスクな話だけれども、生産者がいる限り、
国産にはこだわり続けたい、と思う。

 

さて、首尾を終えた翌20日(火)。
ここまで来て、この人に会わずに帰るわけにはいかない。

帯広の隣、幕別町で
長く無農薬栽培で野菜や豆類をつくってくれている
平譯(ひらわけ)優さん。

20161220%e5%b9%b3%e8%ad%af%e2%91%a2

大地を守る会にはジャガイモ他の野菜だけでなく、
「手づくり味噌」用の大豆の生産者として愛されている。
フルーツバスケットでは金時豆など餡用の豆に加えて、
シューストリング・タイプの「フライドポテト」用の原料を
長く作付してもらっていたのだが、これもまた
工場の製造ライン閉鎖によって、今年から作れなくなってしまった。
そのお詫びもしたくて、飛行機の便を遅らせてお邪魔した。
頭を下げたところでどうにもならないけれど、
いつかリベンジする決意だけは伝えねば、と思ったのだ。

それにしても、加工の受け皿が消えることは、
大阪城の外堀が埋められるのと同じダメージがある。
“ 攻めの農業 ” だけで日本農業が守れるワケではないのだ。。。

 

平譯さんの案内で、畑を回る。

20161220%e5%b9%b3%e8%ad%af%e2%9e%80

十勝川の氾濫で、平譯さんのジャガイモ畑も全滅した所がある。
それでも、客土してあったことで冠水せずに済んだ畑があるなど、
長年の土づくりの力も見ることができた。

被害に負けじと、小麦が芽を出している。
これはパン用小麦だ。
20161220%e5%b9%b3%e8%ad%af%e2%91%a1

土手の内側、河川敷では土が掘られていた。

20161220%e5%b9%b3%e8%ad%af%e2%91%a3

今後の対策として、土手を高くするのでなく、
川を深くして、その土を他の地域の盛土に回すという政策のようだ。
おかげでひっきりなしにダンプが走っている。

掘っているのは平譯さんが牧草を育てていたところで、
この工事が終わったら、来年も牧草を蒔くという。
大地に根を生やして、自然災害に遭い、人災にも翻弄されながら、
それでも土を守りながら生きている。
こういう生産者を見る度に、この国の政治はあまりに軽すぎる、
そんな気がしてならなくなる。

平譯さんの倉庫。

20161220%e5%b9%b3%e8%ad%af%e2%91%a4

多種類の豆をつくる平譯さんは、冬も忙しい。
大粒大豆が終われば納豆用小粒、黒豆、何とか豆・・・
と選別-出荷が続く。

案内してもらっている間にも、あちこちから電話が入り、
「いや今年は少ないんだわ・・・う~ん、それくらいならね・・」
申し訳なさそうに今年の事情を説明している。
歩いたり、豆をなでたりしながら。

選別の終わった大豆。

20161220%e5%b9%b3%e8%ad%af%e2%91%a5

今年は良品の歩留まりが悪かった。
それでも平譯さんは手を抜かない。
だからファンが多い。

20161220%e5%b9%b3%e8%ad%af%e2%91%a6

もっとゆっくりしていけよ-
という声に頭を下げ、空港に向かう。
年内のうちに仕上げなきゃいけない仕事が、
まだいろいろ残っているのを知っているからね。
17~8年前、僕が穀類を担当していた時の暮れ、
金時豆だったか、年内中に何とか届けて・・とせがんだ経験が、
僕にもある。忘れてないよ。

被害の額はただごとではなかったと思う。
それでも弱音を吐かないから、こちらも油断してしまったりする。
平譯優とは、そんな人だ。

 

今度は、東京集会で。
ああ、行けたらね。

体、大事にね。
ああ、まあ頑張るわ(無理するって意味か・・)。

空港で、しまった!と唇をかんだ。
倉庫にいた息子さんとのツーショットを撮るのを忘れた。
自慢したかったんじゃないかな。
ゴメン、今度は息子メインで。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

「食」を支える人が報われる社会を

炎暑が続く夏!となれば、 僕の心根はつい 故郷 に飛びがちになる。

吉田太郎が語る「コロナ後の食」(後編)

「食の未来をつくる生産者の会」主催による 吉田太郎さんのオンライン講

吉田太郎が語る「コロナ後の食」とは-

記録的な降雨量と日照不足を残して7月が去り、 8月1日、東海地方の梅

「Go To トラブル」?

7月20日、曇天と雨が続く中で、 今年初めてクマゼミの鳴き声(羽音だ

コロナ禍での模索

6月末から降り続く雨。 途中、一日だけ晴れ間を見たが、その日(7/1

→もっと見る

  • 2020年9月
    « 8月    
     123456
    78910111213
    14151617181920
    21222324252627
    282930  
種蒔人 COBOウエダ家 自然エネルギー 谷川俊太郎 ジェイラップ 森は海の恋人 ムーラン・ナ・ヴァン 丹那トンネル 震災復興 箱根峠 畠山重篤さん 川里賢太郎さん 丹那牛乳 久津間紀道さん ご当地エネルギー協会 畑が見える野菜ジュース 丹那盆地 函南町 備蓄米 あかね 稲田稲作研究会 羽山園芸組合 カフェ麦わらぼうし フルーツバスケット 酪農王国オラッチェ 藻谷浩介さん 桃ジャム 福島屋さん 無添加ジャム 大地を守る会
PAGE TOP ↑