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「伊豆の牛乳寒天」の継承

2016/12/12
  • かんなみ百景
  • 日々日々フルーツバスケット
「伊豆の牛乳寒天」の継承

12月10日(土)。
ふと気分転換に歩いてみたくなって、
函南原生林に足を延ばした。
といっても、原生林手前の公園散策までだったけど。

まだ紅葉が残っていた。
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人影もなく、静かな初冬の風景。
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麓の向こうに三島から沼津の町が見える。
さらに駿河湾が、かすかに・・・
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神奈川と静岡の県境に、今も原生林が残っている。
江戸幕府からの伐採命令に抵抗した先祖の碑もある。
この水源は後世のいのちにつながっているという想像力が、
当たり前に存在した時代があった。
しかもその責任感が身を賭した行動と一致できる凄みに、
僕は来るたびにひざまずく。。。

100年後の姿を見たくなるようなブナの樹。
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カモシカの痕跡?
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メッセージはそれぞれからのようでいて、
しかし本当に圧迫するのは、全体に漂う「摂理」のようなものからだ。
結局、「お前は何をしているか・・」という自問に行きつく。

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12月12日(月)、
製造1課(ジャム・ジュース等の製造ライン)で
ある製品の試作に取り組む。

新作へのトライではなくて、
すでにマーケットでテッパン的評価を得ていて、
古くから堅実に売れ続けてきた商品の再現試験である。

商品とは、これ。
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『伊豆の国からの贈り物 - たちばな の牛乳寒天』。
この地方で親しまれてきた定番のスィーツだ。

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製造メーカーは函南町の隣・伊豆の国市にある
「山ト食品株式会社」さんで、
実はこの事業を引き継ぐことになったのだ。

山ト食品㈱の永沼純子社長から事業継承を頼まれたのは
一年以上前のこと。
引き継ぐにあたっては、基本技術はもとより
設備や人(従業員)も丸ごと引き受けるとしても、
工場自体は新たにつくる必要があった。
いったいどれくらいの投資になるんだろう、
その回収はどれくらいでできるんだろう・・・
新米社長はぐずぐずと悩み、決断したのは今年の夏。
そこで前々回に報告した「FB伊豆の国センター」建設
につながっていったってワケ。

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決断してしまったからには、あとに引けなくなる。
先月には牛乳寒天の販売先(問屋やスーパーさんなど)に
案内も出して、挨拶回りも始めた。
年内には工場を完成させて、年明けから設備の移転を行なって、
2月から本格製造に入る計画だ。

主原料は長年のお付き合いである丹那牛乳。
製造能力を上げるために設備の改良も加えたのだが、
支持され続けた “懐かしい味” は再現しなければならない。

試作を見守る永沼社長。
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この日は、まだもう一歩の工夫が必要
との結論に至った。

 

世間から見ればささやかな事業継承だけど、
僕にとっては軽い決断ではなかった。
人とつながりながら、
地域に愛され続けてきた食の素材を受け継ぎ、
発展させること。
それによって地域の経済循環に貢献すること。
美しい “地元” を自慢できる人が育つこと。。。

思いを形にする、大事な一つの素材を引き受けたつもりだ。

TPPがどうなるか、なんて正直分からない。
しかし、ここでできることをする、今から、今日も。
それが僕なりの反グローバリズム宣言である。
それが僕なりの、世界との連帯であり、
僕が信じてきた「大地を守る会」運動である。

迷った時には原生林を散歩しながら-

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