第6回『風土 ㏌ FOOD』-小泉進次郎まで現れて

公開日: : 最終更新日:2016/08/28 生産者・産地情報, 米プロジェクト21

大地を守る会のホームページで連載中の「ヒストリー」。
半年くらいで終えるはずだったのに、
一年以上かかって36話まで進んだ。
正直かなりしんどいんだけど、テーマがテーマだけに、
予定したところまで到達しないと終われない。

ヨタヨタしながら書きつないで、たどり着いたのが
大地を守る会が取り組んできた「コメの歴史」。
書いているうちに4回になってしまって、
11日に何とか書き終えて、しばしの夏休みに逃げた。

書いて、改めて思う。
「コメ」は僕にとって、いつの間にか
ライフワークみたいになってしまった。
コメの輸入自由化反対から始まって、提携米運動、専門委員会、
米パニックに減反裁判、備蓄米、そして放射能対策・・・
命がけの決意をした局面がいくつかある。

何人かの生産者とも実に濃いお付き合いとなるのだが、
なかでも外せないのが、福島県須賀川市の「稲田稲作研究会」である。
とくに代表・伊藤俊彦さんとの出会いは、
僕の人生を左右した事件だった。
けっして大げさでなく。

 

さて、報告に間が空いてしまったけど、
山形での農業後継者会議を終えた翌日(8月6日)、
僕は函南には戻らず、その須賀川に向かったのだった。
ジェイラップ(伊藤さんと稲田の生産者たちが設立した会社)主催による
夏祭り『風土 in FOOD』に参加するためだ。
2011年から始まり、6回目となる。
地元の人たちも楽しみにする、地域のイベントに発展している。

稲田に来るたびに、僕はワクワクする。
生産者に会えるのもあるが、
何といっても田園の美しさである。
ここには荒れた田がない。
20160806JRAP①

午後4時くらいから、だんだんと人が集まってくる。
家族連れで浴衣を着た子どもたちの姿もあって、
このイベントがすっかり地元に定着したことがうかがえる。

気がつけば満席状態。
20160806JRAP会場風景①

焼きそばに焼きトウモロコシ、うどんに焼き肉・・・
盛りだくさんの屋台に、ビールや日本酒は飲み放題。
子どもたち向けには花火大会。

挨拶する伊藤俊彦さん。
20160806JRAP伊藤挨拶

3.11から幾多の苦難を乗り越えて、
学び、実践してきた。
前にも書いたけど、彼らがつかみ取った除染技術は、
世界に誇るべきものだ。
これは福1原発事故後の、救いのひとつである。
世界じゅうに400基以上もの原発が点在し、
順番に老朽化していく中で、
いつか地球を救うことになるんじゃないか。

伊藤さんから挨拶を求められて、
僕は思いあまって壇上で叫んでしまった。
「私に力があれば、ノーベル平和賞を上げたい!」

 

さてさて、話の順番が前後してしまったが、
開会に先立ち、この方が登場した。
自民党農林部会長、小泉進次郎さんだ。

20160806JRAP小泉進次郎

聞けば、二人は新橋のレストランで遭遇し、
伊藤さんがこのイベントにお誘いしたところ、
「じゃあ、行きましょう」と答えたのだと言う。

「本当に来ちゃったよ」と驚くみんなに、
「来るという約束を守っただけで驚かれる。
  それだけ政治家の信用が落ちてるってことです」と返す小泉氏。
さすがにツカミがうまい。
「ジェイラップを第2農協だという輩がいるが、
  むしろジェイラップこそ本来の農協の姿ではないか」
と農協批判に絡めるところもソツがないと思えば、
伊藤さんたちのたたかいをルポした奥野修司さんの著書
『放射能に抗う-福島の農業再生に懸ける男たち』(講談社文庫)
をちゃんと読んできて、その一節を披露するあたりもニクイ。

会場に顔を出していた奥野さんも苦笑いだ。
20160806JRAP奥野さん

伊藤さんはベトナムの農業振興にも協力していて、
この日はベトナムから20人近くの女性が訪れていた。
日本で農業研修を受けた若者が、
帰ったら終わりじゃなく、
自国での自立も支援する。そして
続けて若者が学びにやってくるような関係を築くんだと語る。
歴史的にも関係の深い日越に、
新しい友好の橋を懸ける。
実は小泉進次郎氏も彼のプランに賛同する一人なのである。

20160806JRAP伊藤&小泉

バランスをとるために、この人も紹介しておきたい。
旧民主党政権時代に外務大臣を務めた玄葉光一郎氏。

20160806JRAP玄葉光一郎

彼にとってここは地元、選挙基盤である。
小泉進次郎よりは「私でしょ」、が本音だろう。
伊藤俊彦はいろんな人を巻き込みながら、
ひたすら前に進む。まるで台風の目みたいな男だ。

 

あとはライブ。
雑誌『通販生活』を発行するカタログハウスの
斎藤憶良さん率いる「THE CREEPERS」。
20160806JRAPライブ①

沖縄のエイサーを演じる少年も登場。
20160806JRAPエイサー少年

地元のオヤジ・バンド「DISC LORD」。
20160806JRAPライブ②

最後のおまけに吉田拓郎「落陽」を熱唱。
嬉しいね。同世代だ。

20160806JRAP会場風景②

閉会の挨拶は鈴木富雄さん。
次世代リーダーの一人。
20160806JRAP鈴木さん閉会

 

すでにイネは出穂の時期を迎えていた。

20160806JRAP田園風景①

彼らのたたかいが報われる社会を築かなければならない。
それは今を生きる者の務めだ。
子どもたちの未来のために。

僕がここに来たいのは、ただ元気をもらうだけじゃない。
「お前は今、何をやってるんだ」
の問いを忘れないためだ。

20160806JRAP出穂

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