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エビちゃん日記

2015/11/21
  • 雑記その他
天城越え

11月13日(金)夕方に
南伊豆水産の大輪さんと別れ、
このまま帰るのはあまりにもったいないと、
南伊豆の山中に宿を取った(海も近いけど)。
野天風呂に入り、伊豆の酒と肴で
たまさかのリフレッシュ気分に浸らせてもらった。

翌14日(土)は、
海岸線でなく天城峠を越える山道を選んだ。

伊豆半島の南端、石廊崎(いろうざき)から。
20151114伊豆③

岬の突端には熊野神社の祠がまつられている。
かなり霊験あらたかな縁結びの神様らしい。
そこに二人で立てば、風も後押ししてくれる。
悩める君におススメのスポットだ。

岬をめぐるウォークラリーが開催されていた。

20151114伊豆②

石廊崎漁港には修験道の開祖、
役行者(えんのぎょうじゃ)様が立っている。

20151114伊豆➀

活躍したのは7~8世紀、弘法大師(空海)より前だ。
山伏と仏法の修業を積んで奥義を極め、孔雀の呪術を会得した。
空を飛び、鬼神を自在に操ったと言われる。
その呪術が怖れられて大和から伊豆に島流し(?)に遭うも、
夜になると富士山まで飛んで行って修業を重ねた。
(朝になると伊豆に帰るところが、ニクい。)

そして西暦700年(慶雲3年)、
この地に疫病が流行した際に、
役行者が授けて病気を治した薬草こそ、アロエである。
以来、伊豆にアロエは欠かせない。

これは・・ハイビスカス? だよね。
さすが南伊豆。
20151114伊豆④

違ってたら、すみません。

黒船と開国の町・下田を通過。
20151113伊豆④

ここから内陸に入り、
下田街道(天城街道)を北上。
河津町では河津七滝(ななだる)に立ち寄る。

七つの滝を全部見る時間はなかったが、
いくつか巡った。

二つの滝が合流する「出合滝」。
20151114伊豆⑤

川端康成の名作『伊豆の踊子』の舞台とあって、
「踊り子と私」の像を二つ、見つけた。
これは初景滝の前での二人。

20151114伊豆⑥

「いい人ね」「そうね、いい人ね」
一高生の若者は、隣の湯から聞こえてきた会話に
心の傷を癒されるのだ、たしか・・(記憶が曖昧)。
いい時代だ。

『伊豆の踊子』は6回映画化されている。
歴代のヒロイン役は、
田中絹代、美空ひばり、鰐淵晴子、吉永小百合、内藤洋子、山口百恵。
世代ごとに票は分かれるのだろうが、
山口百恵を最後に映画化が途絶えたところに
青春文学の終焉もあるように思えて、少々寂しくもある。

しばし、悩み多き青年に戻った気持ちで歩く。

20151114伊豆⑦

20151114伊豆⑧

20151114伊豆⑨

20151114伊豆⑩

ここら辺になると、名産は山葵(わさび)となる。
あちこちにワサビ田・ワサビ畑を見た。

20151114ワサビ田

 

そして、「天城越え」と言えば、浄蓮の滝。

20151114伊豆⑪

20151114浄蓮の滝

隠しきれない残り香が
いつしかあなたに 染みついた・・

舞い上がり 揺れおちる 肩のむこうに
あなた・・ 山が燃える~

戻れなくても もういいの
くらくら燃える 地をはって
あなたと越えたい 天城ぃぃ越ぉえ゛~(絶叫)

 

カラオケでこのド演歌を熱唱した男
あるいは女が、何人かいた。
なぜか東北人が多かった。
みんな職場を去り、どこかへ行ってしまった。
連絡が途絶えた男もいる。
元気にしているだろうか。。。

僕は今、なんの因果か天城峠に佇んでいて、
これからいったいどんな軌跡が残せるのかと
胸に問うている。
あいつらの顔を思い出しながら。

ま、俺なりに、やれるだけやるしかない。
こんなところで哀愁かましている場合ではないと、
アクセルを踏む。
伊豆には、無限に広がる海と豊かな産物と、
情念漂う山があった。

あとは一気に函南へ。

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