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“ されどジャム ” へのこだわり

2014/09/22
  • 日々日々フルーツバスケット
“ されどジャム ” へのこだわり

「たかがジャム、されどジャム」 と
フルーツバスケット・加藤保明社長は語る。

“ されど・・・ ” に込めた創業者の思いは、
おいそれとは伝えられないけれども、
それでも、こだわりのポイントは理解しているつもりだ。
むしろ深くないぶん、分かりやすいかもしれない。
19日のあかねジャム製造に立ち会った写真も使いながら、
追ってみたい。

その1-
原料はすべて前処理から始める。
新鮮で品質のよい原料が決めての第1 である。
生のまま使う。

おきたま興農舎(山形)から前日に入荷したリンゴ。 品種は「あかね」。
まずは洗浄から。
原料のあかね

輸入の有機JAS 品(イチゴ等) を使う場合もあるが、
それでも果実を原体から処理するのが原則である。

その2-
前処理はすべて、一個一個手作業である。
リンゴの芯を抜き、半切りにして手にとってチェックし、
傷みの部分などを削ぎ取っていく。
すべて手で芯と痛みを除去

(かすんでいるのはカメラのレンズが曇ったせいです。)

僕も作業に入ったが、熟練されたパートさんのスピードの速いこと。
隣で煽られながら、でも一つ一つスルーさせることなく、
時にジョークも交えながら、
「おや、奥まで行ってますね~」
「じゃ、神経抜きますね」 みたいに~

一回の作業ロットは、原料 200㎏。
あかねは小ぶりなので、歩留まりはどうしても悪くなる。
芯や種、傷み部分を取り除いたものをカッターで
さらに細かくカットする。
機械でカット

そしてボイルの工程に入る。

こだわりその3-
これがFB自慢の、真空二重釜。
真空二重窯

低温で、かつ短時間で煮込む方式。
原料の風味を逃さず、栄養破壊も少ない。
果物によっては歯ざわりまで残すことができる。
焦げ付くこともなく、原料本来の味に仕上がる。
低温殺菌牛乳が初めての人には淡白に感じるような、
あの感じか。 焦げ臭はコクではない。
原料の力が率直に反映される。

途中で状態を確認しつつ、
最初の煮込み

煮込み完了。
最初の煮込み完了

ここまで(原料の処理) でほぼ味の勝負は決まると、
製造1課の芦沢真史は説明する。

すっかり柔らかくなったあかねちゃんを、
裏ごしする。
裏ごし

それを再度、真空二重釜に投入して、
ビート(甜菜)グラニュー糖を段階的に投入しながら、
Brix(ブリックス:糖度)、pH(ペーハー:酸度)、
そして粘度を調整していく。
原料によっては pH や粘度調整に
レモン果汁や寒天などを使うが、クエン酸や
増粘多糖類(ゲル化剤、ペクチン)、酸味料、
酸化防止剤(ビタミンC、V.Cとも表示される) といった
食品添加物は一切使わない。
これが、こだわりその4。

あかねジャムでは、
最後にブランデーを一滴(0.1%)。 これも国産。
長野県塩尻市・林農園(五一ワイン) の
エキストラ・ブランデー。
初めてなので飲んでみる。
いや、舌で確かめてみたけど、イイねこれ。

あとはラインに沿って充填となる。

そして、こだわりその5-
作業後の徹底した洗浄である。
徹底した洗浄

手間はかかっても、サニタリー方式といって
すべて機械を分解して洗う。
TVで宣伝する某製薬会社にも負けないくらいの気持ちで、
洗う、徹底して洗う、毎日、毎回。

ここで、こだわりその6-
FBの工場では、合成洗剤は使わない、のである。
排水の清浄さについては断固胸を張れるのに、
この会社の人は自慢することを知らない。
まったく当たり前だと思っている。

契約農家の生産物の力をできるだけ生かしたジャム。
製造工程でも、できるだけ環境負荷をかけない。
もちろん品質管理は前提で。

しかし、最後の違いは、微妙である。
その微妙な差に、“ されど- ” の哲学が宿っている。
陸上や水泳競技のコンマ1秒に、
今日までのプロセスの違いが表現されるように。

弱点は、原料の品質の差が素直に出てしまうリスク
(添加物で調整できない)と、コストアップだろうか。
これをクリアするのは容易ではなく、
無添加食品の製造は今もってまだ異端、
あるいは特別な付加価値の世界である。
それを 「消費者ニーズ」 と、たいがいのメーカーは言う。

しかしここ伊豆の一角で、それを覆すたたかいを
して見せたいと思う。

 

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