石垣島パインの加工に挑む

公開日: : 最終更新日:2015/09/08 日々日々フルーツバスケット, 生産者・産地情報

佐渡レポートの途中ですが、
ここで臨時ニュースをひとつ、挟ませて頂きます。

 
沖縄の生産団体「真南風(まはえ)」の
代表を務める坂本勇一郎さんから、
石垣島パイナップルの余剰や規格外品対策の相談を受けたのは、
昨年夏のことだった。

10年ほど前までは現地に加工場があって、
果汁にして送ってもらっていたのだが、
その加工場が潰れてから、流れが途絶えてしまった。
丸のままだと、捨てる部分も一緒に沖縄から送られてくるワケで、
こちらでの手間や歩留りを考えると、とても受けられない。
せめて皮と芯をカットできないかとお願いしたのだが、
現地ではできないとの返答で、そのままシーズンを終えてしまった。

今年改めて「何とかならないか」と頼まれ、
じゃあ試してみるので頭(葉)だけは切り落として送ってみて、
と返事した。

送られてきたパインを現場に持ち込み、
カットから搾汁まで試してみたのが7月。
「何とかやれなくはない」との感触を得た。

それでも多少の逡巡があったが、
8月7日に開催されたネオニコ生産者会議に突然、
坂本さんがやってきて、
会議後の懇親会で詰め寄られてしまった。

会議で脱ネオニコに向けての現状を報告する坂本さん。

20150827真南風・坂本

しかし、どうみてもネオニコ問題より
パイン交渉が目的だったとしか思えない。
じゃあ現場と相談するから、まずは出荷計画を出してくれと
答えたところ、「その言葉を聞きに来たんですわ」
と喜んで帰って行った。

ところが、してやられたとはこのことである。
数日後に計画書がFAXで届いた時には、
同時にモノも出発していたたようで、
夏休みを挟んで続々と送られてきたのだった。

「シャチョー! パイナップルがどんどん着いてるんですけど~」
の電話に、「え゛~!」と絶句。
ざけんじゃねんよ~オォ! と四国から叫んだところで、
沖縄には届かない。
送ってしまえば何とかしてくれるだろう、
という生産者感覚 × 沖縄感覚か・・・
坂本勇一郎! 今度会ったらただでは済まないからね。

しかしパインに罪はない。
何とか処理作業を組むよう現場に頭を下げた。

届いた段ボール箱には「へんなパイン」の印刷。

20150827石垣パイン⑦

ヘンなパインって、どんなの?
いえ、ヘンなではなく、平安名(へんな)さんのパイナップル、
なのです。大喜利のお題にはなりません。
ヘンどころか、きっと美味いはず。

 

20150827石垣パイン①

まずは洗浄して、上下部をカット。
続いて4分の1にカットして、皮と芯を除き、
汚れや傷みをトリミングして、
さらに細かく刻む。

20150827石垣パイン②

20150827石垣パイン③

パルパーに投入して搾汁。
その時点では泡を多く含んでいるため、
ニーダーで真空をかけ泡を取り除く。

20150827石垣パイン④

20150827石垣パイン⑤

出来上がったパイナップル果汁は冷凍保管して眠らせ、
次のジャムやシロップの製造計画を待つことになる。

とりあえず処理をやり終え、
皮や芯部分は牛の餌に使ってみてくれるということで、
片野牧場さん(丹那牛乳の組合長・片野敏和さん)に持っていく。
酪農との細やかな資源循環が、ここにはある。
この部分はいっさい価格には転嫁しないが、
製品を買ってさえくれれば守られる
環境保全の網(ネットワーク)でもある。

20150827石垣パイン⑥

結果、歩留りは約30%。
けっこう厳しい。
それでも約1.5トンのパインを
お金に換えてあげることができたワケで、
我がフルーツバスケットの役割を見せられたような、
納得感は残せた。

そして昨日、坂本さんから連絡あり、
「台風15号でやられてちゃいまいました~。終わりで~す」
の突然の終了宣言。
オイオイ、あと1トン、こっちは計画してたんだよー
と言いかけたけど、
台風で全滅と言われてしまったら、どうしようもない。

でもお陰様で、
1.5トンでも台風の前に引き取ってもらえたので、
本当に助かりました。
有り難うございました!
・・・なんて感謝されると、小言を言うのも忘れて、
「まあ少しでもお力になれてよかったです」
と答えてしまう甘いシャチョーであった。

へんなさんのパインを使ったジャムに、
かき氷シロップ・パイナップル味。
来年には登場予定。
これもそれなりに頑張った作品ではあります。
乞うご期待!

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