掟に守られてきた原生林

公開日: : 最終更新日:2015/05/25 かんなみ百景

田んぼに水が入ると、待っていたかのように
一斉にカエルが鳴き始める。
ニホンアマガエルの大合唱だ。
夜、その声に包まれながら残業している自分がいる。
社会人になってウン十年、こんな職場環境は初めてだ。
もう僕は都会には戻れないかもしれない。

さて、前回の続き。
函南原生林の姿をお伝えしたい。

ここからいよいよ「不抜の森」へと入っていく。
2015051501

ブナ、アカガシ、イヌガシ、ケヤキ、ヒメシャラ、
オオモミジ、イヌツゲ、タンナサワフタギ、ヤマボウシ・・・
標識を見ては確かめていくが、途中でメモをやめた。
どうせ覚え切れない。

2015051502

立派な巨樹・古木が次々と姿を現し、
ちっぽけな僕を圧倒する。

2015051503

2015051505

2015051504

沢は森で蓄えられた水とミネラルを、
ゆっくりと麓に運ぶ道である。

2015051506

古老のようにたたずむアカガシに出会う。

2015051507

根の廻り11.3m、樹高16m、
樹齢500年(推定)と記されている。

2015051514

行く手を阻むように倒れているアカガシもあった。

2015051508

こちらは樹齢400年と推定されるが、
1989(平成元)年8月の台風で
数回の落雷に襲われ、倒れてしまった。

巨木もこうして、風や雷やツルマサキなどによって
毎年何本かが枯死している。
しかしそれも生物の餌となり、また土となって
生命を育み続ける。

2015051511

これも落雷によると思われる。
自然界は厳しいが、生命の鎖は途切れない。

一枚の看板があった。

DSC_0730[1]

10年前まで、ここに「日本一のブナ」が聳えていた。
樹齢700年、樹高24m、幹周6.35m。
1988年、当時の環境庁が「自然環境保全基礎調査」
(通称「緑の国勢調査」)を行なって、
初めて全国的な巨樹・巨木の調査を実施した。
そこで日本一のブナとして認定されたのだが、
一躍注目を集めたことで訪問客が急増し、
下草や灌木も消失して根腐れを起こしたらしい。
柵を設けて規制したものの結局2005年6月に倒木した。

ブナは寒冷地の木で、静岡では
標高千mを超す地帯にしか生育してないのだが、
ここ伊豆地方の600~800m地帯で
これだけの巨樹が成長したのは珍しい事例なのだそうだ。
やっぱ「日本一」の看板は残しておこう。

ちなみに、巨樹といえば屋久島の縄文杉が有名だが、
あそこの一帯は江戸時代に伐採されたあと
再生したものだと聞いている。
形が悪く、伐採されずに残った「ブスギ」(ぶさいくな杉の意)
の代表が縄文杉だと。

こちら函南原生林は、幕府の伐採命令に対して
粘り強く抵抗して守った歴史がある。
水源の森として入山から伐採まで禁止したという掟を
定めた先人の慧眼にはどのような経緯があったのか、
知りたいものだ。

こちらのアカガシは樹齢700年(想定)。
2015051509

森には神が宿っている。
人間は畏(おそ)れというものを取り戻す必要がある。

長い年月のうちにできる樹洞は、
新しい生命を育てる場所でもある。
2015051512

遊歩道をゆっくりと歩くこと2時間半。
上り下りもけっこうあってトレーニングにも悪くない。

2015051510

ウグイスに交じって、ここでも画眉鳥がうるさい。
ホント、よく鳴く鳥だ。
見つけた、と思ってカメラを向けたら、
キビタキだった。
画眉鳥はキビタキの鳴きまねもする。

2015051513

この原生林が抱える炭素量はどれだけあるだろう。
CO2を吸収する量は葉の量に比例する。
原生林の巨樹たちは現代の矛盾も吸収してくれているのだ。

函南にお越しの節は、ぜひ原生林で森林浴を
楽しんでお帰りくださいませ。

Message

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

竹林整備と「総合的な学習の時間」のお手伝い

1月21日(土)、 ほとんど幽霊会員状態になっている(会費は払ってい

ワイン用ぶどうで作った “ 品格ある ” ジュースの完成!

党派・結社に倚らず、組織的しがらみの空気も読まず、 権力的地位の濫用

「どんど焼き」とともに、遠吠えを

岸田首相の年頭会見には、まだ言いたいことがある。 「本日の遠吠え」を

“ withコロナ ” 時代は腸活で-

新年早々、この国の首相がこう宣(のたま)われた。 「インフレ率を

「謹賀新年」-恒例の賀状も最後でしょうか・・

皆さま。 明けましておめでとうございます。 1月4日より、予定通り

→もっと見る

  • 2023年2月
    « 1月    
     12345
    6789101112
    13141516171819
    20212223242526
    2728  
カフェ麦わらぼうし 川里賢太郎さん 備蓄米 COBOウエダ家 フルーツバスケット 丹那牛乳 ジェイラップ 大地を守る会 酪農王国オラッチェ 震災復興 ご当地エネルギー協会 久津間紀道さん ムーラン・ナ・ヴァン 自然エネルギー 畑が見える野菜ジュース 羽山園芸組合 福島屋さん 畠山重篤さん 稲田稲作研究会 桃ジャム 箱根峠 森は海の恋人 藻谷浩介さん 丹那盆地 あかね 丹那トンネル 函南町 無添加ジャム 種蒔人 谷川俊太郎
PAGE TOP ↑