『三陸鉄道 藻谷浩介講演ツアー』後編-気仙沼へ

公開日: : 最終更新日:2015/05/03 あんしんはしんどい日記, 震災復興

なかなかスピーディに書き進められず、すみません。
三陸鉄道ツアーの続きを。

三陸鉄道南リアス線の終点・盛(さかり)駅でレトロ列車と別れた
我々『藻谷ツアー』一行は、再びバスに乗って気仙沼へと向かった。

大船渡、そして陸前高田を通過する。
モニュメントとして残された「奇跡の一本松」や、
かさ上げされる防潮堤、まだ残る集合住宅の惨状などを窓越しに眺めながら、
3年前の光景 が蘇り、重なってくる。

20150419藻谷➀

20150419藻谷②

随分と高い位置でパイプラインが走っている。
このパイプを伝って、山から土が運ばれてくるのだ。

20150419藻谷③

海に近い低地をかさ上げする工事で、その高さは何と14メートル!
126ヘクタールの土地に、東京ドーム9杯分の土が盛られ、
その上に新しい街が建設される。
被災地の復興事業では最大級の事業である。

“ 海と緑と太陽との共生・海浜新都市の創造 ”
と謳った陸前高田市の復興事業は2018年まで続く計画である。
はたして人々は戻ってきてくれるのか、どんな街の姿になるのか、
不安は尽きないことだろう。
誰もが同意する “ 正解 ” はどこにもなく、
「やるしかないのだ」の決意で、新たな高台の街建設が進む。
奇跡の復活を果たすのか、それとも・・・答えは4年後である、いやもっと先か。

 

気仙沼に入り、二人のゲストがバスに乗り込まれて、
藻谷さんが聞き役となってのトークが行われた。

一人目は気仙沼市役所都市計画課の里見容さん。
立命館大学在学中に復興支援のボランティアで気仙沼に入り、
そのまま市役所に就職されたという方。
悩み多き青年時代の軌跡から復興の現状に対する思いなどを伺う。
大学の通信に、里見さんの取材記事があるので参照してほしい。
➡ http://www.ritsumei.ac.jp/rs/category/r_na_hito/entry/?param=457

二人目は、気仙沼バッティングセンター「フェニックス」の千葉清英さん。
震災時の津波で5人の家族(両親、奥さん、二人の娘)を失い、
息子の瑛太君(当時10歳)と二人きりになった。
茫然自失となったが、「何かしないと気が狂いそうで」、
一週間後から牛乳屋の仕事を復活させ、がむしゃらに働いた。
野球の好きな二人はある日、気分転換のつもりで、車で1時間半かけて
奥州市にあるバッティングセンターまで球を打ちに行った。
何度か通ううち、瑛太君が「気仙沼にもあったらいいね」
と漏らした一言で、父は奮起する。
みんなを元気にする場が必要だと。

建設資金を貯めるため、「復興応援!希望ののむヨーグルト」を開発、
全国の物産展で販売しては貯めていった。その数5万本とか。
支援者からの寄付も集まるようになり、銀行からも借り入れして、
昨年3月30日、オープンにこぎつけた。

息子との約束を果たして、
『フェニックス』と命名されたバッティングセンター。

20150419藻谷④

「カンパなんかいりません。
 そのかわり、1打席でも打っていってください。」
そう言われたら、やるしかない。
何十年ぶりかで、打席に立つ。
200円で23球。
23の数字は子供の年齢を足した数だったか・・・すみません、記憶が曖昧。
70から130キロまでの球速で7打席。
どの打席も左右で打てるようになっているのは珍しい。

順番を待って、100キロで挑戦。
当たることは当たったが、ほとんどファールか内野ゴロ。
ヒット性のあたりはたったの2本、という結果。
いや、でも楽しかった。ストレス発散になる。
こんなに楽しかったかなぁ・・・病みつきになりそう。

元広島カープの高橋慶彦さんも少年野球教室を開いてくれたそうだ。
何とか “ 世界の王 ” さんに来てほしいと、伝手をたよって頼んだところ、
多忙のため実現できなかったが、後日、直接励ましの言葉を頂いて感激した。
そんなエピソードも披露してくれた。

「息子の道しるべにならねば」の決意で約束を守った父の、
証しのバッティングセンター「フェニックス」。
被災地にはたくさんの物語が生まれている。

夕方から気仙沼プラザホテルにて交流会。

20150419藻谷⑤

20150419藻谷⑥

参加者は、話した人だけでも北海道から山口まで、しかも職業はバラバラ。
さすが全国を飛び回ってきた凄さを感じる。
追っかけてきたメディアも複数あった。

みんな熱烈な藻谷ファンである。
しかし僕の頭の片隅には、
3月5日に千葉・さんぶ野菜ネットワークの総会で聴いた
慶応大教授・金子勝さんの辛口批評も記憶に残っている。

20150305さんぶ総会④

「藻谷理論は逆立ちしている。
 人口の波が経済を動かしているのではなく、
経済的・社会的要因が人口動態に影響しているんだ。」

まあ、分析や論理の建て方は違えども、結局二人の提言の方向は
ほぼ同じようなので、僕はそれ以上深く考えてない。
研究者じゃないし、両方の論を冷静に頭に入れておこう、てなもんで。

ホテルに泊まる組があまりに多くなったために、
予定外に設定された夜の一席で、思いかけず(内心は期待していたけど)
畠山信さん(NPO法人「森は海の恋人」副理事長)に会うことができた。
仕事を終えて来てくれたのだ。

20150419藻谷⑦

1月に築地で開催した お父さん(重篤さん)の講演会 では、
信さんが色々と調整に骨を折ってくれた。
御礼を伝える機会が持てて嬉しかった。
藻谷さんを囲んで、記念に一枚いただく。

桜が満開の気仙沼で一泊して、
翌朝は三三五五の解散となった。

20150419藻谷⑧

明日はおまけで、気仙沼復興屋台の写真を載せたい。

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