「大地を守る会の備蓄米」 21年目の収穫祭、参加者募集中!

公開日: : 最終更新日:2014/09/22 米プロジェクト21

静岡・函南に勤務地は変わっても、
大地を守る会の専門委員会「米プロジェクト21」担当は
しつこく継続しているのでありまして、
したがってこの時期になると、恒例の
『 大地を守る会の備蓄米「大地恵穂(けいすい)」収穫祭 』
のご案内、となるのであります。

日にちは、9月27日(土)。
場所は、福島県須賀川市・稲田稲作研究会の拠点「ジェイラップ」にて。
東京駅から大型バスで往復します(電車・自家用車での参加もOK)。
一般参加もお受けしています。
概要は、以下にてご確認ください。

http://www.daichi.or.jp/info/event/2014/0804_4930.html

福島で、もっとも先進的なコメ作りと除染技術を確立させた
ジェイラップの探究心と、 “ 絶対にあきらめない ” スピリッツを、
たくさんの人に見てほしい。
「福島の復興にこそ、この国の未来がかかっている。」
そのことを実証せずには死ねないと、
ただひたむきに “ 未来のために ” 今なすべきことをやり続けた
彼らの、信念を支えた希望とは何だったのか、感じ取ってほしい。。。

ジェイラップ代表・伊藤俊彦さんからの参加者へのメッセージを
ここに転載させていただきます。

大地を守る会のみなさん。
今年も収穫祭に参加していただき、本当にありがとうございます。
もうすぐ備蓄米の収穫が始まります。
今年も皆さんにお会いできることを楽しみにしています。

「太陽熱利用乾燥調製施設」を平成6年に稼働させてから、
21回目の秋を迎えようとしています。
大地を守る会の「備蓄米」とは “ 一卵性双生児 ” のような関係にあります。
お米同様、丁寧に使ってきた施設ですが、
20年という歳月に施設は老いてきました。
昨年12月からこの6月までの半年間をかけて、
もう一世代後の世代に想いを託すために、
思い切って「平成の大改修」を行ない、
あと20年頑張れる施設として蘇りました。
ガラスハウスのガラスを20年ぶりに張り替え、錆びた鉄骨を磨き直すなど、
ピカピカに蘇った施設も、
私たちと一緒に皆さんとの対面を心待ちにしています。

(張り替え作業中の太陽熱乾燥施設)

ガラスハウスに足場が組まれ、一枚一枚張り替えられた

昨年秋に収穫された「大地恵穂」の、
月一回のゲルマによる精密測定の結果は、
「2013年産備蓄米(白米)を、年間60㎏ 食べたとしても、
年間の内部被ばく線量は0.0008mSV以下を示す」ものでした。
安全基準値の1000分の1以下という結果は、限りなく0に近いということです。

世界で初めて原子力災害によって水田が汚染された2011年、
稲田稲作研究会は「年間を通して1Bq/㎏ 以下のお米の生産供給」
を目標として掲げました。
この目標が「2013年産備蓄米」で達成されたのです。
皆さんに励まされながら夢中で取り組んできた対策の成果は、
皆さんと共有できるものになりました。
何より “ 限りなく0リスクに近い安心 ” を、
生産者自らの努力で手中にできた達成感はひとしおです。
本当にありがとうございました。

基幹倉庫と農産加工施設の屋根に乗った太陽光パネルは、
今年7月までに延べ300kwが稼働。
来年中には2000kw規模まで拡大する予定です。

ジェイラップ倉庫の屋根に太陽光パネル

福島の農業はこれからです。
学びを貪欲に実践に移し、もう一歩前を目指し続けます。

振り返れば1993年(平成5年)、
夏の大冷害によって日本中が米不足に陥り、緊急輸入まで行われて
“ 平成の米パニック ” と呼ばれた年。
大地を守る会も米の供給を制限せざるを得なくなり、
多くの会員さんから罵声を浴びせられた記憶は、今でも鮮明に蘇る。
折しも稲田では、太陽熱乾燥とモミ貯蔵という
画期的な設備が建設されていて、僕は伊藤さん(当時JA職員)に
「この設備を使って、民間でもできる備蓄システムをつくってみたい」
と持ちかけた。
伊藤さんの反応は素早く、というより同じことを考えていたようで、
「よし、やろう」の即決だった。
しかしその後に待っていたのは各方面からの圧力で、
彼の人生は大きく針路を変えることになる(JAからの独立)。
僕にとってもけっこうな正念場だった。
でも意外と楽しくもあった。
“ 絶対に彼を裏切らない ” と腹を決めてたからだと思う。

翌94年からスタートした「大地を守る会の備蓄米」。
世間では豊作の年も不作の年も、常に安定した品質を保ち続け、
最大の危機となった原発事故に対しても、
伊藤俊彦率いる稲田稲作研究会は、前を向かって歩み続けた。
この軌跡から編み出された技術は、
いつか世界を救うことになる、間違いなく。

そして今、自然エネルギーへの挑戦も始まっている。
彼らの使命感を支えるのは、次世代の笑顔であり、
“ 食べる ” 営みによってつながってくれている
消費者の存在である、これも間違いない。
「備蓄米」21年目の収穫をともに祝い、希望を分かち合いたい。

一人でも多くのご参加を!
・・・と訴えながら、僕は行けないのよね、ゴメン!!!
大阪で、盛会を祈りながら仕事に励むのであります。
これもまた連帯であると信じながら-

Comment

  1. Shio Hayashi より:

    行って来ました。
    初めてでしたが、ようやく来られた‼‼という気持ちと、一面に黄金色の田んぼの景色を、もう2,3年たったら見られなくなる可能性があると聞かされたときのさみしい気持ちと、そして湧いてきた「お米を一口多く食べるぞ!!」という決意、素敵な1日となりました。
    ご報告まで。

    • エビちゃん より:

      Shio Hayashi 様
      収穫祭へのご参加、感謝申し上げます。素敵な1日となったとのこと、とても嬉しいです。大阪から帰る途中で伊藤俊彦さんから電話があって、良い交流ができたと報告いただきました。皆さんの気持ちが通じ合ったのではないでしょうか。
      米価が急激に下がっている上に、高齢化やTPPへの不安などで、生産者はさらに減っていくことでしょう。食べ続けること、これが一番の応援です。これからもよろしくお願いします。有り難うございました。

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