つぶ入りジャムで、福島に恩返し

公開日: : 最終更新日:2015/04/28 日々日々フルーツバスケット, 生産者・産地情報, 震災復興

今日は3月11日。
あれから4年が経った。
僕らは何ができたのか。この国はよくなったか。

仮設住宅で暮らし続けている人たちが、まだいる。
除染は終わっていないし、汚染水は流れ続けている。
それでも国のトップは言う。原発再稼働を虎視眈々と狙いながら、
「復興は新たな段階に入った」って。

大切なものを切り捨てながら、
ひたすら経済を走らせようとする政治。経済の奴隷となった政治。
まるでシアワセは貨幣のあるところにしかないかのように。
借金で腐食が進む大黒柱に支えられた金色の摩天楼だ。
この建物は醜い。

午後2時48分。
沼津市の官舎一斉に、黙とうのアナウンスが流れた。
僕はその時、なぜか沼津の農林事務所の会議室にいて、
有機農業推進をテーマにした講演を聞いていた。
講師は大地を守る会の大先輩、徳江倫明さん(現:㈱FTPS会長)。
徳江さんには大変申し訳ないけど、
オレはこんな所で呑気に徳さんの話を聞いてていいのか、
という焦りで体が震えたのだった。
福島の彼らは今日、どんな思いだろう。宮城のあの人は・・・
会津では佐藤彌右衛門が、
安倍政権のエネルギー政策を問うたたかいを仕掛けているぞ。。。

でも、多少の言い訳を許してもらえるなら、
静岡の農産加工メーカーであっても、やれることはやってみた。
本日発売!「つぶ入りピュアなりんごジャム」。
“ りんごがつなぐ「ありがとうの輪」キャンペーン商品 ”
のコピーが添えられて。

20150311りんごジャム➀

3月3日、福島県二本松市「羽山園芸組合」のリンゴを
ジャムに仕上げた。
有機農産物の宅配事業では双璧と言われる
「らでぃっしゅぼーや」と「大地を守る会」の共同企画として、
明日から両団体で販売される。
競合するこのふたつの団体の名が併記された
初めての商品が登場したのだ。

きっかけは、「らでぃっしゅぼーや」の生産者・メーカーで結成されている
「Radix(ラディックス)の会」事務局長の沢村智代美女史からの、
一本の電話だった。
「羽山園芸さんのリンゴが余ってる。
ジャムにして支援したいんだけど、作ってくれる?」
沢村さんとは「らでぃっしゅ~」ができる前の、
1986年秋の一大イベント「ばななぼうと」からの付き合いである。

この話を僕が断るわけがなく、二つ返事で引き受けたのだが、
問題は製造ロットというやつ。
出来上がったジャムは全量売り切ってもらわなければならない。
少ない製造量では、逆に単価が上がってしまう。
「Radixの会」単独では厳しいとの声が内部で上がり、
そこで大地を守る会の吉田商品部長に打診して、協力を求めた。
原発事故後も継続して羽山のリンゴを販売し続けてきた団体として、
「乗ってくれるよね」。
もちろん彼の答は「引き受けましょう」の一発回答。
あとはトントン拍子に進んだ。

3月2日、「羽山園芸組合」からリンゴが到着。
3日にはジャムに仕上げた。
そして5日には、両団体からプレスリリースが発信された。
遅れてフルーツバスケットからも地元メディアに配信し、
HPにもアップした。

ささやかなジャムでの支援に、地元メディアも反応してくれて、
今日の朝刊で二つの新聞が取り上げてくれた。
伊豆日日新聞がイイ感じなんで、貼り付けておきたい。

20150311伊豆日日新聞

おかげで朝からけっこう注文の電話が入ってくる。
まとめて買ってくれる方もいる。嬉しいね、ほんと。
やった甲斐があったか。

他にFMラジオ局が2局、紹介を約束してくれた。
地元テレビ(NHK含む)からは「製造しているところが撮れないか・・」
との問い合わせはあったが、そこまで。

恩返しのつもりで、羽山園芸組合さんには
出来上がった製品120個を送らせてもらった。
販売して少しでもお金に変えてもらえたら、と伝えたのだが、
熊谷さんからは「いえ、みんなに配らせてもらいます」との返事。
お金よりも大切にしているものがある。
それは本当の豊かさや幸せの土台にある、深くて大切なものだ。

20150311りんごジャム②

3月11日。
静岡から、このジャムに想いを載せて全国に-

加工屋には加工屋のたたかい方がある。
少しは表現できただろうか。

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